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<UMA遺産 第1回>「アマビエ」伝説が伝わる地域 ~熊本県・佐賀県・長崎県有明海エリア~

UMA(未確認生物)出現が噂されるミステリアスなエリアを、UMAの聖地として、「UMA CREW PROJECT」が独断と偏見で選定、紹介する「シリーズUMA遺産」。記念すべき第1回目は・・・・。

2020年コロナ禍の世界に神頼みな希望をくれたUMA「アマビエ」

2020年、世界中が謎の伝染病、コロナウィルスに侵され、人類史上ある意味最大級の試練にいまだ直面中である。そんな状況下、日本全体を賑わせることとなったUMAが突然人気者となった。その名は「アマビエ」。

コロナウィルスの撲滅を願う人々による「アマビエチャレンジ」によって着目され、2020年流行語大賞にもノミネートされた、UMA「アマビエ」についてその発祥に関する伝説や現地に伝わる謎について迫ってみよう。

今を遡ること180年ほど前の江戸時代、疫病の流行を予言したとされる「予言獣」とも呼ばれるUMAだ。さらには、「アマビエ」の姿を描き写して人々に伝えるようお告げを発したらしい。

それは、今や有名になった下記の写真にある、京都大学附属図書館が所蔵する一枚の瓦版(今でいう新聞のようなメディア)に記載されている。


アマビエの出現を伝える瓦版(1846年)
『肥後国海中の怪(アマビエの図)』(京都大学附属図書館所蔵)

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「アマビエ」は肥後国海中(おそらく熊本県有明海)に現れた

時は、弘化3年(1846年)、第121代天皇、孝明天皇が即位し、江戸幕府は第12代徳川家慶が将軍だった時代である。1845年に江戸城本丸が立て続けの火災に遭い、天保から弘化に改元された経緯もある。

当時の肥後国(今の熊本県)の海中に毎夜のように光るものが浮かび上がるように見えるという噂が流れ、その時代のお役人様が確かめに行ったところ、海中に住む「アマビエ」と自ら名乗る怪物(UMA)が現れ、”これから6年の間は豊作が続くが、その後、病気が流行するので自分の姿を写して見せるように“と告げて海中に消えた、とされている。

瓦版の左半分には、その時現れたとされる「アマビエ」の姿が描かれている。魚のような鱗を持ち、長い髪の人魚のような姿でもあり、しかし顔を見ると鳥のようなクチバシのようなものを持ち、目と耳が菱形の形をしており、キラキラしている様子も見て取れないこともない。

間違いなく、人でも魚でもない。おそらく人魚のような想像上の生物なのだろうが、江戸時代に怪獣や妖怪を模写する文化があったのかは定かではないが、きっと不思議な生物(それこそUMA)に当時何人もの人が遭遇し、瓦版に残されるほど当時話題になったのではないだろうか・・・?

熊本県の海中とは、やはり有明海と考えられる。有明海と言えば、九州最大の湾で、福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県にまたがり、干満の差が大きく、また流入河川も多いことから、塩分濃度の変化もバリエーションに富み、濁った海域や日本最大の干潟などを持ち、ムツゴロウはじめ固有で多彩な生物相が形成されている。

「アマビエ」のビジュアルは、色々な生物の要素を一部ずつ持ち合わせた生物と捉えられなくもない。多様な生物との接点から地元の人達がインスピレーションを沸かせ、妖怪や怪獣的なものとして想像上の生物を描いたのか?それとも、そんな多種多様な生物が潜む有明海に、実際に「アマビエ」も生息していたのかもしれない。

「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場していた「アマビエ」

「アマビエ」について調べてみると、その昔「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場したことがあるらしい。東映アニメーションの作品ラインナップを見ると、「第26話 妖怪アイドル!?アマビエ」にてメインキャラクターとして登場している。

キャラクター紹介文には、”アマビエは予言の能力を持ち、昔は大名や姫にチヤホヤされていたのだが・・・”とあり、「アマビエ」発祥の伝承逸話に忠実なキャラクター設定になっている。

水木しげるさんと「アマビエ」のゆかりも深く、実は1984年発行の「水木しげるの続・妖怪事典」(東京堂出版)にて「アマビエ」を描いてる。そして、コロナ撲滅への願いを込めて、調布市の水木プロダクションが、水木さんが描いたアマビエのモノクロ版、カラー版の原画をツイッターに投稿し話題を呼んだ。


ちなみに、我らが「UMA CREW PROJECT」もアマビエをプロデュースしてみた。コンセプトをgraphical CHALKさんに託し、描いていただいたアマビエが、当プロジェクトのインスタグラムにて配信中。是非ご覧頂きたい。100人のイラストレーターによるUMA100体再構築企画「アトリエUMA」でのアマビエ登場は、もう少々お待ちを。

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我らが「UMA CREW PROJECT」がプロデュース、graphical CHALKさんに描いていただいたアマビエ!※インスタグラムにて配信中
http://instagram.com/p/CNoZ7jznFL3/

こちらはTwitterの企画、アトリエUMAの「アマビエ」!イラストレーターの蔦峰トモリさん作。

UMAアマビエ

https://twitter.com/CrewUma/status/1401025991997374465

最後に

コロナ撲滅に向け、「アマビエ」が果たしてきた功績は実に大きい。「アマビエ」にゆかりのある、福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県にまたがる有明海周辺エリアこそ、「UMA遺産」の第1弾として選定することとしたい。

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