「幻視」
「幻視」
不意に眩暈と戦慄に襲われ
私は深い眠りに堕ちた
何処までも
時空の消失
一切が時空と化す
意識のみ鮮明に在る
不可思議な異空間
覚醒の眠り
眠りの覚醒
渦巻き文様
妙音と玄音
さらに深く 堕ちた
漆黒の闇
不意の痛み
私は道端に倒れていた
犬が顔を舐めて通り過ぎた
蟻や羽虫や名もしらぬ虫が
私を噛んだ
三度眠った
今度は荒野だった
一面砂漠の光景
聞こえるのは風の音だけ
やがて無風になり
支配するのは怖ろしい沈黙のみ
やがて
全身が砂に埋もれた
不思議な闇の空間
意識も定かならぬ
朦朧として
夢に似た
熱の空間
やがてそれも消え
何も無い
意識のみ在る
遠くに十字架形の
シルエットが浮かぶ
すぐに消えた
幻覚らしい
意識が 薄れ 遠のく
私は公園のベンチに横たわっている
深夜に
泥酔していたようだ
眩暈と吐き気
頭が割れるように痛い
全身が凍りついたように寒く
震えている
遠くから雷鳴が聞こえた
起きねば と
強烈な突風が襲った
空間に漂う
意識のみが
2010年12月27日
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