#4 売れる営業を育てる 彼が語ったこと
※この記事は3分で学べます。講師については同マガジンの「#1 語れる言葉を持っているか」をご覧ください。
※これは僕が彼に聞いたことを記したものだ。だけど、どうやってまとめればいいかわからない。だから僕はそのまま記すことにする。
売れる営業を育てるには
営業で売れずに悩んでいる人が大勢いる。周りの先輩達は既に評価を下している。あいつはセンスがない。努力が足りない。
でも、そんな売れない人というレッテルを貼られた人達が、彼の元に行くと売れるようになる。
彼の元にいくと、何より営業という仕事自体を楽しむようになる。そして、よく仕事について話すようになる。大抵、売り上げ上位にランキングされる。
「技術なんて大して教えてないさ。そりゃ、全く教えてないわけじゃない。でも、それは些細なことさ」
確かに、彼のチームになった人達は特殊な営業スキルを身につけているわけじゃない。むしろ、技術的には何も変わっていないように見える。
「みんな楽しそうだろ」
その一言に集約される。
「あのさぁ。俺はただ好きなだけなんだよ。語弊あるかもしれないけどさ、営業で一番なるとか、売って稼ぎたいとかって、俺のもとに来た子達みんな言うよ。そりゃ、売れなくて悔しい思いしてるからやろなぁ。だから必ず聴くんだ。売れるようになったら、それからどうしたいって」
それからどうしたい。でも売れてないからわかんないんじゃないんですか。
彼は笑う。「そうだよね。でもそれって結果の話でしょ。過去じゃん。俺はね、そんなの興味ないんだよ。だってどうせ売れるようになるから。その子のしたいことを知りたいだけなんだよ。」
どうせ売れる。なんで売れるようになるんですか。それが知りたいんです。
「熱いねぇ。わかった教えてるよ。そのかわり、ビール奢りな笑。
「みんな勘違いしてるだけなんだ。売れるようになるために技術が必要だと思ってる。
「でも、ほんとうは、その子がほんとうにやりたいこととか、こんな営業になりたい、こんな人になりたい、というようなことを共有することが大切なんだ。
「たとえばあのAは、人に感謝できる人になりたい。
「Bはさぁ、だれよりも毎日努力したら成長するって体験したい。
「Cは、人に寄り添える人になりたいって。
「そのためにどうしたらいいか、を俺は営業という仕事を通して彼らと共有してるだけさ。つまりさ、簡単に言えば、仕事と彼らがやりたいことが結びつくようにしてあげるのさ。
そうすると、売れる…ということですか。
「ハハッ。ぶっちゃけるとわからん。売れるか。でも、売れるようになるんやこれが。不思議やろ。
「ただな、そうやってなりたい自分の姿に向かって進む子達を見てると俺は思うんだよねぇ。絶対に売れるようにさせないとって。
「だから言う。お前は絶対売れる!俺はわかる。お前は絶対売れるからって。お前って使ったらあかんのか、いま笑
技術は教えない?
「山の登り方はいろんなルートがある。だけど、準備すべき道具は同じ。それだけ教える。
他の人は教えてないんですか? 道具について。
「大抵教えてる。でも、相手が見えてない。こどもにはこども用の靴が必要だし、高齢者には棒があった方がいい。もうええかな。
僕はそこにいたAに聞いた。なんで売れたの?
「わかんないっす。でも、朝起きたら仕事行きたくて仕方ないんです。ワクワクして仕方ないんですよね。」
余談
彼はいつも簡単な言葉で伝えようとする。相手に合わせた言葉を選ぶ。
でも時々、酷く酔った時は文献を読むみたいに話すことがある。いろんな営業とかマーケティングの横文字の理論のことだ。
だけど、彼は途中で理性を取り戻し言う。自分の言葉で語ってなかったよな、今。ごめん、ごめん。ただの知識のひけらかしやった。忘れてくれ。
僕はその度に思う。彼は僕に向けて話しているんだなって。
よろしくお願いします!