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昔「自炊」した本たちに再会するの巻

大阪時代にもずいぶん本は買ったのですが、一時期所蔵の保持が苦しくなった時代があり、電子化するといいよということで大量にスキャンして電子化したことがありました。

当時は紙の本を裁断したのちにスキャンして電子化することを「自炊する」と言っていたものですが(今もまだ通じます?)、たしか300冊くらいはそうやって電子化したように記憶しています。

その後、それらの電子データにもずいぶんアクセスしていない時期が長かったのですが、今回例のトークをするにあたって、ふと「そういえばあの本、昔持っていたはずだけどスキャンしたデータどこに行ったっけ」というので、あわててバックアップ用ハードディスクを起動させて、今メインで使っているPCに取り込んだのでありました。

そしたら、あったあった。ありました。ありましたし、スキャンしたファイルの数もやはり300程度あります。お目当てはそのうちの一冊、トルコ語の形態素についてのトルコ語で書かれた専門書だったのですが、当時自分ってどんな本を持っていたんだっけ、と改めて見返すと、なんと『トゥヴァ語-トルコ語辞典』というものまでちゃんと持っていたではありませんか。

あれ?テュルク諸語関連の本を意識して買い始めたのっていつだったっけ?とふと昔を振り返りたくなる衝動にかられました。

自分のテュルク諸語に対する遍歴については以前別のアカウント(テュルク友の会)で書いたこともあるのですが、ウズベク語に手を出し始めた時期から、徐々に「他の」テュルク諸語にも関心が向きつつあったということなのかもしれません。

他にも、かつて持っていた本で貴重なものも電子化してしまっていましたねえ…

トルコ語研究でいうと、Lees (1961) "The phonology of modern standard Turkish" (Indiana University)のようなものもありましたし、もう1冊自分でかつて買っておいてびっくりしたのが、ノガイ語文法の本が電子化されていたことでした。

ノガイ語もテュルク諸語の一種。北コーカサスで話されている言語です。この本、かつての自分はトルコに行ったときに入手していたのだなあ…

購入当時は役に立つかどうか、あとで読むかどうかなどほとんど考えずに、(その意味では思考停止状態ですわね)ウズベク語とトルコ語を見比べるにあたって他のテュルク諸語のデータもひょっとしたら使うことがあるかもしれないから…くらいの軽い気持ちで入手したのだと思います。

ノガイ語そのものへの距離感は今もさほど変わらないということはあるのですけれど、今はもうテュルク諸語全体に対しての関心度が高くなっていますのでね。文法書も辞書も、説明の言語が何語であろうと貴重です。どの言語であろうと、手元にあってほしいに越したことはない…それに、例の『星の王子さま』も、将来いつノガイ語訳が出るかわかりませんもんね…!

というわけで、また今回の発表を機に、心を入れ替えて自炊した本も読書を再開しようと思います。理論言語学の本で積読がたくさんありますねえ…

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