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特許化を目指して開発するコツ

特許を取得しようとする人は何かしらのアイディアがあります。
一番の悩みどころはそれが特許に値するかどうかではないでしょうか。
私は出願したり関わったりした特許や権利が10個以上あります。
弁理士の方と違うのは開発者サイドとして活動している点です。
特許取得の際に何を気にしているかお話します。

自分は〇〇のプロですと言えますか?

今手元に技術も何もない前提からスタートします。
その時にまず考える事は自分の専門性や属性です。
クライアントからよく受ける提案の中であるのは、
開発が結構進んでいるので権利化したいというものです。
私は大体やめた方がよいという事を言わなければいけなくなります。
なぜならば私が先行特許を出願しているパターンが多いからです。
その分野で専門性が無いと、
そもそも何が最先端なのかわかりません。
私はセラミックの技術を主な専門としていますが、
関わっている仕事にはプラスチック関連もあり、
お客様の商品に近い化学技術には詳しいです。
また、特許取得後も有効性の高い特許は他社と戦争状態になります。
知見が浅いと重箱の隅をつつく攻撃に耐えきれずボロがでます。
まずは自分の専門分野を持って認識する事が第一歩かと思います。

特許にするための第一の壁

特許になりそうな技術を見つけて出願するところまではお金を払えば誰でもできます。
特許出願中で牽制するビジネススタイルも見かけます。
しかし、技術として自信があるならば審査請求という段階に進みます。
教科書的な用語の説明は省略します。
この審査請求では特許庁にいる特許審査のプロが徹底的に調べて、
出願した内容が特許になるかどうかの判断をします。
私は何回もしましたが、必ずと言っていいほど差し戻しされます。
もし差し戻しされなかったとしたら、その特許はそもそも社会で影響力を発揮しないと思った方がいいです。
なぜならばその技術に対して競争がないと特許庁が判断しているからです。
差し戻される理由は大体同じでした。
これが第一の壁で「新規性」です。
新規性は新しいものであることです。
基本的に自分の専門性をもって取り組む分野には先人がいて、
特許は先人との知恵比べです。
特許庁は世界中の文献から調べてきて、
新規性について問いただしてきます。
特許の権利が認められた事は、
特許の専門家から見ても新しい発明であると認められた事になります。

請求項の確定

審査請求を通過した特許は請求項という所で権利範囲が規定されます。
特許は囲碁の様な陣取りゲームに近いと思います。
権利という範囲を主張して取り合うのです。
しかし、ここで気づく事があるかもしれません。
請求項の有効範囲が狭すぎて特許をビジネスに利用するのが難しいという事です。
私は今は特許を事業化してビジネスにしていますが、
過去の関わった特許や意匠ではこの事象たくさん見てきました。
特許になったけど特定の商品だけしか適用できないパターンとかです。
この事象を防ぐために一番重要な事は範囲を広くとるために背景についてしっかり出願時に定義しなければいけません。
冒頭で専門性についてアドバイスしたのはこれがあるからです。
その分野のプロでないと背景が未熟でアイディアの権利が弱くなってしまうのです。

特許戦争から権利を守れるか

有効性の高い特許は周りが特許を無効にしようとあの手この手を使ってきます。
私が経験したのは異議申し立て、誹謗中傷、政治的圧力などです。
権利面、実益面での争いが今も引っ切り無しに起こっています。
しかし、落ち込んでいません。
攻撃に晒される特許は影響力のある特許であると確信しています。
相手は私の特許を無視できないのです。
その時の私の武器は自分の開発者としての専門性と
特許庁の方のしっかりとした審査です。
これから開発される方は自分の実力を信じて取り組んでください。

利益

特許をなぜとるのですか。
なぜ出願するのですか。
これは利益を得るためです。
利益の形はいろいろありますが、
20年という限られた期間で最大の利益を得る事が特許戦略の目標だと思っています。

技術による本物の社会貢献

特許は確かに一部の人から利益を独占している様に見えます。
しかし、期間を過ぎればそれは世界中だれでも使える技術です。
私は特許取得は社会貢献事業だと思います。

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ウイテンは特許に限らず材料や技術に対して、
出口戦略を提案して事業を行います。
試験の請負や商品化まで関わる案件も多いです。
東証一部上場企業とも何社も取引実績があり、
ご相談頂ければ新たな技術の利益を創出できると思います。
会社のテーマは「技術をマネタイズする」


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