協調性があるから、反発する

客観的に見ても、私には協調性がある
我が強くて、斜め上のズレた思考でも
他人の顔色を見て、言動を観察して合わせる
自分は「部品の一部」と重んじていた

組織で働きたくないと言いつつ
どんな組織でも適合し
淡々と卒なくやっていく自信はある
何色にでも染まるほど、個性がない

組織の中にいると、自我のスイッチは切る
朝から「早く帰りたいな」なんて考えていた

陰口を言わなかったのは、善人だからじゃない
学閥の中で群れ、無駄に敵を作りたくなかった
私は、私さえ良ければいいと思って
我ながらズルい生き方していたな、と思う

自分の意思とは反対側を選べば「正解」だった

それをアホくさと思えたのが
女性の先輩からの嫌がらせを受けてだった
先輩は上司と不倫し、人によって態度が変わり
気分屋で、仕事中に雑談を始めたら終わらない

先輩の良い部分は容姿じゃないかな

タスクをこなし、このバカの尻拭いし人前で罵られ、子持ちの先輩だから残業を押し付けられて
私、何やってんだろうって…

次第に、先輩以外を
噛み付くことや引っ掻くことで自分を守った
先輩の嫌がらせは他から反発されるより怖く
大っぴら且つ陰険だった

先輩のイビリは他の部署も知っていた
書類を届けに行くと「大丈夫?」と言われた
労基署がパワハラ認定したのも割と早かった

部署には有資格者が先輩と私だけだったから
破壊的な言動をする先輩に合わせていた、自分
部署の帳尻合わせに翻弄された、自分
嫌がらせさえなければ、まだ勤務していただろう

こんなことがあったから
協調性に反発する
空気を読む負担を減らしたい
調和に左右されると疲弊する
短絡的に「多様化、万歳」なんて考えてしまう

「アンタ、倫理的に間違ってるよ!」と
自己主張できなかった自分がいたから…