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骨盤帯~臨床応用~の質問内容

骨盤帯についてのセミナーを行い、その時の資料をnoteに記載しました。この資料を購入していただいた方から質問を頂きましたので、共有したいと思います。興味のある方は是非ご覧ください。

今回記載するのは3つの質問です。


①抽象度を上げるについてもう少し具体的に教えてください

②圧痛の評価で筋・筋膜・筋間を触診で見分けるとありますが、どのようにすればよいのか教えてください

③滑走性障害や癒着とはどのようなものなのか?どう評価し、改善すればよいのか教えてください

①抽象度を上げるについて

例えば…
この世は4次元であるという一般論があったとします。

4次元とは何でしょうか。

セラピストであれば前額面、矢状面、水平面の3次元(x・y・z軸の3次元)と時間軸を合わせて4次元と認識します。

姿勢は前額面、矢状面、水平面の3次元(x・y・z軸の3次元)で表現でき、この姿勢は常に変化し動作となります。
この動作は時間の流れと共に変化するため、時間軸を含めこの世は4次元です。

これ、とても分かりにくいですよね??

抽象度をあげるとは、こうした概念やモノの考え方をもっと分かりやすく考えるということです。

4次元を抽象度を上げて考えた場合、例えば「待ち合わせ」であると言えます。

友人と「ここで待ち合わせをする」とした場合あと何が足りませんか?
そう時間です。
「何時にここで待ち合わせだよ」と言えば友人と待ち合わせをして会う事ができます。
つまり「ここで待ち合わせ」は座標の(x・y・z軸の3次元)。あとは「何時に」の時間軸を合わせないかぎり、物事が成り立たない。だからこの世は4次元なのです。

こうした答え方の方が理解しやすくないですか?私はこの方が理解しやすいと痛感し、物事は抽象度を上げて考えろと教わってきました。この概念を知ってから、私は様々な勉強会にいってもあまり驚かなくなりました。

目の前で本当に触れただけで、魔法の様にパフォーマンスが変化する
なんてこともありましたが、「つまり、こういう事か」と自分の知識に落とし込むとき、抽象度を上げて捉える事が重要なのです。

抽象度を上げるということが、少し理解できましたでしょうか。

リハビリで言えば…

膝が痛い
⇒痛みがあって膝の伸展制限がある
⇒その制限は膝蓋下脂肪体だ
⇒脂肪体をほぐして伸展制限をとろう
⇒痛みが楽になりました
⇒終わり
ではなく

膝が痛い
⇒痛みがあって膝の伸展制限がある
⇒その制限は膝蓋下脂肪体だ
⇒なぜ脂肪体が痛みを拾っているのか
⇒膝の伸展モーメントがかかっているからだ
⇒このヒトの姿勢は?動作のクセは?
⇒なるほど、この姿勢(動作のクセ)を改善させれば脂肪体に負担がよりかからないぞ
となって欲しいのです

是非、高い視点で物事を考えるクセをつけてください(^-^)


②圧痛の評価で筋・筋膜・筋間を触診で見分ける


まず、筋膜は浅脂肪組織(≒浅筋膜)と深脂肪組織(≒深筋膜)に分類されます。要は、皮膚と筋肉の間の脂肪組織間で、2つに分けて評価します。下記に記載します。

圧痛を評価する場合


触診で筋(腹)に圧痛が認められる
 ⇒攣縮を主として考察する(短縮の併用も多くあります)
  攣縮が主となれば圧痛があり、リラクセーションを行う
  短縮が主となればイタ気持ち良い刺激になります、ストレッチを行う

触診で先ほどの筋膜に圧痛が認められる
 ⇒皮膚の滑走性(浅筋膜)、皮膚の深層の滑走性(深筋膜)が低下し圧痛を認める
  皮膚を動かして左右差を比較する(浅筋膜)
  皮膚をつまんで動かし左右差を比較する(深筋膜)
  共に滑走性が低下していれば柔軟に動かしてみる

触診で筋と筋の間に圧痛が認められる
 ⇒筋と筋の間の滑走性低下と考え、リリースしてみる

となります

これが触診で見分ける方法で、対応方法になります。
実際の実技ではここも重点的にお伝えして実技を行います。
是非参考にしてください(^-^)


③滑走性障害や癒着とはどのようなものなのか?どう評価し、改善すればよいのか


一般的に滑走性障害とは関節周囲組織間の癒着により生じるものです(関節から離れた皮膚や筋膜も起こりえますのでこれも知っておいてください)。

臨床上の症状は関節可動域制限や疼痛が主訴になります。これは、各組織そのものの伸張性が低下する短縮や攣縮、もしくは線維化、肥厚によって生じるものも存在します。

滑走性障害である癒着や伸張性の低下をどう改善し、どう評価すれば良いかは、触診や整形外科テストなどを駆使して滑走性が低下した組織や伸長性が低下した組織を特定(予測)します。エコーがあればより良いと思いますが、エコーがなくても触診と整形外科テストで対応できると思います。

実技ではここに時間をかけながら組織学的推論の説明を行います。
さらに、組織が特定(予測)できたら、実際に予測を検証していきます(実技の内容)。こうした仮説検証を行い、妥当性をみていくのです。
この仮説検証が進むと、今度は「なぜその組織がストレスを受けるのか」を力学的に推論していきます。これも実技でお伝えしますが、これが運動療法や動きの評価方法、自主トレ指導となります。

まとめると、滑走性障害とは関節周囲組織間や皮膚や筋膜の癒着により生じ、改善方法は癒着が起きている組織を触診や整形外科テストを駆使しして評価し、その組織に対してアプローチを行うということになります。




3つの質問に対する答え、いかがでしたか。
改めて何かの気づきになれば幸いです(*^-^*)

さて、今度の8月11日に、膝に特化した少人数の実技セミナーを行います。8名という少人数なのでたくさんの事が伝えられると思います(^-^)
残り3名ですので、興味のある方は是非こちらをご覧ください。

https://note.mu/ugoki/n/n4eef48368bb7


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