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シンキングツールでどんどん進む! 国語 創作単元


オープニングCM


はじめに

こんにちは。小学校教員をしている植田です。

先日、ロイロノートのコミュニティ「LEGかがわ」によるイベント
「明日から使えるロイロノート活用術」に登壇してきました。

チラシにがっつり載せてもらいました!(照)

登壇のお話をいただいた際に「ロイロノート活用術」という依頼だったので、ロイロノートのシンキングツールを使った実践を紹介しようと思いました。

しかしながら、ICTに関しての植田の持論は、「様々なICTの強みを掛け合わせて使うことで、今までできなかったことができるようになる」です。

なので、授業単位で言えばその1時間は1つのツール活用で終わることはあっても
単元という大きな枠組みで見た際には、
ロイロだけで完結する単元はないし、Canvaだけで完結する単元もないし、
Padletだけで完結する単元もないわけです。(私の授業では)

単元を構想する際に、これが自分の考えうるベストマッチだ! そう思いついたのはロイロのシンキングツールを活用しながら補助的にCanvaに頼る部分もあるような単元でした。

なので、、、、、ごめんなさい!!!

ロイロのイベントなのに他のICTがバンバン出てきたわけです。

↑ロイロ澁谷さんの寛大な心に救われた件↑





↑これは、、、どうかな(笑) 完全にやってしまってますね。
いや、子どものためという目的の下に教育ICTはボーダーレスだ!
(と、言い訳をさせていただこう)

すみません、本題に入らせていただきます。

実践について

今回の単元について

今回の単元は小学4年国語「山場のある物語を考えよう」(東京書籍)です。
教科書には物語の最初の場面と最後の場面の画像があり、その間のストーリーを自分で考えて文章にするという単元です。

教科書には
魚  :最初の場面「僕は地味」→最後の場面「みんなでキラキラ光る」
女の子:最初の場面「雨が嫌い」→最後の場面「雨の中外で笑顔」
という2種類のお話の例が載っていました。

山場のある物語を考える、ということで最初の場面から最後の場面までの間に
どんな出来事があって、どう盛り上がって山場になるのか、これを子どもが考えていくようになります。

参考にさせていただいた論

今回の単元を構成する上で、参考にさせていただいたのは
白石範孝先生の著書『白石範孝の国語授業の教科書』(2012)です。

この中に、小学校国語の文学作品についてこう書かれています。

「中心人物」が、「出来事」によって、「変容」になる話

『白石範孝の国語授業の教科書』(2012)

イメージとしては鍵が用いられていました。
「中心人物」(鍵のかかった南京錠)が
「出来事」(鍵)によって
「変容」する(鍵が開く)

その内容をもとに私が作った図が下のような図です

文献をもとにして植田が作成

じゃあ、その「中心人物」「出来事」「変容」を子どもたちに考えさせよう!
その考える中でシンキングツールを活用して支援できたらいいな。
そう考えました。


ちなみに、今年の2月に広島大学附属小学校で行われた
「第70回初等教育全国協議会」に参加したのですが、

https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/222446/2月研究会チラシ【完成】.pdf

その際に、関西大学の黒上晴夫先生が講演の中で
「思考ツールは文章を書く際のアイデア出しなどに最適」というようなことを
おっしゃっていたので、今回の活動にも生かせそうだと思ったわけです。

①中心人物を設定する

中心人物を考える際に「クラゲチャート」を使用しました。

クラゲチャート(教科書画像にぼかしを入れています)

この中心人物の設定は今後の物語のカギを握ります。
自分がこれから書いていく物語です。
設定は自由に決めてもいいわけですから、好きなように設定します。

ただ、今後の展開を考えた設定をするように指導はしています。
ここに書かれた中心人物の設定が後々の展開に関わってくるのです。

例えば、この雨の嫌いな女の子の設定に「家庭科が得意」を入れておいて
後に、得意の裁縫でレインコートを自作して雨嫌いを克服する、とか。
いわゆる「伏線」が張られるわけです。

別に「くまでチャート」でもできるわけですが、あえて「クラゲチャート」の理由としては、左上に画像を2枚置く場所を作ってあるように、教科書に載っている「魚」と「女の子」両方をここに置いた状態で子どもたちに配布し、
どちらかを選んで設定作りをするように指示しているということです。

