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下着ブランドで、息苦しい日本のムードを変えたい

はじめまして。うめ組ランジェリーと申します。

新しい女性用下着ブランドの立ち上げを予定しています。今回はその理由について、お話しさせてください。

このnoteは自分自身のためでもありますが、人の視線を気にしすぎてしまう人、日本で息苦しさを感じている人、女性として年齢を重ねる中でプレッシャーや、言葉にできないモヤモヤや怒りを感じている人に届けたい、と思いながら書いています。

楽しくて、何も不自由なく、でも息苦しかった

少し私自身のことをお伝えさせていただくと、2019年8月から2020年9月まで、カナダのバンクーバーに住んでいました。30歳という年齢を目前に、行くならもう今しかないと思い立ちワーホリビザを取得し、会社を辞めてえいやっと日本を飛び出してきました。

出発前、日本で知人や友人からよく聞かれたのは、

・何しに行くの?
・何か目的があるの?
・仕事やめて大丈夫なの?

そのときは「今後のキャリアのため」的なカッコつけた理由を話してましたが、正直にいうと大した理由はなかったです。ただ、海外に住んで、生活費を稼いで、生活するということを経験してみたかった。もっと本心では、このすばらしく便利で、食もエンターテイメントも十分に揃っていて何不自由ない東京、だけどなんだか息苦しい社会を一時脱出したかったからです。

多様な個性が溢れるカナダで再発見したこと

私自身の環境や生まれもった性格もあると思いますが、日本で息苦しさを感じていた原因は、私自身が「人からどう思われるか」を気にして、他人の価値観や、狭い視野で生きていたからです。

たとえば、日本で女性は20代後半になるとアラサーと呼ばれて、若い子の方が絶対的に価値がありかわいいと信じ込まされます。30代になるとおばさん扱いをされ、独身であれば婚活をしているのかと尋ねられます。男性は社会人になった途端、仕事や収入で女性や周りからジャッジされたりすることも多い。

だけど、世界中には違う価値観を持っている人が山ほどいます。

年を重ねて女性はますますきれいに、美しくなっていく。30だろうが40だろうが、いくつになっても恋愛をしてもいいし、結婚しているかどうかや年齢はいちばん大事なことではない。収入や仕事でその人の魅力は決まらない。趣味でもなんでも自分の好きなように、人生をポジティブに生きている人はとても魅力的だ。

日本でこんなことを言うと「負け犬の遠吠え」みたいに扱われている気がしました。なぜなら私が独身だから。女性は出産のことを考えると若い方がいいに決まってるし、男性の収入はやっぱり多い方がいいでしょ、と。そうかもしれません。だけど、こうあるべきという価値観の押し付けは不健康で、人が本来持っているクリエイティビティやエネルギーを奪っていきます。

男女についての価値観だけではなく、日本では人間関係において、なぜこんなにジャッジし合わなければいけないのだろうかと感じることもありました。もっとオープンで寛容な、応援やポジティブな言葉であふれる世の中を生きられたら良いのに、と。一方で、人の言葉を気にしすぎてしまう自分が悪いのだと自己嫌悪になることもありました。

他人は他人、みんな違う価値観を持っているからと思っても、人の何気ない言葉にいちいち疑問を持ち、傷ついたり時には怒りすら感じていました。

だけど日本にいた時は、それが「普通なんだ」と思っていました。私だけじゃなく「皆」少なからずそうだし、「皆」大変な思いをしながらがんばって毎日一生懸命働いて生きてるし、社会の中で生きるとはそういうものだ、と。生きづらいなんておこがましくて言えなかった。私なんか、幸い仕事にも友人にも恵まれていて、他にもっと大変な状況の人はたくさんいるのだから「生きづらい」なんて大げさだな、と。

でも、カナダで生活する中で改めて思いました。他人の目を気にして、「こうすべき」という他人の価値観にとらわれて、いつも息苦しかった。ようやくこう言えるのは、日本以外での暮らしを始めて知ったからです。あれが「普通」ではなかったんだな、と。日本に比べたら不便もあるしすべてが最高なわけではないですが、バンクーバーのおおらかな雰囲気は私にとってはとても生きやすく感じました。

きっと同じように、日本で息苦しさを感じながらも、それをうまく言葉にできない人は私以外にもたくさんいると思うのです。

ある日、クローゼットの中の花柄の下着に違和感を感じた

突然ですが、いまあなたが身につけている下着、なぜそれを買ったのですか?クローゼットに入っている下着のなかで、お気に入りはどれですか?

カナダで生活する中で、ある日ふと引き出しの中の自分の下着を見て違和感を覚えたんです。日本から持ってきた花柄、レース、可愛らしい下着。「私がいま持っている下着は、全然私の好みじゃなかったな」ということに気がつきました。

毎日身につけるものなのに、なんで自分が本当に好きと思えるものを持っていなかったんだろう?

