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[東北旅行] 岩手の桜と美酒に酔いしれる旅

北から桜の便りが来るこの季節。
TVのニュースやJR駅のポスターを見ると思い出すのは、桜を見に行った独身最後のあの旅行。

と、そう記憶していたのは間違いで、正しくは結婚してから初めての旅行だった。入籍後結婚式前という最大限に浮ついた時期は、記憶の改ざんも容易らしい。
独身最後改め独身卒業後最初の旅行は、旦那を置いて会社同期と行く桜と美酒に酔いしれる旅だった。

旅行日:2014/4/25(金)〜27(日)

出立は仕事の後

当時盛岡の営業所で働いていた同期Sに会い桜を見に行く、と言う計画に賛同して集まったのはHとA。

同期女子4人旅の始まりは、金曜日。
東京組は19時半頃発の新幹線を目指して仕事を片付け、東京駅へ向かう。連絡を取り合いながらも、それぞれでみどりの窓口で切符を買い、同じ新幹線に乗車した。

そのまま車内で1人時間を過ごすこと3時間。
盛岡駅の改札で合流した時には22時半近く。一応車内で軽く夕飯は済ませたが、飲兵衛4人が集まった夜に飲みに行かないわけがなく。Sの案内でホテル近くで日が変わる頃まで久し振りの再会にビールを楽しんだ。

ピンクのもふもふ in 盛岡城址公園

さて翌日。
遅くまで飲んでいたので、始まりは少しのんびり目。
9時半ごろにホテルをチェックアウトしたら、まずは盛岡城址公園へ。

早速見事なまでの満開の桜が出迎えてくれた。

ピンクのもふもふ。
そう表現したのはSだったか。

盛岡城は、南部藩主が三戸から不来方へ移り、居城とするために築城されたお城。私も母方のルーツが三戸なので、何だか身近に感じる。
建造物は明治初頭に解体され、南部中尉銅像は太平洋戦争時の金属供出として台座だけが残されている。
岩手公園として整備された敷地内は、石垣と視界を埋め尽くす桜が見事。ソメイヨシノだけでなく、他の品種もちらほらと。

突然の雪景色

もふもふ散策を楽しんだ後は車に乗り込み、Sに全てを委ねる。1時間ほどのドライブで辿り着いたのは、八幡平アスピーテライン。何も知らなかったので、どんどん雪景色になる車窓に驚く。

ついさっきまで春爛漫の中に居たのに!!雪の壁なんて初めて見た!と浮かれる我ら。

4月中旬に冬季の通行禁止が解除された直後は、この雪の回廊が残っているとのこと。
いつかこんな景色を見に雪の大谷行ってみたいなんて思ってたけど、まさか桜を見にきたこの旅行でそんな景色を見れるとは思わなかった。

お昼は安比八幡平の食の宿 四季館彩冬で短角牛の特製ビーフシチューを堪能。

再びのピンクのもふもふ in 北上展勝地

13時半、再び車に乗り込み一路南へ。
盛岡、花巻を過ぎ、次の目的地に到着したのは15時過ぎ。

みちのく三大桜名所のひとつ、北上市立公園展勝地。
北上川沿いに桜が2kmも続く並木道に植約1万本の桜。

今までに撮った写真の中で1番のお気に入りは、この桜色。
前後左右上どこを向いても満開の桜が視界に入る絶景が広がるり、風が吹けば桜吹雪という、素晴らしいタイミングでの訪問だった。

並木脇の原っぱでは、シートを広げてお花見を楽しむ多くの人々。観光馬車のお馬さんが子供達に大人気だった。
折角だから、とお願いして4人並んで桜背景に写真を撮ってもらったら、ピントは見事に桜に合っていた。

川沿いには多くの鯉幟がはためく夕暮れ時。
川を挟んで向こう側には新幹線の北上駅がある。Googleマップによると、歩けば30分ほどのようだ。
シャトルバスもあるようだが、とてもアクセスしやすい絶景とは知らなかった。

