青の群れ

心地よい景色と音を探す旅をしています。

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最近の記事

大切なものを慈しむ未来

3年ぶりに会うお友だちは、私の住む地域より、ずっと南の方に住んでいます。 もとは関西に住んでいたので、その頃を思えば、新幹線でほんの数時間の距離となった今。 会える可能性はぐっと高くなったはずですが、お互いの時間になかなか折り合いがつきません。 そして気づけば、3年の歳月が流れていました。 便りのないのは良い便り。 身近にいる人たちがよく口にしていました。 私が育った環境は人の出入りが激しく、身の回りには常に大勢の他人がいました。 厳格な実家と、酒造業を営む母の実家に共

    • 山盛りの「好きなこと」

      厳しい残暑がもっと続くのかと思っていたら、秋はいつものようにやってきました。 日の出とともに開放していた窓は、この頃は風が冷たくて、小学生が学校に行く時間帯にようやく開けます。 朝晩はめっきり冷え込むようになりました。 体を冷やさないように、お日様が高い位置にいる時間帯をねらってお散歩に行きます。 うっかり家事に夢中になり、タイミングを逃すことも多いです。 だけど、ほんの短時間でも外を歩くと気持ちがすっきりします。 ペラペラの体をモスグリーン色のリネンコートで包み、好きな

      • いつかの願いが叶う日

        その日私は、妹と一緒にマルシェに行く予定にしていました。 春に崩した体調も徐々に安定し、私は静養のために家をしばらく離れていました。 自然の中で英気を養う日々。 夏の終わりの美しい空や少しずつ冷たくなっていく空気から元気をもらって暮らしていました。 近くに昔からの湯治場があります。 家にいて静養ができているかと問われれば、決してできていませんでした。 気がかりなあれやこれやを片づけていると、結局休まりません。 体は回復できても、心の安まる時がありませんでした。 山での

        • Cold Moon

          空が暗くなる頃に誕生した私が、この世界で初めて見たお月様は満月だったそうです。 生まれた数時間後、空に輝いていた12月の満月。 それを「Cold Moon」と呼ぶことを知ったのは、かなり大人になってからでした。 自分が生まれた時期だからなのか、それともなにか他に理由があるのか、はっきりと分からないけれど昔から一番好きな季節は冬でした。 地形ゆえに九州とは思えないほど冬の寒さが厳しく、「東京にいた頃とさほど変わらないのでは・・・・・・」と思える頻度で氷点下の日々が続いたりし

        大切なものを慈しむ未来

          窓辺の夏 遠くの蝉の声

          今日は七夕です。 私が住む九州の某所は、この数年のうちに水害の心配を毎年のようにする必要が出てきました。 地元の夏祭りなどを調べると、もとは大水害の復興を願って始まったそうです。 今年は数年ぶりに開催されるそうです。 水源の豊かな土地であることは恵みであり、自然の脅威と隣り合わせで暮らすことでもあるのだと毎年考えさせられます。 喘息をこじらせ、体調が安定しなかった初夏を過ぎ、季節は夏に入りました。 梅雨に入ってもほとんど雨が降らず、どんより曇りの日が続くわけでもなく、空に

          窓辺の夏 遠くの蝉の声

          トタン屋根の上の鳥

          気がつけば夏至は通り過ぎて、もう7月。 春の黄砂で持病の気管支喘息が悪化して、渡ると危ない川がわりと近くに見えるという危機的状況に陥っていました。 ひと月半もほぼ寝たきり状態で過ごしたせいで、筋力とともに体力もすっかり低下。 太陽の光を浴びることは吸血鬼ばりに苦手になりました。 お散歩大好き人間、かつ自然からパワーを拝借して暮らしに彩りを与える種族であるらしい私の心は当然折れました。 庭の木々や花たちの芽吹きはなんだか例年と違う感じがしていて、今年はちょっと気をつけない

          トタン屋根の上の鳥