うじゃの

クジラの給食袋。ブログhttps://ujauja43.jimdo.com/

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感想文「ぽつり、愛 / 雨宮天」

声優・雨宮天さんのEPシングル『雨宮天作品集1-導火線-』より、今回は「ぽつり、愛」を聴いて今見えてるコトについて。 前回:感想文「マリアに乾杯 / 雨宮天」 まとめ:楽曲感想 スタッフさんから話を聞かせてもらい、『遠距離恋愛の果てに破局を迎えてしまったカップルの実話』を元にして作られたという本楽曲。 心の中の不在を歌った曲だなあと感じていて。 想っている相手の面影を近くに見出してしまうけれど、実際には距離以上に相手の気持ちが自分から離れてしまっているように感じている

    • 感想文「マリアに乾杯 / 雨宮天」

      声優・雨宮天さんのEPシングル『雨宮天作品集1-導火線-』より、今回は「マリアに乾杯」を聴いて今見えてるコトについて。 前回:感想文「初紅葉 / 雨宮天」 まとめ:楽曲感想 この前奏がたまらなく好き。 前奏のメロディーラインはゆったりで、「ヒーロー見参」の趣がある。 混沌とした戦場が一気に静まり返り、荒地の砂煙の中から影が浮かび上がりながらこの前奏が流れてそう。 かっこいいね。 そこに流れる歌詞も、只者ならぬ強者感があって。 強い、強すぎるよ…。 高校野球の応援歌っ

      • 感想文「初紅葉 / 雨宮天」

        声優・雨宮天さんのEPシングル『雨宮天作品集1-導火線-』より、今回は「初紅葉」を聴いて今見えてるコトについて。 前回:感想文「都会逃避行 / 雨宮天」 まとめ:楽曲感想 今回EPに収録された個性的な楽曲の中でも、特に特異な存在感を放っている楽曲、「初紅葉」。 これまで度々、イベントやラジオ・インタビューで「天城越え」や「津軽海峡・冬景色」「夜桜お七」といった演歌を小中学生の頃からカラオケで歌唱し親しんできたことをお話をされていた雨宮さん。 実際に、14年に行われた「

        • 感想文「都会逃避行 / 雨宮天」

          声優・雨宮天さんのEPシングル『雨宮天作品集1-導火線-』より、今回は「都会逃避行」を聴いて今見えてるコトについて。 前回:感想文「TRIGGER / 雨宮天」 まとめ:楽曲感想 いや、ほんと、雨宮さんが歌謡曲でやりたいことがこれくらいのお弁当箱に詰めに詰め込まれているなと感じた曲ですね…(笑) いやー、ほんと、そのこだわりがあたたかく届いて、笑顔になれたよね。 「ネオンエスケープ」とルビが振られているタイトルの「都会逃避行」。 ここ1,2年、インタビューやラジオで

        感想文「ぽつり、愛 / 雨宮天」

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          感想文「TRIGGER / 雨宮天」

          声優・雨宮天さんのEPシングル『雨宮天作品集1-導火線-』より、今回はリード曲「TRIGGER」を聴いて今見えてるコトについて。 と、自身のライブパフォーマンスについて語っている雨宮さん。 「それならば」と、雨宮さんの可視化が届けれられる前に自分の心を震わせたものを言語化しておきたいなと思うのです。 MV(short.ver) 楽曲フルはこちら 「カクテルグラス」に「今日のデザート」、「アペリティフ」に「スペシャリテ」。 引用したインタビュー記事にもあるように雨宮さん

          感想文「TRIGGER / 雨宮天」

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          「君たちの未来には無限の可能性があるのです」 「幸せの数は無限にあるのです」 3月10日巣立ちの日 天へと放った黒い学帽は 青い鳥となって昇ってゆく 彼女の青い鳥 ぼくの青い鳥 キミの青い鳥 みんなが願う幸せの分 沢山いるのだ 青い鳥は 幸せの数は無限にあるのですから そうやって青に敷き詰められた場所を ぼくらは空と呼ぶのかもしれない やがて透明なものが落ちてくる 青から離れるように つめたい水を流して落ちてくる キミたちはこれからもそれを 傘で弾き 靴で踏み 歩いて

          天気予報が苦手

          天気予報が苦手だ。 あまりに人の思いや願いが押し付けられてて。 天気予報が苦手だ。 晴れた日は晴れた日の暮らしを。 雨の日は雨の日の暮らしを送るだけ。 人の手には届かない領域があって。 ただ、降り注いでくるものを受け止めて、 今も私は、その日を生きるだけ。 雨の日が好きだ。 日本には「雨の日」暮らしに根差した、いくつかの言葉がある。 それらが持つ優しい雰囲気や精神性に、とても心惹かれる。 例えば、「雨訪(あまどい)」という言葉がある。 大雨のあと、知人の家を見舞

          天気予報が苦手

          音声案内

          目的地が設定されました 音声案内を開始します 目的地まで真っ直ぐ伸びるこの道 ニ番目の交差点 その手前にある空き地に入ります 空き地の裏には森が広がっているので 標のない獣道を かき分けるように進むと 船頭のいない船着き場にたどり着きます ピーガガ ピーガガ ご注意ください 待っても待っても 船はやってきません 資材は周りにありますから やっとの思いで小舟を作ってください グサッと身を傷つけたり チクッと蜂に刺されたり それでも やっとの思いで小舟を作ってください

