ゲーム業界のライティング職。種類、スキル収入、収入アップ方法は?
今や副業含めてライティングが目立つ時代。
ゲーム業界にも多数のライティング専門職が存在し、コンテンツ制作だけでなくマーケティングやPRの部分でも多く活用される。
今回は、ゲーム制作の現場でのライティング職種や必要なスキル、収入事情、単価アップの事例などについて書いてみる。
◆本記事の対象者と得られる効果について
ライティングを始めようと思っている方には、これからの就活のための調査や取り掛かりのきっかけになってもらえること。
すでにライティングをされている方にとっては、より活用してご自身の活躍や収入アップに活用いただければ幸いである。
結論
会社員として、ライティング専属で食べていけるほど甘い世界ではないということを先にお伝えしておきたい。大体が企画職と兼業だったりすることが多い。
しかしながら、ゲーム業界で求められるライティングとは、何もシナリオ制作だけではないので、モノカキなのか、ライティングスキルを活用して生きていきたいんだという場合は、その辺も含めて紹介をしていきたいと思う。
どうしてもゲームのシナリオ制作だけで食べていきたいんだという場合、作家として独立するか、シナリオ専属会社に就職するか、またはシナリオライターを社員として雇っている会社に就職を目指すことがいいかもしれない。
ただ、それはかなり狭き門でもある。
1|記事の概要
ライティング職になるにはどうしたらいいのか?や、給与はどれぐらいのものか?や、ニーズはどれぐらいのものか? 貢献度もどれぐらいのものなのか?などについて触れてみたい。
執筆者はライティング歴20年
私はライティングを仕事として20年以上継続しており、マーケティング分野でのライティングを中心としてフル稼働している。ゲーム内では仕様書の作成が多いが、リリースの作成、法務分書の作成等も行っている。
また発注側とマネージメント側を担当することも継続しており、ゲーム制作時にはメインシナリオ制作は基本的には外注するが、細かいものやサブシナリオ的なものは同チームメンバーにライティングを依頼するなど、常にライティングの仕事に関わることが多い。
2|ゲームの職におけるライティングの種類
ライティングする目的は何か?について今回は詳しく触れないが、ゲーム制作の現場では「誰かに物事を伝えたい時」に活用することが多いだろう。
ゲーム制作におけるライティング業務は大局して3つに分けられる(かなりざっくり)。
A ブランドライティング
商品やサービス、会社や人のイメージアップにつながるようなライティングのこと。
例)「俺より強いやつに会いに行く」(ストリートファイターII)、「おとなもこどももおねーさんも」(Mother2)。
B セールスライティング
売ること、売ることにつなげるためのライティング。主にマーケティングで活用されることが多いが、アプリなどでは商品販売やキャラクター販売のために活用されることなども多い。
典型的なコピーだとすれば「今だけここだけあなただけ! 」みたいな極端なものもその一例。
C コンテンツライティング
コンテンツの紹介記事。シナリオなど。それ自体がコンテンツとして成り立つもの。代表例では、Web中の攻略記事だったり、ゲーム中のシナリオなどがそれに該当する。
補足をするとライティング活動を行う最大の目的と共通点は、ライティングによるアウトプットを目にした方が、自社が提供するサービスや自社に対して興味を持っていただき、体験、購入、紹介などをいただいて拡張していくことである。
2-1|ライティング業務の詳細例
ライティングの種類は大きく分けると上の3つだが、実際その中身はかなり細かく、本当に多岐に渡る。
ちなみに、ライティング業務は用途によってどの種類にも意図的に寄せられるため、どの種類に属するのか?と切り分けるのが難しい。あくまでこういうライティングがあるという意図で箇条書きしておくことをご了承いただきたい。
・プレスリリース
・IR文書作成
・Webライティング
・SEO、ASOライティング
・コピーライティング
・メルマガ作成
・プロット作成
・シナリオ制作
・仕様書作成
・プレゼン資料作成
・脚本、台本作成
・SNSライティング
ここに分けたのはほんの一部であり、さらに1つ1つの項目をさらに細分化でき、そこに対してそれぞれの専門家が存在する。
これらを上の種類(ブランディング、セールス、コンテンツ)のどれに寄せるのか?によって、書くという行為自体は変わらなくても、求められるスキル、書き方のコツ、見る視点が変わるので要注意。
これは採用、起用する側も要注意するべきポイントでもある。
ライティングが得意です!といっても、一体何のライティングが得意なのか言語化できない場合は、もう少し自分が何が得意なのかを明確にしておくと営業トークなどにも活用しやすくなるだろう。
2−2|シナリオ制作の事例
たとえばゲーム開発をする現場で、あなたが物語を書くことが得意だとして、シナリオ制作を任されたとする。
この時あなたはどこから手をつけ始めるだろうか?
