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イラっとした原因

*長文であり、途中までハッピーな内容ではないので、それが嫌でない人だけ読んでください。


某日。
2回続けて「イラっ」とした。
共通点はある。
相手は、中年のおじさんで接客業者だ。

1人目は、ジム入会を機にスニーカーを買いに行った時のことだった。
以前から目をつけていたスニーカーがあり、それを1人でサイズを探し、1人で履いてみて、購入を決めた。

レジに向かう途中、気になるソックスがあったので見ていたら小走りの店員とぶつかりそうになり、軽く体が当たった。「すみません」と、私が言ったが、相手は、もちろん無言でこちらを振り向くこともなく、別のお客のところへまっしぐら。
このことがきっかけで、ソックスを買うのはやめてさっさとスニーカーを買おうとレジに再び向かった。レジには、女性が1人いたが、別の作業中のようでこちらには目もくれない。一応「すみません」と小さな声で言ったのだけど、顔もあげてはくれない。
もう一度、「すみません」と言おうとした時、中年のおじさんがやってきた。
「こちら、返品交換はできません」といきなり言い、「はい」と言いながらも、私は箱はいらないので「箱はいらないんですけど」と言っても返事もしない。
「返品交換はできません」と再度なぜか言うので、「箱はいらないんですけど」ともう一度言う。
すると「わかりました」とようやく返事をしたかと思うと、「返品交換はできません」と3回目の同じ言葉を言う。「はい、いいです」と今度は強気で言う。
クレジットカード決済を終えても、「こちらが控えです」と言ったきり、「ありがとうございました」もない。「ありがとうございます」を言わないキャンペーンでもやってる?と思うくらいだった。
2度とこの店で買うことはないだろう。

その後カフェでこのことを思い出してみた。
そもそもなぜスニーカーを売っている店に中年のおじさんが働いているのか。
考えられるのは、次の二つだ。
1 若い時に就職してそのまま残った。
2 他に仕事がないから、この仕事にした。

おそらく、2だろうな、と思った。

接客の仕事は今、若い人には人気がない。カスハラという言葉もあるくらいに、客が文句を言う確率が高いからだ。さらに時給が安いとなれば、若い人は働かない。みたところ、このおじさん以外は若い人だった気がするが、1人は主婦っぽい女性、1人は学生っぽい男性だった。
そんな中、中年のおじさんの仕事は、転職の場合なかなか見つからない。
そうして、ここに態度の悪いおじさんが誕生する。
下手なプライドを持ちたいなら接客業をするな、と言いたかったが、もちろん言ってない。
こんな時、すぐに「解決策」を考えてしまうのは、悪い癖だ。いや、いい癖かもしれない。

最初に考えた解決策は、社員教育。
でもそんなお金を、一店長かもしれない人に経営側は使わない。いつ辞めるかわからないし、社員教育の効果も確約されていない。
行き詰まりか、と思った時、悪循環に気づいた。

接客態度が悪い→お客が減る→店舗が減る→仕事が減る。もしかしたら、おじさんは再度仕事を探す必要があるかもしれない。

では、お客にとっての救いはないのか?ネットで買うにしても、靴は履いてみないとわからないので、やっぱり店舗の方が便利だ。
すると、ハタッと気づいた。

「過渡期なんだ」と。

某ファストファッションの店舗では、レジは完全無人だ。
あれを取り入れたら、試し履きはできるし、レジで嫌な思いをしなくていい。
でも、まだあそこまでのデジタル化にお金をかけられる企業が少ない。
しかし、昨今そうなっていく。つまり、今は「過渡期だから嫌な思いをするんだ」とわかった時、すっきりした。
接客の不満を解消するには、デジタル化しかない。人と接さないと言うことでしか、接客の不満は無くならない。従業員の質を上げると言うことは、もう誰も期待していないのだ、と思った。
過渡期が終わるまでは、せいぜい感じのいい人がいる店舗にしか行かないようにしよう、と無事解決した。

