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ほっこり銭湯な春

こんばんは、私は今ほかほかです。
なぜかというと近所の銭湯から帰ってきたばかりだから。

1時間前、シェアハウスの管理会社から電話があった。

「大変申し訳ございません、建物のガスの調子が悪いらしく、ガス会社に復旧を依頼したのですが、明日の午前中になってしまうそうなんです。ですから今日はシャワーが使用できずでして…近所に銭湯があるようなので、今日はそちらに行っていただけませんか?料金は後ほどお支払いします。」

この電話をもらって銭湯をいうワードを聞いた瞬間に、私は心踊ってしまった。

近所の銭湯?知ってる知ってる!

丁度、先週暇だったので近所を散歩していたときにその場所を発見していたのだ。いつか、行ってみようと思っていたところに絶好のチャンス!

私は「はい!かしこまりましたご連絡ありがとうございます!」と謎に元気に電話を切ってすぐに銭湯に向かった。ガスが止まっている絶望状態とも取れるヤツの声色じゃない。

シェアハウス生活はシャワールームに私物を置けないため、毎日カゴにシャンプー類のお風呂セットを入れて部屋から運んでシャワーをしている。だから銭湯に行くにはそれを持っていけばいいだけ。2分くらいで家を出た。

足元はサンダルで出てきてしまったので少し肌寒かった。徒歩でも十分行ける距離だけど早く行きたかったので自転車を漕いだ。

1分もかからずに到着した銭湯。こういう昔ながらの銭湯に来たのはこれで2回目だ。初めて来たのは丁度2年前くらいで、東京に引っ越してきた日にまだガスが通ってなかったので、母親と近所の銭湯に行った。その時もなぜかウキウキだったのを覚えている。

入り口を入ると、広い玄関でその先の休憩所も意外と開放的。おじさんが2人くらい椅子に座ってくつろいでいた。

私があまりにも初心者顔で入ってきたので、番台?風なところにいたおばちゃんが「あと45分で終わりなんだけど大丈夫?そこで券買ってね!シャンプー持ってきた?なければ貸すけど。」と色々教えてくれた。私はシャンプーあります!と言いながら券を買っておばちゃんに渡し、脱衣所の方へ向かった。

時間がギリギリだったこともあり、中にいたのは親子が1組と、1人で来ていた女性だけだった。お風呂は案外広くて、シャグジー付きのお風呂、ジェット風呂、電気風呂、別料金でサウナもあった。土日は半露天風呂も開放するらしい。意外と設備がしっかり。

まず体を洗おうと洗い場に行くと、初めてみた構造になっていた。
シャワーが上部に固定されていて、動かないので、髪を洗う時は鏡ギリギリに身を乗り出す感じで体勢がなかなかきつかった。これは慣れないと大変だな…と思いながらなんとか一連のお風呂ルーティーンを終えて、いざ入浴!

その頃には誰もいなくて私1人の貸切状態になっていた。

お風呂に浸かると、体がじんわり温まる。
一人暮らしをしてからお湯を溜めることがなかなかなかったし、今住んでいる所はそもそも浴槽もないので、本当に久しぶりのお風呂だった。

すぐにのぼせる私にとって非常に丁度いいぬるめの温度。前回行った銭湯は茹でられるんじゃないかってくらい熱かったから、こっちの方が好き。

試しに気になった電気風呂に行ってみたが、お尻の先にビリビリを感じた時点ですぐに逃げてしまった。あれにじーっと浸かっていられる人の忍耐力って計り知れない…。

ほんの10分くらいしか入浴していないが、もうそんなに時間がなかったので出ることにした。短い時間でも体が芯からぽかぽかになった。

脱衣所に行くと親子がまだ残っていた。おそらく5歳くらいであろう女の子が「おもいでのアルバム」を歌っていた。私も十うん年前の卒園式にこれを歌ったのでよく覚えていた。

いつのことだか思い出してごらん

あんなこと こんなこと あったでしょう

春だなあと思った。春は別れの季節で、出会いの季節。この女の子もこれからたくさんの大好きな人と出会って、お別れして、大きくなっていくんだろうなあなんて思いながら、その歌声をBGMに着替えを終えた。

脱衣所を出るとさっきのおばさんが「ごめんねえ、急がせちゃって」と声をかけてくれた。私は「いえ、普段お風呂に浸からないから少しの時間でもとっても温まりました」と返した。その後ガスが止まってしまった話をしたら「大変なところ来てくれてありがとうねえ、今度土日にも来てみてね」と言ってくれた。なんといい人なのだろう。絶対また来る。

奥には旦那さんもいて、2人で経営しているようだった。仲が良さそうな夫婦で、その様子をみたら体のほかほかが増した気がした。

行きは少し寒く感じたけど、帰りは芯まで暖まっているので全然へっちゃらだった。あまりにも気分が良かったので途中のコンビニでビールを買って帰ろうかと思ったけど、さっき脱衣所にて勢いで乗ってみた体重計の数値のことを思い出して、真っ直ぐ家に帰った。

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