見出し画像

ついにユニ・チャームがケニアに。アジアでの日本企業の成功は再現されるか

ユニ・チャームの生理用ナプキンが、ケニアの店頭に並び始めました。日本と同じ、SOFYブランドでの展開です。

紙おむつや生理用品は、日本がアジアで成功を収めてきた商材です。若年人口が増加するアフリカでの販売可能性は、長年注目されてきました。

アフリカで紙おむつや生理用品を開拓してきたのは、P&Gです。パンパースはおむつの代名詞になっていますし、アフリカのどこでもナプキンブランドAlwaysは手に入ります。人々が最初に使った商品はP&Gでした。

ところが2010年代以降は、アフリカのP&G王国にも陰りが見えており、国によりますが、シェアはじりじりと落ちています。

弊社の試算では、アフリカではもっとも生理用ナプキンの普及率が高い国でも50%程度(1月10枚換算)。市場の余地という意味でも、競争の観点でも、まだ参入の余地があります。

ケニアのスーパーなど近代的小売における、生理用ナプキンのシェアは、P&GのAlways、米キンバリー・クラークのKotex、トルコのHayat KimyaのMolpadが上位を占めます。

ちなみに、左上に見えるのは、大王製紙と丸紅が買収したブラジルのSantherの生理用品。

そこに、ユニ・チャームのSOFYが登場。サムネイルの画像に書き込んでみました。

ナイロビのスーパーでABP撮影

所狭しとぎゅうぎゅうと並んでいますね。このなかで棚を取るのは大変なことです。

ユニ・チャームは2010年、アラブの春の直前ににエジプトに進出しました。工場を設立し、紙おむつと生理用品を製造しています。エジプトは、消費財にとって激戦区な上、為替や輸入やら変化への対応が必要なエキサイティングな市場ですが、そこで10年以上製造・販売してきました。ケニアのSOFYは、このエジプト工場で作られたものが輸入されています。

エジプトのユニ・チャーム工場(ABP撮影)

ユニ・チャームはインドネシアやタイ、ベトナムにおいて生理用品のシェアトップであり、全社売上の48%がアジアです(2022年12月)。培った成功パターンを、アフリカでも展開できるでしょうか。

スーパーでさっそく買い込み、オフィスの女性たちに配りました。他のブランドは厚みがありますが、ユニ・チャームのSOFYはとても薄い。誰かが日本のCMでよくあるシーンのように水を注いでみたら、薄さとは裏腹にたくさん吸収するので驚いていました。

とても楽しみです。ユニ・チャームの事例をみて、アジアで活躍してきた日本の消費財メーカーの進出が続くことと思います。


消費財の販売は、アフリカのどの国にチャンスがあるのでしょうか。人々の生活様式や購買行動は?現地で販売するためのチャネル戦略は? 製造の拠点としてはどうか。現地の有力企業は? ー といったご質問にクイックにお答えしています。アフリカでの販売について、事業立ち上げについて、ご相談はこちらからお受けしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?