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【日記】学級日誌を書いた

綺麗な言葉も汚い言葉も
黒板消しは飲み込んだ

日直の人が学級日誌に
「さよなら」を書き続けている頃
ぼくらは学校を抜け出した

もうすぐ列車がくるね。
途中海が見えるんだ。
一番後ろに乗ろうね。

なんて話しながら列車を待った

青い空
青い海
青々とした水田
「私たちの方が青いね」とキミは笑った

列車を降りると
一面にキリン畑が広がっていた
みんな太陽を向いて
まっすぐ背の高い影を作っていた

太陽を背負い
キミはキリンたちの足元を
ずんずん僕の手を引いて進んだ
キリンたちはぼくらがすれ違うと回れ右して
キミの背中の太陽へ向いていた

キリン畑を抜けると
背の低い水田が広がる中に
ポツンと鎮守の森があった

ぼくらはヒト気のない神社の裏で
キリンに踏まれたタンポポの火葬をした

綺麗な言葉も汚い言葉も
黒板消しは飲み込んで
日直に書かれたキミと僕の名も飲み込んだ