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<UMA遺産 第6回>天狗伝説は遠い昔のものではなく、今なおリアルタイムに進行中!?~東京都八王子市高尾山エリア

UMA(未確認生物)出現が噂されるミステリアスなエリアを、UMAの聖地として、「UMA CREW PROJECT」が独断と偏見で選定、紹介する「シリーズUMA遺産」。第6回目は・・・・。

「天狗」~日本で天狗を知らない人はいないだろう。「鬼」/「河童」と並んで、日本で最も有名で、我々の日常に溶け込んでいるUMA(未確認生物)と言える。一般に「妖怪」と分類されることが多いが、「UMA CREW PROJECT」としては、立派なUMAとして分類、位置づけ、その存在の謎を追求していきたい。

天狗は、古くから伝承される伝説上の神や妖怪とされる。外見は一般に、山伏のような格好をしており、赤い顔で鼻が高く、背中には翼があり、自由にジャンプできるとされる。同時に、人を魔道に導く魔物とされることもある。

山奥に潜むとされ、「山に棲む妖怪」と例えられることもある。妖怪として恐れられる存在でもあるが、一方で、今回のテーマでもある、高尾山薬王院などの寺院では、山の神として敬われ、祀られている存在でもある。

天狗に纏わる伝説の歴史は長く、古くは紀元前4世紀頃といわれる中国の『山海経』という地理書に登場。天狗とは、「天の狗(=犬)」とされ、日本での天狗のイメージとは異なる。日本では、飛鳥時代の637年、『日本書紀』に登場しているが、空から落下する「流星」として書かれている。
妖怪的な天狗として書かれているのは、平安時代からだという。

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中国の地理書『山海経』より「天狗」

「天狗」の目撃例は、伝説を中心に、全国各地で言い伝えが残されている。有名なものに、源義経の京都鞍馬山での「鞍馬天狗」がある。今回は、「霊気満山(れいきまんざん) 高尾山​(たかおさん) ~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」をテーマに、2020年6月に、地域の歴史的魅力や特色をストーリーとして、文化庁が認定する日本遺産にも選ばれた東京都八王子市高尾山にスポットを当ててみる。

日本遺産に認定された「霊気満山高尾山」

高尾山は、関東山地の一部であり、高尾山薬王院は真言宗智山派の大本山、正式名称「高尾山薬王院​有喜寺」(たかおさん やくおういん ゆうきじ)で、天狗が祀られていることでも有名だ。

高尾山には、新宿駅発京王線での「高尾山口」行の特急で行くのが、早くて便利だ。「高尾山口」駅を降りると、ほどなく「高尾山登山電鉄」の駅が見えるので、ケーブルカーまたはリフトに乗って山頂を目指すのもよい。

一方、すべて徒歩で、薬王院を通りながら山頂を目指すのもよい。徒歩で行くと、天狗遭遇率が限りなく高くなると言えよう。

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高尾山登山電鉄ケーブルカー・リフト乗り場。
まさに天狗は高尾山の顔となっている。

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高尾山薬王院・御本堂

「天狗」に纏わるエピソードは古くから近年に
至るまで、様々

高尾山エリアに伝わる天狗伝説は多い。かいつまんでご紹介する。
様々な神通力をもつ天狗だが、その中に人の心を読む神通力があり、遠く山向こうから人の心を読み、大声でそれを笑うという言い伝えがあり、このエリアでは、昔から「天狗笑い」と呼んでいた。

昔、高尾山麓の里で村祭りの奉納金を村人みんながケチり、非常に見栄えのよくない祭りとなってしまったところ、みんなが自分だけのせいじゃないと責任逃れをしていると、高尾山から天狗が姿を現し、「ワハハハハッ~」と大きな声で笑ったようだ。

それを聞いて、村人は恥ずかしくなり顔を天狗のように真っ赤にしたそうな。そんな様子をまた天狗が来て、さらに大きな声で、「ワハハハハッ~ワハハハハッ~」と何度も笑い飛ばしながら消えていったそうな・・・。
人の心を読み、笑い飛ばしたに違いない。

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高尾山薬王院の天狗像

また、こんな伝説もあるそうだ。
ちょうど高尾地域に鉄道が敷設される頃の話だ。工事の作業員達が、高尾のあたりは田舎で馬鹿者が多いから、このあたりに現れるという天狗なんかも怖くない、と適当に仕事を進めていたという。
しかし、そんなある日のこと、作業員の一人がなかなか帰って来なかった。村の人が探しに行くと、高尾山の木に縛られた作業員を見つけたそうだ。ケガもなく無事に助け出されたが、この作業員、何があったか多く語らず、もう高尾を馬鹿にすることもなく、もちろん天狗に対しても悪く言うことは決してしなくなったらしい。

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高尾山薬王院手前の大きな杉の大木

次に、そう遠くない最近の目撃談、というより体験談を紹介させていただく。ある方が、高尾山薬王院に向け山中をひたすら歩き続けていた。山門近くの大木の太さに圧倒されていると、よく時代劇などで目にする、忍者が現れる時のつむじ風のような強い風が吹いたかと思うと、鬱蒼と茂った森の木々に覆われた空から、なんと天狗のうちわが舞ってきたとのこと。

さらに、地面に落ちたそれを拾おうとすると、掴む前に目の前で消えたという。神秘的な空間ゆえのできごとかと思われるが、ある種スピリチュアルな要素をお持ちの方には、感じる何かがあるかもしれない。

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高尾山の登山道
まさに、「霊気満山」。こんなに神秘的な空間だからこそ、天狗がいつ現れてもおかしくないのだろう。やはり、このエリアに棲み、人の心を読んで、人間の邪念を嘲笑っているのかもしれない。


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我らが「UMA CREW PROJECT」がプロデュース、
ゆさこさん(https://twitter.com/yusakovichi)に書いて頂いた天狗!
日本の伝説の生物を個性全開で、表現!

最後に

天狗が棲むと言われる高尾山は、ミシュランのガイドブックで3つ星を獲得する山にもなった。天狗は、山が多い日本の地形や風土、文化から生まれた神とも言える存在であろう。
不思議な自然現象や不可解なできごとを、山伏の格好をした神が人々への伝言や戒めを込めて、伝説を振りまいていったものとも考えられる。
 
いつの日か、UMA愛好家の皆さんと、日本遺産であり、UMA遺産でもある高尾山へ、天狗の気配を感じとる登山旅行に出かけることを、「UMA CREW PROJECT」のミッションとして掲げたい。


高尾山MAP


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