送辞

「君たちの未来には無限の可能性があるのです」
「幸せの数は無限にあるのです」

3月10日巣立ちの日
天へと放った黒い学帽は
青い鳥となって昇ってゆく

彼女の青い鳥
ぼくの青い鳥
キミの青い鳥
みんなが願う幸せの分
沢山いるのだ
青い鳥は
幸せの数は無限にあるのですから

そうやって青に敷き詰められた場所を
ぼくらは空と呼ぶのかもしれない

やがて透明なものが落ちてくる
青から離れるように
つめたい水を流して落ちてくる
キミたちはこれからもそれを
傘で弾き
靴で踏み
歩いていくのだ
パシャリパシャリと歩いてくのだ

傘を閉じ
靴を止め
見上げたあの場所は今日も青いのです
幸せの数は無限にあるのですから