上の話にも紐づくが、コンテンツライティングとして作るシナリオ制作と、セールス第一を目的としたシナリオだと作り方が異なってくる。
さらに言うと、ゲーム制作で何を作るのかが決まっていない時点でシナリオを任されたとしても、シナリオよりもプロットすら作ることが難しいだろう。
こんな時どういうところから手をつけるのか?になるが、コンテンツ制作の意図や目的、販売目標がプロジェクトとしてどうなのか?を確認した上で取り掛かることが最善策だと言える。
たとえばプロジェクトオーナーの目的が「セールス第一だ!できる限り売れやすいものにした」っていうことであれば、おそらく売れ線のプランニング寄りになっていくだろうし、「いや、テーマは決定していて、その世界に沿った作品を重視する」という方針であれば、テーマに即したコンテンツ制作の方から取り組んでいくことになると思われる。
つまりライティングにおいても何が最大目的なのか?意思決定者が何を目的としているのか?によって取りかかり方や作り方も変わったりしてくるということである。
これは個人がブログ等を書く時も同じことが当てはまる。
2-3|私が活用したnote術
少し話はずれるが、私はnoteが営業ツールになっていたり、noteを活用して仕事の受注をいただくことも多いのでその事例を書いておくとする。
例えば私の事例では、note執筆時はとにかく言語化していこうだけだった。
そのうち、これでいつか集客したいなとか、もう少し役立つ記事にならないかなということで、SNSの集客とかマーケティングに関する情報を書き始めたことがきっかけだった。
それからは、同じチーム内のメンバーに対してノウハウを書きつつ、同業者にも役立てられるような方に役立てばいいかなと書いていた。
しかしどうせ書くならそこから集客したいし、受注がうけられるようにしようということで、徐々に少しマニアックな内容に寄せていった。
悲しいことに、いいねやフォロー自体はとても少ないが、noteからの問合せ、仕事の受注につながることが出てき始めているので、オウンドメディアとしての活用は一応役立っていると言えるかもしれない。
次の目的はちゃんとしたサイト構築とオウンドメディアとしての育成である。
そんな感じで、同じ媒体を使っていても目標や目的を変えることで調整は可能だし、活用方法はいくらでもある。ただ情報発信という部分は誰にでもやりやすく、かつ積み上げていくことで資産にもなりやすいのでオススメだったりする。
3|ライティングの収入事情
ライティングの収入事情ではあるが、残念なことにゲーム業界において、シナリオ専門職として、会社員としては確立されていないに等しいと思っている。
基本的には何かと兼任しながらシナリオを書いたりする会社員が多いと思うことと、シナリオ専属で会社員をやっている人はごくごく一部だけではないかと思うからである。
シナリオ専属の専門職は、専用の会社を立ち上げていたり、フリーランスだったり、作家としての活動もしている人が多いのではないだろうか。
もちろんゲーム業界にも著名なシナリオ制作集団やシナリオ製作者はいるものの、一般の人が簡単にシナリオ専門職になりたいですといってなれるのか?というと、そうではないなと思っている。
それぐらい、シナリオ単体で確立させることはかなりハードルが高い。
4|収入事情
基本的にライティングはクラウドワークや副業関係のサイトを見ればわかるが、一文字0.1~0.4円とかで出回っていることがザラである。
たとえばwebのコンテンツライティングでは2000〜3000Wで文字単価1円だとしても2000~3000円にしかならない。
ゲーム系のシナリオ制作の場合でも1つのイベントでは、シナリオ制作で2000〜3000W、多くても4000~5000Wだとすると、やはり単価は安い。
例えば雑誌記事やWebの記事の場合、ページ単価というものが存在していて、これもまた出版社によってまちまちだが、2000年代では1ページの原稿料はレイアウト込で8000~12000円ぐらいが私が担当していたレンジだった。
4−1|ライティングはコスパが悪い
ライティングはやってみるとわかるが、単に記事を書くだけと思いがちだが下調べや書いた後の事実検証、確認作業等も同時に発生するので結構な手間はかかる。
これらの業務も混みで原稿料というものになるのだが、ライティング業務は以外にもハードワークであり、意外にもコスパは良くなかったりする。
ましてやただネタを与えられて、ここだけ書いてくれっていう依頼はこれまた文字単価や原稿料が安くなりがちであり、実はあまり美味しくはない業務だったりもする。
4−2|単価を上げるためにはどうしたらいいのか?
単価を上げるためには、どうしても上流工程に食い込む必要があり、例えばシナリオ制作の方だったらば、骨子や世界観の部分から考えられる職務にまで上り詰められないと、ライティング一本で高額な報酬を獲得することはかなり難しい。
もしも企画職系の人であれば、企画とセットでライティング業務までを提案し、企画側の単価もセットで報酬として提案するなど、収入単価をアップする企画、またはアイディアなり価値を追加で提供する必要性が出てくる。
4−3|お金になりやすいライティングは単価を上げやすい
資本主義ゆえに、お金に近い仕事は単価が上がりやすいわけであるが、これはライティングの世界でも同様である。
どういうことか?というと、シンプルに文字が売り上げにつながるかどうかということである。
たとえば著名作家がシナリオを書いて販売すればそれが現金化する可能性は極めて高い。
それと同じで、セールスライティングに近い形のライティング業務はスキルなりテクニックが必要だがお金として直結しやすい。つまりはコピーやブランドライティングによって集客や収益が上がるのであれば、それを実績としてロイヤリティをもらうことも可能となる。
またはそれぐらいのスキルがあるので、ライティング行為そのものにも単価アップや報酬を発生させることもできるということである。
まとめ
ゲーム業界においてライティング業務単体で食べていくには相当な努力が必要であり、さらにライティングの内容によって求められるスキルも異なってくる。
しかしながらライティングにもいろいろな種類があるので、いろいろなことを試しながら自分にあったものを選びつつ、組み合わせで提案したり、自社サービスや自信のPRにつなげることで仕事を受けやすくなったり、売り込みやすくなることも可能である。
ただライティングは向き不向きもあるし、やったから成果が出るのか?というと必ずしもそうならないのはすべての要素と同じであることも忘れてはならない。
結局は楽しみながら継続できるのか?または得意な人に目的に沿ったライティングが依頼できるのか?ということがビジネス上では大事なポイントになるということも添えておきたい。
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