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VOL.4 |【林業・現場人の仕事紹介】フルーツの瑞々しさと豚骨スープの源である森林を管理しています。

こんにちは!

福岡県の「フルーツ王国うきは市」と「豚骨ラーメン発祥の地久留米市」の
フルーツの瑞々しさと豚骨スープの源であると言っても過言ではない。森林を管理している浮羽森林組合と申します。

6月末にこの記事を書いていますが、このところ、雨模様が続いていますね。どの地域も大きな災害がないことを祈念しております。

山仕事を生業にされている方は、雨の日はどのようなお仕事をされていますか?

ボクたちは、下払いや公共事業、杭や薪づくりといった仕事に勤しんでいます。この辺も追々記事にしていこうかと考えています。

今回は、タイトルにある通り、
ボクたちの仕事内容を紹介していこうと思います。

まずはじめに、
ボクたちの職員構成は、大きく分けて3つに分かれています。

・森林整備を行う現業職員(通称FUCと言っています)
・山主さまや自治体とのやり取りを担う事務職員
・機械センターを運営する機械センター職員
※今後、FUCの由来・役割についても説明していきたいですね。

今回からは数回に分けて現業職員の仕事内容を紹介します。
全国各地に潜在している林業を志している方へ向けて
新たな1歩を踏み出すきっかけになればいいなと思って書いています。




ボクたちの三本の柱

ということで

ボクたちのビジネスは、上記3つの事業で成り立っています。
その中で現業職員が担当するのは主に森林整備事業です。

厳密にいえば、行政・自治体との連携事業の現場作業も担っていたりしますが、
今回は、複雑になるので割愛して、話を進めていきます。

フルーツの瑞々しさと豚骨スープを支える森林整備

タイトルで何を言いたかったのかというと、
森林は、(フルーツの瑞々しさや豚骨スープの源でもある)水源地を保全する役割を担っています。

美味しい食べ物を美味しくいただくことができるのは、豊かな森林を有するからなのかもしれません。

そんな森林を管理する。
これがボクたちのお仕事です。

これは、余談ですが、ラーメンが好きな筆者が
(毎食ラーメンを食べる。程のラーメン狂ではないので
悪しからずご了承ください)
個人的に好きなお店を勝手に紹介させていただくとするなら、

うきは市吉井町に在る「パーコらあめん有楽」さまが筆者の好みです。
(なぜかグーグルマップの表示が済州島付近を差していますが、リンクは確かにパーコらあめん有楽さまへ飛びます。)

お立ち寄りの際は、ぜひ足を運んでみてください。

さて、本題に戻りましょう。

現業職員の主たる仕事

森林整備がお仕事。
ということはなんとなく分かってくれていると思います。
これを少し深堀すると、

ボクたちがいう「森林整備」には3つの事業が含まれています。

・標準伐木齢を迎えた樹木を全て収穫し、山林を更新する主伐事業
・主伐期を迎えるまで、自然淘汰されないけれど伐った方が他の樹木の成長を促す、いわゆる樹木を間引く間伐事業
・主伐された山林を整え、新しい世代の樹木を育てる保育事業

があります。

今回は、3つの事業のうち間伐事業について、深堀していきます。

伐って育てる。樹木の成長を促す間伐施業



近頃、私生活において、

友人「林業ってどんなことしてるの?木伐ったり?」
ボク「そうそう!伐って植えて育てて伐ってまた植えて~を繰り返しちょるばい!」
友人「あぁ!間伐ってやつ?木を間引くあれでしょ?テレビであってた!」
ボク「そうそれ!簡単に言うとそんな感じ!よぉ~知っちょるき!」

友人「んなことよりうきはに染まってきたな」
(筆者の地元は、うきは市ではないのでよく言われます。)

なんて会話を複数の友人とやりとりすることがあります。
世の中の林業に対する見方、見え方がいい方向に進んできているのかなと感じています。


搬出間伐現場の様子


間伐というのは、間を伐ると書くように
木と木の間の木を伐ることで、伐られた木と隣り合う木々の成長を促す。
ために木を伐る施業のことを言います。

さて、ここで質問です。
何回、「き」という発音をしましたでしょうか。

実はひとくちに間伐といっても2種類の施業方法があります。

一つは、切捨て間伐。
一つは、搬出間伐。

切捨て間伐は、伐った木を山林に残す。あるいは捨てる。という施業方法で
比較的、林齢(木の年齢)が若い山を対象に実施しています。

この切捨て間伐という言葉は、

原木市場へ出荷するまでの品質を保持していない=お金にならない
から山に捨てる→切捨て間伐という呼び名が生まれたんだと思います。
これは推測なので鵜呑みにはしないでくださいね。

切捨てされた木の中には、用途が変わればお金になるような木もありますが、後述する搬出するためには採算が合わず、やむなく置いてくる(捨てる)場合もあります。

とはいえ、実は森林にとってはいい側面もあって
伐られた木は微生物や気候条件によって時間経過とともに腐敗し、
土壌の養分として森林の栄養に生まれ変わる。という側面もあります。

ただ、切り捨てられた木は、
今時期の大雨によって流木となって
ボクたちの生活を脅かす存在になる場合もあるので、
施業には細心の注意を払って取り組んでいます。


次に搬出間伐について、
前回の記事を読んでくれた方にはイメージが付きやすいかもしれません。

搬出間伐とは、言葉の通り
間伐した原木を出荷先へ搬出する施業のことを言います。

ボクたちの現業職員は、この搬出間伐と次の機会でお話する主伐事業を
森林面積でみると

搬出間伐:主伐=8:2
の割合で施業しています。

搬出間伐では、
2~3人のチームを編成し、

・チェーンソーを用いて伐採する人
・ハーベスタやプロセッサを用いて造材する人
・フォワーダを用いて土場(どば)と呼ばれる
 原木を大型トラックが林内に入れる場所まで搬出する人
にそれぞれ役割分担をし、この施業を実施しています。
※横文字はそれぞれ林業で使用する機械を説明するものです。
深く知りたい方は、ぜひ調べてみてください。


伐採の様子

林産班が現場入りする前段には、
・施業範囲と施業内容を明確にする現地調査や測量
・作業の支障となる雑草を刈りとる下払い
・ハーベスタやフォワーダ、自動車が現場入りするための作業道づくり
などが行われています。


ハーベスタで造材を行う様子


フォワーダで原木を搬出する様子

ちなみに作業道について、
ボクたち浮羽森林組合は、福岡県のなかでも作業道の総延長が長い=高密度ということも知ってほしいことのひとつです。


作業道づくり。木々に差し込む光が綺麗です。

高密度に道が入っているということは、土砂流出などの災害が起きにくい。
という公益的側面もあります。

土場から原木市場等へは、搬出を担う専門職員がいて、
ボクたち浮羽森林組合では、大型トラック専門のTさんがその一翼を担ってくれています(一部、外部委託もあります)。

土場から大型トラックへ原木を積み込んでいる様子

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、現業職員の仕事。
特に間伐事業についての紹介をさせていただきました。

間伐という言葉の中に
切捨て間伐と搬出間伐があり、それぞれ明確な目的があって施業されていることを感じていただけましたか?

次回も、引き続き現業職員の仕事について紹介したいと思います。
今回もご覧いただきありがとうございました。

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