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海外の下着ブランドがすごい。日本中のひとに知ってほしい7ブランド(後編)

こんばんは。うめ組ランジェリーです。

日本で新しい下着ブランド『Relyme(リライム)』の立ち上げ予定、現在むくむくと色んなアイデアを膨らませながら準備中です(下着ブランドをつくる理由、思いについてはこちら)。

OEM先探しをしているのですが、デザイン〜サンプル作成の依頼が初めて前進しそうな気配です。やってることなど随時発信していくために、ゆるりとTwitterも始めました→@relyme_lingerie

今回のnoteは前回の続きです。わたしが気になる海外ブランド、4つ目以降をつらつらと語っていきます。▼前回の記事はこちら

4. CUUP

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4つ目は、ニューヨーク発のものすごく注目の高いスタートアップです。何がものすごいかって、2018年11月に発売開始して2020年2月には11億円もの資金調達をしていること。最先端の技術を駆使したAIサービスを提供するテック系のスタートアップとかではなく、ブラジャーの会社で11億円とは…!米国のベンチャーキャピタル事情に詳しいわけではないので素人の感想ですが、それだけ世の中のニーズもあって市場価値も高いと判断されたということなはず。

Q: Who were your investors and how much did you raise?
A: $11M Series A. Investors include Insight Ventures, Forerunner, Global Founders Capital, Lerer Hippeau, and Bullish.
(参考記事:Written by Alley Watch

CUUPが画期的だったのはブラのサイズ展開。30A〜38Hという35サイズを揃えた(業界平均は17サイズ)、ミニマルな5つのスタイルのブラを提供しています。商品サイトを見るとカラーもデザインも言ってしまえば地味なのですが、そのスタイリッシュな見た目が逆にクールで新鮮。

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サイズ展開以外の特徴として、NYのSoHoにあるオフィスあるいは20分間のビデオチャットで"フィッティングセラピスト"によるフィッティングが予約できます。これは試していませんが、CUUPのサイト上のサイズガイドに従って初めて自分でメジャーをしてみました。正しいサイズも分かったことだしせっかくなので購入してみよう!…と思ったのですが現在はアメリカ国内発送のみ。残念。

「サイズはスティグマだ」と語る創業者の1人、アビー・モーガンは、ほとんどの競合他社が作る17つのサイズのブラに消費者が合わせてきた、そして大多数の女性が間違ったサイズを身につけていることに気がついたという。日本だとイメージしにくいかと思うのですが、アメリカの女性は日本よりカービーで豊かなバストやお尻の体型の方が多く、例えばCをつけていた人が実はEだった、とかいうことが多くある。かつ、大きなサイズのブラの需要に業界全体の供給がマッチしていない。そこにいち早く気がつき、35サイズという業界の常識からすると型破りな商品を実現できたのはCUUPの主要な投資家の1人が工場を所有しているためだそう。

それまでサイズが合っていないことに気がつかず、ただなんとなく不快だったブラが、CUUPのフィッティングを通して自分の本当のサイズを知り、最高のフィット感・つけ心地の良いブラに出会う─。CUUPが提供しているのは、そういう他ではできない"体験"だからこそ、ここまで注目されているのだと思います。

5. Organic Basics

エシカル、サステナビリティ。ファッション業界でよく耳にする言葉ですが、5つ目に紹介したいのはエシカル&サステナブルな下着ブランドとして飛び抜けた存在感をはなっている、デンマーク・コペンハーゲン発の『Organic Basics(以下OB)』。商品展開は男性用もあり、下着以外にもTシャツ、靴下など日常的に使うものが揃っています。

"The fashion industry is a dirty bastard.(ファッション業界は汚い野郎だ)" という潔い(?)メッセージ。取り組みに対する自信が伺えます。

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実際のOBの取り組みについては、サイト上からたくさん知ることができる。
・商品を生産している工場一覧
・使用されている素材の詳細一覧
・2019年に何を達成し、2020年にはどういったことに取り組んでいくのかに関するレポートの公開
サステナビリティに関する知識の提供(A〜Zのアルファベット順にかわいいイラスト付きで解説されている)

2015年にできた若いブランドですが、技術力と発信力があり、ファッション業界のサステナビリティに対する正義感、リーダーシップを強く感じます。共同創業者のクリストファー・イマニュエルが言うには、「サステナビリティに取り組むことは目的ではなく、プロセスOBでサステナビリティの取り組みをやめる日は、私たちが死ぬ日だと考えている」(参考記事)。有言実行なところがかっこいい。熱心なファンが多いのも納得です。デザインは至ってシンプルですが、着心地がとても良さそうで試してみたくなる。

