クムク語、持ってるだけじゃもったいないでしょ
あれからもう、1年半…
クムク語版『星の王子さま』。訳題は"Гиччинев пача"(あえてカナ書きするなら、「ギッチネウ・パチャ」くらいでしょうか)となります。紙の本にしておよそ100頁という限られた範囲の文量とはいえ、テュルク諸語の一つとしてクムク語に全く触れない手はないと以前から思っていました。で、先日からとりかかっているデータの電子化計画の一環で、クムク語も個人的に利用できるようにしようということで、先日のアゼルバイジャン語教科書作成の合間を縫って細々と作業をしていたのでありました。
で、今日ようやくめどが立ちまして。クムク語の取り込みは一応全部終わりました。あとはテキストの整形をしないといけないので、単語検索などで利用するにはもうひと作業しないといけないというところではあるのですが。検索して例文が一覧でばーっと出てくるというのはなかなか爽快な気分にはなれますね。
あとは、ほかのテュルク諸語と並べてみるということができるようになるというところまでがこの電子化計画の目標なので、常々言っていますように長期にわたる計画ということですすめていきます。
1つの言語だけ見ていてもわからないことというのはけっこうあるもので、比較・対照の先が日本語でも英語でも、それこそエスペラントでもよいのですけれども、つき合わせてみてわかる各言語の特徴というものが何か発見出来たら、今までの投資(おもに金銭的な意味でね!)も報われようというものです。
そんなわけでスマホ片手にスキャンしつつ、またOCRにかけながら例文をながめつつ、「おっ、この例文ちょっと面白いんじゃね?」という発見を期待している、週末のひと時であります。
さて。
「なんだって?君、空から降りてきたの?」という前半部分の主人公と王子さまのやりとりでよく知られている(たぶん)一節がありますね。
この「なんだって?」と聞き返すフレーズ、クムク語では"Нечик?!"(Arslanova 2018: 17)になるのだそうで、おそらくは「どのように」を表す語だと予想しています。聞き返すときにこの語を使うようなのですが、語構成がどうなっているのかが気になるところ。
「何」を表すパーツが"не"になるのだろうなという予想はつくのですが、"чик"という響きがなんともシブいじゃないですか…わかります?(伝わらない可能性高そうだけど)
さあ、クムク語の取り込みは終わりました。
次はどれにするか…なんせ、以下のテュルク諸語訳が手元にありましてな。
で、今19冊目を待ってるところでして…(まだまだ追い求めますよ!)
これだけの訳本を入手しておきながら、研究に活かさない手はないでしょう(しらんけど)、というのが近況というわけです。
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