鉛温泉藤三旅館

17時に桜に別れを告げると、北上し花巻から少し西へ。
お宿は奥羽山脈中腹にある、開湯600年の鉛温泉藤三旅館。
源泉掛け流し、湯守のいるお宿。

べこ達がお出迎えしてくれた。

夕食の前に温泉へ。
浴場は4つもあるため、まずは白糸の湯へ。
半露天風呂の窓からは滝が望める浴場だが、まぁもうその時間帯だと外は見えないからほとんど記憶にない。

続いて白猿の湯。
Sがここに是非入って欲しいと、このお宿を予約してくれたのである。ワクワクしながら向かうと、扉の向こうには一階分下がる石段。下に脱衣所と、すぐそばに温泉が。
そしてそれはまさかの立って入る温泉だった。深い。
座らないでお風呂に入るって、後にも先にもここでしか経験ない。不思議な感覚だった。
※白猿の湯は通常は混浴で、女性専用の時間帯が設けられている

お湯から上がり夕食会場へ。
ぽかぽかの体に遠野産とれたてホップ一番搾りが沁みる。
既に料理は沢山並んでいたが、大きなお皿がきた。

まさかのサプライズ結婚祝いプレートのお刺身盛り合わせ。
これはびっくりしたし嬉しかったし美味しかった。
日本酒も頼んで、食後も部屋で飲み直して充実の1日が終わった。

翌朝、それぞれのタイミングで朝風呂に桂の湯へ。
私は朝食前に向かうことにした。
川の真横の露天風呂。轟々と流れる川音が近い。

食後は宿の周りをお散歩。
まだこの辺りは桜も綻びかけたばかり。

のんびり過ごし、10時前にチェックアウト。

世嬉の一酒造

車は再び南を目指す。
花巻、北上を通り過ぎ、最終目的地一ノ関へ。
着いたのは12時前。

なんだこのお洒落な場所は?と思いきや、ここは世嬉の一酒造、酒のイーハトーヴ。
正面に見えるは、いわて蔵ビール工場。

この左手にある酒の民族文化博物館で、まずは酒造りの工程を学ぶ。
この桶に落とされたら出られる自信ない。

見学の後は蔵元レストランせきのいちでお昼ご飯。
酒蔵に来て飲まないなんて。
この後盛岡まで車で戻るSには申し訳ないが、残り3人で利き酒セットを注文。こんな感じで3種持ってきてくれた。

私は手延べはっと膳を注文。
昔母がよく作ってくれた「ひっつみ」を思い出す。
似たような小麦粉料理、としてWikiでは別ページに掲載があるが、北上川中流以南では?はっとと言うらしい。

山梨県(甲斐国)に伝わるほうとうとの類似性が言われている。南部藩を治めていた南部氏は甲斐国南部牧出身である。
Wikipwdia

ともあるから、きっと元を辿れば同じだろう。
汁の具は違えど、素材同じだし(小麦粉と水)。
思い出したら食べたくなってきた。

食後は直売所でお土産探し。
ここで一升瓶とニコちゃんマークのおちょこを購入して、次月の結婚式二次会での賞品としたのだが、それが当たったのは旦那友人でお酒が飲めない人、というなんとも残念な結果に終わったのはまた別の話し。
ニコちゃんマークのおちょこ、可愛かったから自分用にも買えばよかった。

そんなこんなで時刻は14時半。
一ノ関駅まで送ってもらい、春の岩手旅が終了した。
出発地盛岡から遠く離れた地で解散となったが、工程を組んでくれ、2日間ずっと運転してくれたSには本当に感謝しかない。

 * * * * *

北国は今が桜シーズン真っ盛り。
みちのく三大桜名所の、満開のタイミングは本当に美しかった。いつか三春の滝桜とかも見に行きたい。


ちなみに、Sに会いに行く東北旅行は、若干のメンバー変更がありながらも数年おきにその後何度か続いている。
次はいつ行けるかな。

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