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          名前

          名前に奪われた名前がある 名前を奪った名前がある 愛という言葉を知らないが 使い使われ続け いつのまにか 手を伸ばせばそこにある名前になった 手を伸ばせばそこにあった星たちは名前を奪われ 手を伸ばせばそこに名前を奪った愛が残った その小さく明るい粒が浮かんでるところを 空だと知ってから 夜は少しずつ減り続けている 芝生にはたくさんの望遠鏡が並べられ 僕らのピクニックはその端っこ シートが風でそよいでいかないように 名前のわからない重たいものをいろいろ置いた 望遠鏡を覗いてみた

          【日記】電車を待った。

          「白線の内側に下がってお待ちください」 いつもの鼻にかかった声が駅構内にかかっていた。 白線の内側に下がろうとしたけれど、白線はどこにもなかった。 「白線は自分で引いてください」 いつもの鼻にかかった声が駅構内にかかっていた。 自販機の横にポツンと置かれた赤いライン引きを転がし、白線を引いた。 「白線の内側と外側は自分で決めてください」 いつもの鼻にかかった声が駅構内にかかっていた。 読みかけの本に栞を挟み、白線の内側に立った。 「白線の内側に下がってお待ちくださ

          【日記】電車を待った。

          【日記】電柱に貼紙があった

          この人を探しています 家族同様に可愛がってました 見かけた方はご連絡ください という貼紙が電柱にあった 並べられた特徴が自分のモノだとしか思えず 書かれていた住所のところへ駆け込んだ 玄関に女の人が出てきて 残念ですが違います、と言った その後ろでは男の人が覗き込んで 悲しそうに首を振っていた 知らない人だった

          【日記】電柱に貼紙があった

          【日記】学級日誌を書いた

          綺麗な言葉も汚い言葉も 黒板消しは飲み込んだ 日直の人が学級日誌に 「さよなら」を書き続けている頃 ぼくらは学校を抜け出した もうすぐ列車がくるね。 途中海が見えるんだ。 一番後ろに乗ろうね。 なんて話しながら列車を待った 青い空 青い海 青々とした水田 「私たちの方が青いね」とキミは笑った 列車を降りると 一面にキリン畑が広がっていた みんな太陽を向いて まっすぐ背の高い影を作っていた 太陽を背負い キミはキリンたちの足元を ずんずん僕の手を引いて進んだ キリン

          【日記】学級日誌を書いた

          【日記】朝起きたら、動物園の檻の中にいた。

          朝起きたら、動物園の檻の中にいた。 温子(妻) 亜美(娘) ごめん、お父さん、帰れない。 檻の中で鳴き声をあげていると、「園内人気アニマルランキングで一番になれば、ここから出られるよ」という声が檻の中に響いた。 「ロリっ子悪魔の仕業か!」と内心、実は興奮しながら声のする方へ目をやると、園長だった。 亜美、Googleで『アニメ ロリ悪魔』で検索するとエッチな絵が出てきちゃうから、検索しちゃいけないよ。 お父さんとの、約束。 それからというものの、なんとか「園内人気

          【日記】朝起きたら、動物園の檻の中にいた。

          【日記】スイカを買いに出かけた。

          暑かったので、スイカを買いに出かけた。 近所のスーパーは市内でも指折りの激安スーパーで、 まだ開店して間もないというのに、 駐輪場は多くのママチャリで賑わっていた。 案の定、果物コーナーは主婦でごった返していた。 「美味しいのは音で分かる」 と、彼女たちはスイカをひとつひとつ叩き 彼女たちの子らもそれを真似た。 そうして、 当たりだと思われる一番良い音がしたのを 買っていった。 辺りには粉々になったスイカが散乱し 床には赤い汁が溜まり、異様な匂いを放っていた。 店員

          【日記】スイカを買いに出かけた。

          【日記】大家さんがやってきた

          ぽやぽやと途轍もないことを考えこんでしまって、ちょっと疲れてしまった。 ぽやぽやと家に帰ると大家さんがやってきて、 「この部屋でそんな気持ちを飼ってはいけない」 「うるさいし苦情があって困る」 「臭いがついてしまう」 「そもそも契約書のこの部分にそう書いてある」 「さっさと捨てるか、さもなくば出ていってほしい」 と、すごい剣幕で怒られた。 確かに、小さい字で大切なことが書かれていた。 大切なことは、いつも小さな字で書いてあるらしい。 明日はもうちょっと、大切なこと

          【日記】大家さんがやってきた

          週記

          桜の花びらが窓の向こうに消えた月曜日 桜の花びらはゴミだと思う?と訊かれた火曜日 野菜もしっかり食べようと思った水曜日 何の比喩にもなれず図書室に立ち尽くした木曜日 ゴミ箱にゴミを隠した金曜日 かけるべき言葉を探して腕組みし合った土曜日 車窓から差し込んでくる日差しの中 ずっと微睡んでいたい僕の隣で 親子が僕の知らない歌を歌っていた日曜日