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「Smart Kitchen Summit JAPAN 2020」に参加して学んだこと③~パーソナライゼーション~

食分野のサービスが「パーソナライゼーション化」が「日常」になる未来はそう遠くないのでは?
とSmart Kitchen Summit JAPAN 2020(以下、SKSJ2020)に参加して感じました。

どうしてそう思ったのかを、今回は書いていきたいと思います。
なお、以下の①、②の続きになっています。

・「パーソナライゼーション」とは何か

パーソナライゼーションというのは、「個人向けにカスタマイズされたサービスを提供すること」だと、私は捉えています。

食分野のサービスの多くは、「提供者がたくさん生産したものを消費者に購入してもらう」形がほとんどのはずです。この時、情報の流れは「提供者→消費者」になります。
一方で、パーソナライズされたサービスだと、「消費者→提供者」という流れになり、逆転します。消費者が渡した情報に応じて、提供者はサービスを変えるわけですね。

つまり、消費者の立場に立つと、「目の前に出されたものから選ぶ食生活」ではなく、「自分が好ましいものを選択出来る食生活」がパーソナライズされたモノだといえるでしょう。

・なぜ実現できるようになったのか

大きく言えば、「デジタル化によって、データが集めやすくなったこと」にあると思います。
D2CやCtMはお客さんと提供者の間で仲介者をはさむことなく、直接お客さんにサービスを届けられる仕組みです。
インターネットを通じて、直接お客さんの要望を聞くことが出来るからこそ、パーソナライゼーションは成り立ちます。

「集めやすくなった」をさらにかみ砕くとするなら、①消費者がデータを提供する手間が少なくなった②提供者が受け取るまでのラグがなくなった、の2つに分解出来るでしょう。

①:家にいながら、受け取った商品に関するデータを提供者に届けられるようになった。
②:仲介者がいると、消費者が発信した情報も経由される場合があります。経由された分、提供者に届くまでに時間が出来てしまうので、デジタル化によって、そのラグがなくなった。
という風に考えます。

・「日常」というのは何を表しているのか?

冒頭で、パーソナライゼーションが日常になる日は近い、というお話をしました。

この「日常」というのは、生活の中で当たり前に使われるサービスに、パーソナライゼーションが取り込まれている状態です。
食分野以外では既にECなどによって、パーソナライゼーションが進んでいる業界はありますが、食分野はEC率が低くこれから高まっていくと思います。

SKSJ2020の中でも、私が全く知らなかった面白いサービスを知ることが出来たので、ここで紹介させていただきます。
CAN EAT 
食事嗜好のプロフィール帳サービスです。自分が好きなもの・苦手なもの・アレルギーの物を公開することで、友人や飲食店にシェアできます。毎回、自分の好みを外食の際に伝えなくても、飲食店側が事前理解してくれます。

以前、紹介させていただいたsnaq meもサブスクリプションのパーソナライズサービスです。

・パーソラナイゼーションが全て、ではない

繰り返しになりますが、パーソナライゼーションのサービスが日常になってくる日は近いと思います。しかし、これはこれまでの生産・販売方法を否定しているわけでも、消滅していくと考えているわけではありません。

パーソナライゼーションは「消費者→提供者」の情報の流れが必須である以上、消費者は予め自分の好みを把握し、選択しなければいけません。
ただ、選ぶことは時にめんどうであり、目の前に出されたものから選ぶのが良い時もあると思います。

私は、個別にカスタマイズされたサービスされたサービス以外を否定したいわけではありません。
大切なのは、元々「目の前に出されたもの」しか選べなかった状態から、パーソナライゼーションによって、新しい選択肢が1つ増えたということです。人々の努力によって、新たな選択肢が増え、自分が好ましい方を選べる社会になりつつあるのはとても素敵だと思います。

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