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保育園の求人票の見方と落とし穴を把握しておこう

保育園への就職・転職を考えている保育士の皆さん向けに、求人票に載されている項目の意味と注意しておいた方が良い落とし穴ポイントについて解説します。

求人票は誤解や錯覚を生みやすい

求人票とは、保育士を募集する際に保育園が自園の情報や募集する職種・雇用形態・仕事内容・待遇等の条件面が記載されたもので、私たちが仕事探しをする上でまず最初に目にする情報です。

私たちは、求人票に記載されている情報を基にその保育園に応募するかどうかの意思決定をしますが、そもそも求人票に記載されている項目の意味を全て理解している人は意外と少ないと思います。

保育園側の立場になって考えると、「できるだけ沢山の保育士に応募したもらいたい」という心理で求人票を作成しますので、各項目の表現は手を変え品を変え工夫されています。

保育園によっては私たちの無知を逆手に取り、意図的に誤解や錯覚を含みやすい表現を使用している場合もあります。

こんな表現をするとネガティブに捉えられてしまうかも知れませんが、安心してください。
求人票の見方を習得することはそれほど難しいことではありません
落とし穴についてもパターンはある程度決まっていますので慣れてしまえば怖いものではありません。

求人票の各項目の見方と落とし穴

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それでは具体的に保育園の求人票に記載されている代表的な項目の意味と、注意しておいた方が良い落とし穴について説明していきます。

■雇用形態/契約期間
正社員、契約社員、パートなど、どの雇用形態で募集をしているのか?
また、契約期間の有りなしを確認しましょう。

<落とし穴>
正社員の求人だと思って応募し、入社してみたら1年更新の契約社員だった・・

■試用期間と試用期間中の待遇について
入社日から一定の期間を「試用期間」と設定し、試用期間終了後本採用とする企業は多いです。
試用期間は3ヶ月~6ヶ月が一般的ですが、試用期間中の待遇が本採用時と違う場合が有るので必ず待遇面を確認してください。

<落とし穴>
月給22万円と求人票に記載されている保育園に入社したが、試用期間中3か月間は月給18万円だった・・(月給4万円×3ヶ月=12万円分のマイナス

■就業場所(配属園)
特に複数の園を運営している企業に応募する際は、配属園について必ず確認をしてください。
求人票には「配属園は通勤時間を考慮し面接後に決定」などと記載されていることが多いですが、企業によって応募者の希望を聞いてもらえる企業と、運営園の人員配置の都合などによって企業側が配属園を決定する場合があります。

<落とし穴>
園見学・面接は自分が希望している東京都杉並区の保育園に訪問したが、入社時の配属先は自分が希望していない神奈川県川崎市になって困惑・・・

■休日、休暇、年間休日
お仕事をする上で大切になってくるのがお休みをしっかりと取得できる環境かどうか?です。
休日に関しては「4週6休」と記載がある求人票は隔週土曜日出勤で振替休日なしの求人です。
4週8休」と記載があったとしても、祝日がある週は公休がない企業もあったりして判断がつきません。

そのような時に確認すべきは「年間休日」です。
祝日は年間で概ね16日あります。
1年間は52週ですので、4週8休であれば年間休日は104日です。
もし求人票に記載の年間休日が104日前後になっている場合は「祝日がある週は公休なし」、120日前後になっている場合は「祝日とは別に必ず平均週2回公休がある」ということになります。

年間で16日も休日が違うのは結構大きいので、要注意です。

また、休暇に関しても夏季休暇・年末年始休暇・その他の休暇などがしっかりと公休としてのお休みになるのか、有給休暇を当てて消化されてしまうのか?は面接時に質問した方がいいです。

<落とし穴>
企業ごとに休日数が違うことを知らず良く確認せずに入社したら、同級生の友人が就職した他の保育園と明らかに休日の数が違う・・・

■時間外労働
労働基準法第32条で定められている法定労働時間は「1日8時間、週40時間」が上限です。
この労働時間を越えて勤務する時間数が「時間外労働」です。)
*詳しくは厚生労働省HP「労働時間・休日に関する主な制度」をご確認ください。

よって、月間の平均時間外労働の時間数は必ず確認をしましょう。月間平均5時間の保育園と20時間の保育園では年間180時間も労働時間が変わります

<落とし穴>
求人票には残業月2時間と記載されていたが、現場でサービス残業や持ち帰り業務が横行していた・・。
※いわゆる「サービス残業」については明らかに違法です
求人票には記載されていませんので、必ず面接時にサービス残業・持ち帰り業務の有無は禁止しているかどうかを確認しましょう。

■給与・賞与
新生活を支える大切な給与・賞与ですが、意外と落とし穴が多い項目です。

突然ですが問題です。
下記の2つの保育園ではどちらの方が収入面でメリットがあると思いますか?

A保育園
月給:26万円(基本給16万円+諸手当12万円)
賞与:基本給×4ヶ月分

B保育園
月給:24万円(基本給20万円+諸手当4万円)
賞与:月給×4ヶ月分

パッと見ではA保育園の方が月給が2万円高いし、賞与も4ヶ月分なのでA保育園と考えがちですが、
年収ベースで考えてみると・・・

A保育園
(月給26万円×12ヶ月=312万円)+(賞与基本給16万円×4ヶ月=64万円)
年収376万円

B保育園
(月給24万円×12ヶ月=288万円)+(賞与月給24万円×4ヶ月=96万円)
年収384万円

となりますので、B保育園の方が年間8万円収入が高い計算となります。
保育園によってはこのトリックを逆手にとって表層的に求人の条件を好条件に見せかけている場合もありますので、給与面を確認する際は必ず年収ベースに計算をし直しましょう。

まとめ

保育園への就活・転職活動を始める上で私たちが一番最初に触れる情報が「求人票」です。
求人票以外の情報はほとんどない中で数ある求人の中から応募先の保育園を決定する必要があります。

新卒保育学生の方向けに求人情報の入手の仕方のポイントを整理した過去記事がありますので興味がある方は是非ご一読ください、

-新卒保育学生向け-保育園の求人情報を入手する際のポイント

しかし、求人票に記載されている項目の意味を深く知らないまま応募してしまう保育士の方が多いのが実情です。

保育園によっては条件面の表現をアレンジすることで求職者に誤解や錯覚を生ませ応募~入職まで進めていくようなところもあります。

今回の記事を読んでいただければ求人票に記載されている項目の意味・落とし穴について一通り簡単に把握できると思います。
保育士の皆さんに知識という武器を身に着けていただき、健全なお仕事探しができるように引き続き有益な情報を発信していきたいと思います。


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