2種類あっても、人によってどっちの方が考えやすいかは違いますから
「魚」か「女の子」か自分が考えやすい方を選ぶシステムです。

そうすると、選んだ方の画像をクラゲの頭部分に引っ張ってくるだけで
その子が何について考えるかが可視化されやすいのでおすすめです。

②出来事を構想する

中心人物を変える出来事の構想は、KWLチャートを用いました。
国語の文学作品を学習するとき、単元の最初のほうによくやりませんか?
その物語の「時」「場所」「人物」を確認する作業。

時・場所・人物をKWLチャートで

物語のカギを握る「出来事」を構想するためには、様々な設定を決めておくことが必要だと考えています。そのため物語の「時」「場所」「人物」を決めました。

③物語のシナリオを決める

最後に、中心人物の心情の「変容」に関する話。
シナリオを「プロット図」を使って作成しました。

プロット図で作成したシナリオ(教科書画像にぼかしを入れています)

プロット図は山型になっているので、山場がわかりやすいのが特徴です。
始まり→山場→終わりで組み立てていきました。

カードを置きながら、ペンで書き込みもできるのがいいですね。

★グループ活動→個人活動

今回、単元構成に関して工夫したのが
単元の前半をグループ活動、後半を個人活動としたことです。

「よし、今から物語考えろ!」と言われても
なかなか思いつかない子どももいますよね。
私もそのタイプで、急に言われても難しいです。

だから、前半はグループ活動で話し合いながら
 ①「中心人物設定」(クラゲチャート)
 ②「時・場所・人物」(KWLチャート)
 ③「シナリオ作成」(プロット図)
という順番で3種類のシンキングツールを作りました。
友達と相談しながら設定を考えていくことで
一人でする以上に発想が湧いてきてスムーズに考えられます。

その上で個人でも同じように
 ①「中心人物設定」(クラゲチャート)
 ②「時・場所・人物」(KWLチャート)
 ③「シナリオ作成」(プロット図)
という活動を行いました。

グループでするのが練習になって、個人のが本命です。

なので3種類のシンキングツールを2周してようやく執筆です。
時間はかかるかもしれませんが、グループ→個人で2周することで
自分一人でも物語が書けるようになります。

単元の流れ(教科書画像にぼかしを入れています)

★AI画像生成の活用

先ほどまで「魚」か「女の子」か、どちらかを選んで考えたわけですが
教科書画像をグループでの練習用に使ってしまっているわけです。

じゃあ個人で作成する時には何の絵を使って物語を書くの?

そこは生成AIの出番!!

AI画像生成で作成した挿絵

Canvaのマジック生成を使って、教科書のように
最初の場面と最後の場面の画像を作りました。

A 花や葉がなく悲しそうな木 → 花が満開の木
B 鳥を見つめる少年     →  空を飛ぶ少年
C 池を見つめるうさぎ    →  亀の背中に乗り池を渡るうさぎ

A、B、Cから好きなペア画像を選んで物語を作ります。
こういった新しい画像をもとに物語を考えようとしたら
モチベーションが爆上がりでした。
(教科書をディスるつもりはないですが、
 教科書の挿絵と比べてもずいぶんワクワクする画像ですし…)

たしか、これはスタイルを「プレイフル」で作った気がします。

Canvaのマジック生成なら、挿絵に合いそうなスタイルを
選ぶことができていいですね!

こうしてAI画像生成で出した画像を挿絵にして
子どもたちは自分個人で物語を考えました。

★できあがった物語の共有

できあがった物語の共有方法として、
またロイロノートに戻ってくるのですが
共有ノートを使いました。

共有ノートの画面

共有ノートは全員がアクセスできるのでシェアにぴったりです。
1枚目に誰の作品かわかるよう扉をつけ、
2枚目以降には書いた作品のPDFをくっつけて繋げます。

繋げると左に「+」マークが出るので、完成した子から繋げておくと
誰が完成して誰が完成していないか一目瞭然です。

★Canva一括作成の活用

Canvaの一括作成機能、使ってますか?
この機能でクラスの子どもの名簿を読み込ませたら
一瞬で個々の名前が入った扉の画像ができます。

個人的に推しているロイロノートの便利な部分で、
PDFをアップしたら一気にカード化されて
自由自在に動かせるという特徴があります。

Canvaで作ったデザインをPDF出力し、
それをロイロノート上にアップロードしたら
ノート上に一気にカードとして並びます。

Canvaで作る → PDFで出力 → ロイロノートにアップ

これ個人的に黄金比!
ぜひやってほしいと思います。

おわりに

長くなりましたが、最後までお付き合いいただいた方
本当にありがとうございました。

ICTで授業が変わった!という事例をこれからも
気まぐれですが書いていけたらと思うのでよろしくお願いします。


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