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ちなみに、エコやサステナビリティと混同しがちな、「エシカル」。私もこれまであまり分かっていなかったのですが、サステナブル(持続可能)な商品作りをしているといったことも含め、企業として倫理的な行動をしているのが「エシカル」。「サステナブル」も地球環境だけを考慮すれば良いわけではない。

ファッション業界の変革を促した決定的なきっかけになったのが、2013年のバングラディシュで死者1,134人を出した「ラナ・プラザ」ビルの崩壊。劣悪な環境で大量に現地人を働かせていた縫製工場、ファストファッションの闇が明るみに。ファッション業界以外でも、記憶に新しい電通の事件など、倫理的なふるまいを内外でちゃんとしている会社なのかどうか、会社やブランドに対する信頼がより重要になってきている時代です。

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6. NAJA

6つ目に紹介するのがエシカルな下着ブランドで、特徴的な取り組みで注目されている『NAJA』というブランド。女性をエンパワーすることを目的に設立され、環境に優しい素材を使用していることはもちろん、シングルマザーや一家の収入を稼ぐ必要のある女性を雇用しています。また、「Underwear for Hope program」ではコロンビアのスラム街の女性を雇用してランジェリーバッグの製造をしており、かつNAJAの売上の2%はこれらの地域の女性に教育を提供する慈善団体に寄付される。もはやエシカルを通し越して、社会貢献のイメージが強い。

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創設者でクリエイティブディレクターのカタリナ・ジラルドは、Najaを立ち上げる前に18ヶ月間モンゴルの遊牧民と一緒に世界中を旅していたという強者。その前はNYにある国際法律事務所、SkaddenでNational Mergers & Acquisition Group Inc.の代理人をしており、スタンフォードでMBAを、ボストン大学でJD(法務博士号)を取得、、というとんでもなく優秀な女性でした。あと、意外な驚きだったのが、2015年にアメリカの人気女優、ジーナ・ロドリゲス(Netflixで見れる『Jane the Virgin』の主役)が共同創設者として参画していること。

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商品に関してはなかなか独特なのですが、ところどころ日本の和柄が採用されていたりして面白い。特徴的なのは、ブラのカップの裏地にいろいろなプリントがされている商品。日本では見たことのないデザインです。

7. LOVE Stories

ようやく7つ目、最後です。個人的にかわいいな〜と思ったシンプルな理由で選びました。オランダ発、ブラレットと水着のブランド『LOVE Stories』。彼らによると、ブラレットは「世界でもっともセクシーでフェミニン、そして快適な下着」、そして "A holiday for your boobs."(おっぱいの休日)

自分のでもなんでもないんだけど、見て!と言いたくなる可愛さ。ぜんぶかわいい。かつセクシー。(それにしても海外の下着ってメッシュで透けるデザインが多い)

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ブラレットも可愛いですが、Love Storiesで個人的にツボなのが豊富なカラーのショーツたち。他のブランドにない雰囲気で、カラーもデザインも絶妙でとってもかわいい。1枚平均35ユーロなので安くないですが揃えたくなりそう。

↓こんなボックスでプレゼントされたらうれしい。ブラのギフトってサイズが合わなかったりするから難しいけど、ショーツだったら使ってもらいやすそうだし良いかも。

ところで「ブラレット」についてなんですが、海外だとこのブランド以外にもたくさんのブランドから出ていて、デザインによって女性のナチュラルなかわいさ・セクシーさが引き出されて本当に素敵だなと思うのですが、、、悲しいながら胸の小さい人にはなかなかの試練なんです。。。

なので『Relyme』で作りたいのは、ブラレットのような可愛さやセクシーさを持ちつつ、かつ比較的胸が小さい日本の女性が使いやすい下着なのです。分厚いパッドや硬くて痛いワイヤーで胸を大きく見せることには反対ですが、シンプルでクールなセクシーさを作りたい。イメージとしては、スポーツブラとブラレットの間、ノンワイヤーブラの従兄弟みたいな感じ(分かりづらい)。

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以上、個人的に気になっている海外の7ブランドでした。日本は業界最大手の2社から出ているブランドの商品が有名だけど、海外は独立ブランドが多くて個性もさまざまで面白い。この7ブランドに含められなかったブランドも、いずれまた別のnoteやツイッター等でちょこちょこ紹介していけたらと思います。

ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