その後、ジムの入会手続きに行った。
前回体験に行った時には、とても丁寧に親切に案内してくれたお姉さんがいて、その人が対応してくれることを望んでいたが、ちょうど出てきたのは、おじさん。と言っても私よりもずっと若く、おそらく40代か50代前半。
入会申込書も必要なものも全て用意をして行ったのに、スマホでバーコードを読み取らせ、わざわざ書いてきた申込書に書いたことと同じことをもう一度スマホで入力しろと言う。この時点でかなり腹が立っていたのだけど、仕方なく入力した。この間、このおじさんは目の前で座ってみているだけ。
全ての入力が完了し、「次の画面へ」を押しても、なぜか移動しない。おじさんは「未記入の部分があれば、次にはいきませんよ」と、冷たく言う。再度見直し、電話番号の部分にハイフンが必要なことがわかり、再度入力し直した。それでも、次の画面には移動しない。
その人に画面を見せると、私のスマホを「すみません」と一応言って取り、勝手に入力し直したりなどしていたが、結果は同じ。
勝手にスマホを触られるのも、本当は嫌なんだけど。
この時私なら「少しお預かりしていいですか」と一応許可をとるし、その後も相手に私が何をしているか見えるように配慮するけど、そんなことは一切ない。

なんでだろう、と言いながらも解決策を持たないらしい。
そしてついにおじさんが言ったのが、「家の電話番号を入れたら、あ、自宅の固定電話ありますか」
ときた。
「いえ、ありません。今普通みなさん固定電話なんて持ってませんよね」と、思わず腹が立って言ってしまった。
「そうですよね」
とこのあたりから、少し低姿勢になってきた。
このままどうするんだ、と思っていると、あの見学の時のお姉さんがカウンターにやってきた時に、「これ、次の画面に行かないんだけど、なんでかわかる?」と、年下の従業員に聞いた。
そのお姉さんは私のスマホを確認をするが、わからないらしく「じゃあ、○○さんに聞いてきますね」と、その人が聞きに行った。
本当は、この人が聞きにいくべきだと思うけど。だって、このお姉さん自分の仕事は中断しているのだから。

お姉さんが帰ってくると、小さな声だったのでよく聞こえなかったが、(私への配慮だと思う)「○○の関係で受け付けないのかもしれません、と言うことでした」と言っているらしい。おそらく私のスマホはセキュリテイが厳しくなっているので、ということだと思った。(確かに私のスマホはセキュリテイを厳しくしている)

「じゃあ、こちらのパソコンで入力しますので」と、最初からそうすればいいのに、またしばらく待たされた。
その間、この女性は私が荷物が多かったので、「こちらにお荷物置いてください。よろしければ」と、別の椅子を差し出してくれた。
こういう人が、接客に向いてるんだよね。

その後クレジットカードの支払いの際に、金額の確認もなく「暗証番号を入れてください」と言われ、押したが「もし金額が聞いていたのと違ってたらどうするんだろう」と思っていたが確認したら、間違ってはいなかったので安心した。
でも、もちろん一言も言っていない。
ただ、お客はこんな不安を抱えながら手続きをしているんだよ、ということなんて、1ミリもわかってない。

その後、入会の説明などがあるが、こうなったら聞きたいことはなんでも聞いてやれ、という気分で、わからないことはバンバン質問した。
あーもう2度と会わなくていいように・・・と願いながら。

一応私は接客接遇の先生なので、(今は臨時的にしかやっていないが)その観点から彼らの接客を評価してみた。

このおじさんたち2人の接客の悪い点は、たった一つ。
「挨拶がない」ことだ。

「最初の挨拶がない」→いらっしゃいませ、お待ちしておりました等
「終わりの挨拶がない」→ありがとうございました、またお待ちしております等だ。

最初に「いらっしゃいませ」とか予約してジムの入会に来た人に「お待ちしておりました」くらい言えないのか?と思う。
この言葉があることで、私の彼らへの第一印象はぐんと上がったはずだ。
その後、多少「?」と思う対応があっても、最初と最後が良ければ、人はそこまで嫌な思いをすることはないのだ。

今や完全に常識は、若者の方が持っているんじゃないか、と思う。

もちろん、個人差があることはわかっているが、こうして立て続けにおじさん接客を受けて、同じような思いをさせられると、先ほどの「過渡期」という言葉が
浮かんでくる。結局は、経営側が中途半端なデジタル化をしている、いや、していないために、客が嫌な思いをするのだ。
これは経営者のミスだ。
今後は、接客レスを目指して、デジタル化をさらに進めていただきたい。
私の臨時的接遇研修の仕事が減っても、全然いいから進めていただきたい。
その代わりに、デジタル化の波に弾き飛ばされていく人たちが確実にいることもわかった気がした。

ただこの嫌な思いをしたことは、原因追及と問題解決、さらには私のnoteと予定されているある研修のネタになったことで、プラスマイナス0にした。
腹を立てて終わり、ではあまりにももったいない。
嬉しかろうが、腹を立てようが、悲しくて泣こうが、全てはネタに昇華する。
そのくらいの気持ちはあるので、今後も作家活動に励んでいきたい。笑


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