日本企業リスト_2019_表紙

アフリカビジネスに関わる日本企業リストを作成している理由(2019年版を公開しました)

アフリカビジネスパートナーズは2013年から、アフリカで事業を行っている日本企業を調べ、リストにして、公開しています。

アフリカをまわっていると、意外とさまざまな日本企業の商品を目にしたり、店舗を発見したりします。当社の業務の中で日本企業と会ってお話をするたび、ほとんど知られていないアフリカでの日本企業での努力をもう少し広く知らせることが必要ではないかと考えていました。そのようなときにアフリカ開発銀行からリスト作りを委託され、情報収集を開始しました。

最初に公開したのは2013年5月で、その年の9月にケニアのショッピングセンターでテロが起こりました。日本でも多く報道されたのですが、ケニアでどのような日本企業が事業を行っているかはやはり知られておらず、テロの報道では「アフリカは危険なので、ケニアにも日本企業は5社しかいない」というものもありました(ケニアは当時でも30社程度、現在は76社が存在しています)。

誰かがちゃんと無料で公開していかないと、アフリカについての誤解はとけないままだと思い、本腰を入れて、続けて作成していこうと決心したおおきなきっかけでした。

2013年の作成時、経産省や外務省、アフリカ各国の大使館、そして多くのアフリカ関係者の方にご協力いただきました。現在は当社が独自に作成を担っています。私は1年のうち9カ月、アフリカの国をあちこちまわっているので、その中で実地調査を行ったり、日本企業に直接ヒアリングしたり、現地法人を訪問したり、英仏語含めた公開情報をまとめたりといった方法で情報を集めています。

2013年、2014年、2015年と作り、その後は2年に1度作成しており、つい先日、2017年版の次の最新版となる2019年版を公開しました。

以下から閲覧、ダウンロードできます。

一部抜粋すると、アフリカに進出している日本企業の数は、563となりました。一番多いのは南アフリカ、次にケニア、エジプト、モロッコ、ナイジェリアと続きます。

日本企業リスト_2019_まとめ_ページ_1

アジアなどに比べると、まだまだ数は少ないのですが、これでも年々増えています。2017年から2019年は、増え幅が高くなっています。

日本企業リスト_2019_まとめ_3_ページ_3

このリストの作成作業、実はめちゃくちゃしんどいです。事業の形態はさまざまなので、定義を定め、実態を把握し、分類し、あちこちにちらばっている情報の真贋をただし、とりまとめていきます。神経衰弱ゲームを寝ずにぶっ通しでやったような疲れ方をします。

日本企業がアフリカでどの販売代理店をアポイントしているかというところまで調べているのですが、アフリカのどの国にいても、嗅覚が働くようになり、このあたりにこの企業の代理店がありそうだ!、この企業があるならあの企業もあるはずだ!と体のどこかが環境に適応して発達しました。

完成した際には、スタッフともども、「もう当分やりたくない・・」と思うのですが、性懲りもなく続けてきました。

ただ、私自身がこのリストのファンで、眺めていると、54もあるアフリカの国で日本企業が事業を広げていっている様子や、はたまた苦労している様子が浮かび上がります。各企業ごとに、どの国で、具体的にどういう事業を行っているのか、何を販売しているのかを記載しているため、企業の全体戦略の中でアフリカがどういう位置づけにあるのか、どこまで本腰を入れているのか、グローバル展開がどの程度進んでいるのか、見えてきます。

実用的にも、ふとある企業の情報を調べてみたり、あるアフリカの国に進出している企業をピックアップしたりと、「アフリカ版四季報」「アフリカビジネスのハンドブック」といった使い方をしてます。

最近は、アフリカビジネスをやりたくて、アフリカで事業を行う会社を選んで就活を行っている人も多いので、企業選びにも使ってもらっているようです。

ここ5年ほどは、アフリカで起業した人、また起業したい人も多いです。個人がアフリカで起業した企業についてもリストアップしているので、事業立案の参考にも使ってもらえればと思っています。

次の記事では、「個人がアフリカで起業した企業」について、リストからピックアップして紹介してみようと思います。

リストは以下から閲覧、ダウンロードできます。


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