その瞬間から、私がこれまで日本で感じていた生きづらさ、うまく言葉にできない気持ちを抱えながら過ごしてきたこれまでの人生と、女性として年を重ねるたびに増していくプレッシャー、そして今後私が実現したいライフスタイルと「下着」がつながりました。

ヘルシーでセクシーな海外の下着

海外の下着ブランドというとヴィクトリアズシークレットを思い浮かべる人が多いと思いますが、ヴィクトリアズシークレット以外にもたくさんのブランドがあって、それぞれブランドの個性があります。

そして、下着を身につけている女性のイメージがとてもヘルシーで美しく、かっこいい。

例えば、これは私の憧れるイギリスのAgent Provocateur(エージェントプロヴォケイター)というブランドの広告です。

こちらは、日本の下着ブランドの広告。

どちらが良い、悪いということではないです。ただ私が素敵だな〜と感じるのは、可愛らしくてふわふわした女性よりも、Agent Provocateurの女性の強くてセクシーなイメージです。

Agent Provocateur以外にも、海外にはたくさんのランジェリーブランドがあります。エシカルなブランド、コンセプチュアルなブランド、無駄を徹底的に排除したミニマリズムで原価公開しているブランドまで。自分がどうありたいか、何を大切にして生きたいか、そういう価値観で選べる選択肢がたくさんあります。

20代の頃は、胸が小さいことにもかなりコンプレックスがありました。でも今は特に気にしていません。誰もが、かわいくて、男性からの好感度が高い、ふわふわした女性になりたいわけじゃないんです。セクシーで、たくましくて、自分のスタイルを持っている健康的な女性。胸が大きくても小さくも、肌が黒くても白くても、太っていても痩せていても、それぞれの個性に自信を持って生きている人は、美しくてセクシーです。

「セクシー」はいやらしいものか

日本では「セクシー」=いやらしいもの、セクシーな下着=男性に見せるためのもの、みたいなイメージが強くあります。でも本来、「セクシーである」ということは、「魅力にあふれている」ということだと考えています。

以前、日本で友人にこんな話をされたことがあります。ジムの更衣室でTバックを履いている女性を見た、普通スポーツジムにTバックなんて履いてこなくない?と。彼女にはそれが「セクシーすぎて」「いやらしく見えた」ということだと思います。

当時は私もTバック(ソング)を持っていませんでしたが、カナダで履くようになり、いろいろタイプのショーツをその日の気分によって選んでいます。履いたことがない人のために付け加えておくと、ソングの魅力は下着の線が洋服にでないこと。カナダではヨガパンツでお出かけてしまうことも多く、ヨガパンツに下着の線でないことが快適で。あと、お尻が垂れるという悲しい現実が、ソングやチーキーのようなショーツを履くと逆にあまり気にならないことに気がついたんです。それからお尻の筋トレが楽しくなった。自分が好きなものを身につけると、自然とコンプレックスにも前向きになれます。

日本でも、Tバックが好きなら、温泉だろうがジムだろうが、堂々とTバックを履いたら良いと思うんです。

自分の「好き」を大事にして日々ポジティブに生きていると、内側から自信が生まれる。そういう自信や内面からあふれるものが、その人をより魅力的にしてくれるはずです。

女性は可愛らしくあるべき、という価値観とランジェリー

個人的に思う、日本の女性下着の主流のイメージは以下の2つ。

ひとつは、花柄やレース、リボンがあしらわれた可愛らしいデザインのもの。また、機能としては胸を大きく見せるためのバストアップ機能が強調されることが多い。「女性は花のようにおしとやかに」「男性の一歩後ろをついていく」みたいな昭和の価値観は日本でもさすがになくなってきていると思いますが、それでも根底には「女性は可愛いらしく」、「胸は大きい方がいい」。それが女性の理想的なイメージ像として、下着に反映されている気がします。

もう一つは、セクシーな下着。といっても海外の下着によくあるようなヘルシー、シンプルなものではなく、エレガンスでゴージャス、高級なイメージです。先ほどセクシーは魅力だ、と書きましたが、このゴージャスなイメージは、私が憧れるセクシーとは少し違うんです。

近年ではさまざまな独立系ブランドも増えましたが、下着が好き・詳しい人以外は、まだまだ大手ブランドの下着しか知らないと思います。

女性の下着ブランドにあまり選択肢がないのは、そもそも女性の下着自体が作るのが難しく、ブラジャーはサイズ展開も幅広いため工場で生産する場合リスクも大きく、気軽に小さなブランドが参入できる業界じゃないということも要因です。

それでも私が日本で下着ブランドを立ち上げたいのは、下着を通して日本のせまく凝り固まった社会の価値観を変えたい、と思うからです。今後日本で生活するなら、今は他にやりたいことがないなと思います。

自分らしく生きるために、自分の感性に頼ること

私が作りたいのは、「ヘルシー・クール・セクシー」なデザインの、かっこいい下着ブランドです。

ブランドを立ち上げたいと思ったのは、一つは自分が本当に欲しいと思う日本の下着ブランドを見つけられなかったから。新しい下着が欲しいと思っても、買いに行きたいお店や、心から欲しいなと思うものがあまりない。

そしてもう一つは、先ほども言ったけれど日本の息苦しい社会の雰囲気を変えるため。

下着は普段は誰に見せるわけでもないので、自分が本当に好きなものを選ぶことができます。私が好きな「ヘルシー、クール、セクシー」なスタイルだけではなく、繊細で可愛らしいものが好きなら、毎日可愛いらしい下着を身につけてハッピーに過ごして欲しい。Tバックが好きなら、毎日Tバックをかっこよく履きこなして欲しい。

自分の好きなもの、好きなライフスタイルを選択し、自分の感性を大切にして生きること。それが何より健康的で、女性をセクシーに輝かせるはずです。

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最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
日本をもっとオープンで、ポジティブな世の中にするために、新しいランジェリーブランドの立ち上げに向けて活動中です。

ランジェリーのデザインはもちろん、アパレル業界の経験もツテもお金も、何もない私がどうこれから進んでいくのか、暖かい目で見守っていただけたらうれしいです。どのぐらい時間がかかるか分かりませんが、必ず形にしたいと思います。

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おまけ。ちょこっと自己紹介:
noteは真面目に語っていますが、ごく普通のアラサーです。人が好きだけど一人の時間も大好き。読書と映画と英語とコーヒー、パクチーと担々麺とビールが大好物。恋愛トークは闇の中。アラサーの皆さま、ともに人生楽しくサバイブしていきましょう!

ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