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(保育士向け)面接が盛り上がる志望動機の作り方

採用面接の場が盛り上がって内定の確度が上がるかどうかのエッセンスは「志望動機」にすべて詰まっています。
今回は保育士として採用面接を受ける際の志望動機の考え方についてまとめてみました。

志望動機が明確なケースは意外と少ない

私は保育園の採用担当として延べ2,000名以上の保育士の方々の面接を担当してきました。
当園に興味を持っていただいたご理由は何ですか?」と、出来るだけ会話ベースでフランクにヒアリングすることを心掛けていましたが、それでも面接時点で志望動機が定まっていることは少なかったです。

現在保育士を採用する際に一番多い応募経路は「人材紹介会社」経由での応募です。人材紹介とは、簡単に説明すると無料登録して人材紹介会社の担当者に希望条件を伝えると近しい求人を複数案内してくれるサービスです。

人材紹介は企業・担当者間でサービスレベルの質がまちまちで、中には給与と勤務エリアだけで簡易的にマッチングを行う会社も多いです。
従って、人材紹介会社経由での応募の場合、「なぜこの保育園で働きたいのか?」という明確な動機がないまま面接を受ける求職者が増えてきています。

志望動機が明確でない場合、スキルが高い面接官であればヒアリングを通じて求職者と一緒に動機形成を行っていくことで双方の温度感を高めることができます。
しかし、面接スキルが高くない面接官の場合志望動機が明確でないと会話は弾まず、消化不良のまま面接が終了してしまい機会喪失にもつながりかねません。

志望動機としてNGな事項とは?

明確な志望動機を作ることが出来れば自然と面接官との間で会話は盛り上がり、テンポよく楽しく面接が進む原動力となります。
具体的な志望動機を考える前に、反対に志望動機として伝えてはいけないNG事項についてまとめてみましょう。

待遇面・条件面のみの記載内容
例)「家から近い」「給与が他より高い」「年間休日が多い」など。
働く上ではもちろん大切な事項である条件面ですが、志望動機として話をしている内容が条件面に終始していた場合面接官はどう感じるでしょう?

例えて言うなら異性から交際・結婚を申し込まれる際に「容姿」「年収」「学歴」などあなたの表層的なスペック面のみが動機だと説明されたときの感情に似ているかもしれません。

どこの園にも使えるような漠然とした内容
例)「小さなころから保育士になるのが夢で、貴園を志望しました。
上京して実家から自立をし、首都圏の待機児童問題に保育士として貢献したいと考え、貴園を志望します。

私はこのような志望動機を記載している履歴書を今まで沢山拝見していきました。
保育士になりたい動機、保育園で働きたい動機には言及されていますが、面接官が本当に知りたいのは前述した通り「自園を志望してくれている理由」なのです。

漠然とした志望動機を記載してしまうと、面接官との会話も漠然とした内容になってしまい会話の広がりや盛り上がりに欠けた面接になってしまう可能性があります。

誇大な表現・自己中心的な内容
例)「私は中学・高校と生徒会長を務めていましたので、マネジメント経験を活かし将来的には貴園で園長を務めて貢献できる人材であると確信しています。
学生時代はコーラス部に所属しており全国大会出場を経験しました。子どもたちにも歌うこと楽しさを味わってもらいたいのでちびっこコーラス部を作って活動したいです。

保育園に自分のことを良く見せたい!評価されたい!という気持ちはとても理解できますが、面接官は保育士の採用面接で目の前の相手が「何をできるか?」という観点で見ていません。

誇大な表現や自分のやりたいことを前面に出した志望動機に終始してしまうと、素直さや謙虚さに掛けた人材であると評価されることにつながりかねません。
また、当たり前の話ですが「虚偽の内容」は絶対NGです。

以上のような注意点を念頭に入れて、自分なりの素敵な志望動機を考えていきましょう。

志望動機の考え方

それでは、具体的な志望動機の考え方を順を追って説明します。

①自分の保育観を明文化する
まず最初に、改めて自分の保育観について見つめなおしてみましょう。
・自分が保育士になった(なりたい)きっかけ?
・保育士として大切にしていきたいことは何か?
・将来的にどんな保育士になりたいか?

保育士は専門職ですので、皆さんが「目指しているもの」を必ず具体的に表現できるはずです。
入職後の保育士ライフを明確にイメージする為にも、しっかり考えてみてください。

②応募先の保育理念・保育方針を確認する
自分を知った後はいよいよ相手を知る作業に移りましょう。
インターネットで志望先の園のホームページを確認してみてください。(ホームページが無い園であれば求人票、園案内、自治体のページなどを参照してみましょう!)

ホームページに記載されている情報量は事業者によって違いがありますが、保育事業者として園を運営する際の根っこである保育理念や保育方針について解説されている箇所は必ずあります。
また、1日の保育の流れ年間行事予定などもその園の特徴を表していますので要チェックです。
園見学に行ったことがある志望先であれば、その際採用担当者や園長から聞いたことを思い出してみるとより臨場感が出てくるのではないでしょうか?

③自分の保育観と応募先の保育理念・保育方針の共通項を考える
志望動機を考える上でいよいよ最後の工程です。
明文化した自分の保育観と志望先の保育理念・保育方針やホームページ内の情報を比較してみると、共通している想いや保育内容が必ず見つかります。(見つからない場合はむしろミスマッチの可能性があります)
そうです。その共通項こそがあなたが志望園に興味を持った理由=志望動機なのです。

ここまで来れば、後は自分の熱い想いを志望動機に乗せて自信をもって表現できるようになるはずです。
この志望動機の考え方の手法を私は「理念共感型」と呼んでいます。

自分が面接官と担当していた経験上、履歴書に記載されている志望動機が理念共感型だった時が一番うれしかったですし、お互いが保育に関して大切にしたいこと・想いが共通していると会話も非常に盛り上がります

まとめ

保育士の皆さんにとって採用面接は緊張するものです。
新型コロナウィルスの感染拡大が収束していない状況での転職活動だからこそ、「この園で働きたい!」と思える保育園に出会えたら、絶対に内定を勝ち取りたいものです。

面接官にとって保育士の皆さんからの応募・問い合わせはとても!とても!嬉しいものですが、志望動機の内容によってはしょんぼりしてしまったり、ミスマッチと感じられてしまったり、面接の結果を大きく左右します。

今回の記事を参考にしていただき、面接官の方がウキウキするような志望動機を作成してみてください。

保育士の皆さんの転職活動の未来が明るくなり、素敵な保育園と出会うことができることを心から願っています。

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