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【ねこ小説】小さな命と人間の命

いこんばんわ。note連続更新3日目です!

今日はねこ小説なるものを読んでみました。

*猫好きな方 *捨て猫に関心がある方 *捨て猫の現状など

このような方におすすめの本です。

柳美里さんの「ねこのおうち」という本です。以下内容にも触れます。

生きることの哀しみ、そしてきらめき……ひかり公園で産まれた六匹のねことその家族が奏でる “命”の物語がいま、幕をあける――中川翔子さん推薦!! 著者2年ぶりとなる、待望の最新小説! 

河出書房新社様からあらすじを引用しました。

私は猫が好きなので、猫が出てくる可愛い話かなーと思っていたら

全然違いました。

今もどこかで捨てられる猫たち

冒頭から厳しい現実を突きつけられます。

ニーコという猫がおばあちゃんと暮らしていました。ニーコの母猫はチンチラでしたが、ニーコは母猫に似ていないキジ虎模様でした。母猫を飼っていた夫婦は生まれた3匹の赤ちゃん猫の中で、不要な子猫を夫に捨てに行かせます。

愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。違反すると、懲役や罰金に処せられます。(中略)
・愛護動物を遺棄した者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金

妻は今夜はスキヤキだからねと急かして、夫に捨てに行かせ、葛藤しながらも夫は猫を捨てます。ここでの夫婦は豪華な食事を食べながら、猫を遺棄するという残酷な描写が淡々とながれ、フィクションであってもひどいなと思わせる描写です。

猫の生と死、人間の生と死、比べられる命

ニーコという猫は幸いにも、おばあちゃんに拾われ、なんとか生き延び、おばあちゃんと幸せに暮らしました・・・とここで終われば良いのですが、おばあちゃんは認知症になり死んでしまいます。

ニーコにとっておばあちゃんは大好きな人ですが、おばあちゃんの息子たちは、おばあちゃんの突然死に狼狽し、面倒な作業を増やしたと渋々事後処理をする姿が描かれます。人間も死ぬ時は選べないし、その後の処理は誰かにやってもらうしかなく、おばあちゃんの夫は脳卒中ですぐに亡くなり後を濁さなかったなど、人間の死を天秤にかける様子はどこかで聞いたことがある話です。現実社会でも起こりそうな話ですね。

ニーコは捨てられたけれども、生き延びることが出来ましたが、おばあちゃんを亡くし、ニーコは再び死の危険が迫る、野良として生きなければなりませんでした。

最後は少しほっこり猫と人間の共同生活

ニーコは子猫を産み、その子猫たちが、それぞれ拾われたり、捨てられそうになったり、人間の都合によって、翻弄される姿が描かれます。

ニーコという猫を通して、各話違う人物の話が進んでいくので読んでいて、一つの筋がありながら、いろんな角度で猫の辛い現状と生命の力強さと煌めきを感じることができます。

最後に老人ホームで、動物セラピーのように猫と触れ合える機会を作る活動が描かれこういう風に人間と猫がうまく共存できれば良いなと思い、少し希望がみえてきました。

まとめ

猫好きな方には辛い話が多いかもしれませんが、より一層猫の知識が増え、猫を飼う時は絶対、絶対こんな風にはならないようにしよう!と決意した本でした。

1日で読めるので、おうち時間があるうちに宜しければ読んでみてください。

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