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厳しく一回より、優しく何回も

「人の話を目を見て聞きなさい」

奥さんが2歳半の我が子に真剣に言っていた。

それは、まあ、そうした方がいいし、そういう人間になってくれたらいいなとは思う。

ただぁ!

2歳半には厳しくない?


「ちゃんと、ありがとうって言いなさい」

これも奥さんが、子供によく言ってる。

刷り込みみたいなもんで、言い続けていると、いつか言えるようになるとも思うが、


幼稚園とかで周りとの関わりが増えてきたら自然と言うようになるんじゃないかなとも思っている。

しかし、奥さんは、


「もし言えなかったらどうする?」


「幼稚園とかで言わないといじめられたり怒られたりするかもしれない」


みたいなことを言ってくる。

奥さんの心配が100%理解できるとは言わないが、まあ気持ちはわかる。

この不安を論破したところで、また別の不安が恐らく出てくるだろう。

これまでの経験でそれはわかっていた。

「じゃあさ、

『いやー、自分なんかのために、母上の手を煩わせてすんませんでした。めちゃくちゃ感謝してるんですけど、正直親子っていう間柄でいざ面と向かって、ありがとう、って言うの恥ずいですよね。ありがたいとは思ってるんですけどね。』

っていきなり2歳半が言ってきたら怖ない?」

「何回も何回も優しく言ってあげなわからんことも、あると思うで」


なんとかコミカルに、でも不安は少しは軽減するように伝えてみた。

「確かにそうかもな」


論破ではなかったが、ひとまず不安のボヤ騒ぎは鎮火した。


奥さんに、何回も優しく言ってくれと言った手前、私も奥さんの不安が現れる度に、何回も何回も優しく言う必要があるなと、


小さなブーメランを感じた。

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