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「アブダクション」から理解する、失敗・成功を活かす方法

今回は前回の帰納法の記事同様、

『問題解決力を高める「推論」術』 羽田康祐著

を読んでの感想や考察をアウトプットしていこうと思います。
同時に、皆さんのお役に立てれば幸いです。

前回は「帰納法」を紹介しましたが、今回は推論法の1つである「アブダクション」について解説をしていきます。
これは、私が書いた帰納法に関する記事です。

・アブダクションとは?

アブダクションとは日本語で「遡及推論」と訳される推論法の一つです。
具体的には、〈①目の前で起きた現象に②自分が持つ法則をあてはめて③原因を推定する〉方法になります。
言葉だけでは伝わりづらいかと思いますので、早速例に。

例えば、売上=客数×客単価だという法則を持っていたとき
結果:売上が上がった
法則:客数が増えると、売上が増える
仮説(結論):よって、売上が上がったのは客数が増えたからだろう

もしくは、
結果:売上が上がった
法則:客単価が上がると、売上が増える
仮説(結論):よって、売上が上がったのは客単価が増えたからだろう

という推論ができます。

ここでは売上を2つの要素でしかとらえていませんが、実際にはもっと複雑でしょう。
ですが、その原因を一つ一つしらみつぶしに検証するのは膨大な時間がかかってしまいます。そこで、自分が正しいと知る法則を結果に当てはめることによって、「正しい」に近い原因を導けるのです。

・失敗や成功から学ぶために

失敗から学べとはよくいわれるが、なぜ失敗したのかがわからず放置する。
逆に、成功体験から結果オーライの精神で、なぜ成功したのかがわからず終わってしまう。

アブダクションはこういったことをなくせる方法だと思います。
失敗した本当の原因をしり、同様の事例だけでなくほかの体験にも活かす。なぜ成功したのかを理解し、また次の成功へとつなげる。しかも、それを効率よく行えます。

その時に、「法則」が何も思い浮かばないときは知識・習慣不足なのでしょう。そもそも、法則を考えるのに必要な情報や、情報から法則を見つける習慣が出来ていないのです。

・法則と仮説の順番を逆にする

これまでは「結果→法則→仮説」の順番で推測しましたが、「結果→仮説→法則」の順番で行う方法もあります。

例を挙げると、

結果:ウーバーイーツのデリバリースタッフが人気である
仮説:好きな時に働ける、ことが人気の原因なのではないか?
法則:好きな時に働ける仕事は人気である

のような形です。
「法則」が思いつかないときは先に仮説をたてて考えるのもよいでしょう。
私自身のnoteで記事を書く際よくこれを用いています。仮説をたてて法則を考えるのがとても楽しいのです。

・気を付けるべきこと


気を付けるべきは、仮説に疑問を持ち検証を行うことです。

当然ですが、仮説は仮説でしかありません。たとえ正しい可能性が高くとも、事実をもって仮説に肉付けしなければ聞いた人に納得してもらえないと考えます。逆に、仮説が正しくないと分かればそれはそれで有用な結果ではないでしょうか。

私自身、仮説をたて法則を考えてもその仮説が正しいのかよく考えずに、次の仮説をたてようとしてしまうことがあります。検証をおこなわなければ仮説を立てる意味はないので、自分自身の心得として書き残しておきたいと思います。

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