on the swing【滲み】1600字
靴飛ばしたら一周して背中に当たった。
小雨。傾斜22°。16時前、広い、公園、
曇る空は象みたいなグレーに墨黒混じりで。
立ち漕ぎブランコから放たれた靴は、砂場を超え道路を超えたちょうど正面の一軒家の中にスンと入っていった。いつから小雨が降っているかはわからない。
空中でバレリーナのごとく伸び切った右足の甲とほのかな弧を描いたつま先は、ゆっくりとブランコの座面に戻る。
大きい揺れに任せる直立した身体。
ゆっくり座る。座面に。汗かと思って拭った顔には小雨の跡で。
左足は地面