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人は幸せになるために生まれてきた


「人は幸せになるために生まれてきた」という言葉を聞いたことがないだろうか。
私は、どこで見たのか、誰から聞いたのかは覚えていないが、この言葉には馴染みがある。
だが、この言葉の意味を真剣に考えたことはなかったように思う。

そもそも自分が幸せかどうかは、普段人は考えていない。
おそらく、不幸な出来事が襲ってきた時に初めて「自分は不幸だ」と気づく。
失って初めて、幸せの存在を意識する。これが、人が幸せを意識するきっかけの一つだ。

また、生まれてくる環境を選べないので、本当は不幸な環境にいるのに、本当は嫌だけど、「これが普通なんだ」と思っていることがある。しかし、周囲と比較してみて初めて「あ、これは不幸なことなんだ」と気づく。これが二つ目の「幸せを意識する」きっかけだ。

つまり、生まれながらにずっと幸せな状態にいる人は、幸せを案外意識していないかもしれない。自分が幸せかどうかも考えたことがないかもしれない。それは、本当に幸せなことだ。

私はこの二つが合わさって、自分が幸せではない、ということに気づいた。

それは誰が見ても不幸な出来事が襲ってきたからだ。現実のこととは思えず、でも現実に起きていることで、どうしたらいいのかもわからず、ただ茫然と過ごしていた日々があった。生きているという感覚さえなかった。
その時点では「不幸だ」と思う余裕も、暇もなかったが、たまたま友達から電話がかかってきたりすることで、「ああ、他の人たちはこんな苦労をしていないのに、なんで私だけ・・・」と気づいたのを覚えている。

両親や家族に助けられて、やっと元気を取り戻していったが、思えばこの頃から父が私の顔を見ると、「今、幸せか」と聞くようになったのかもしれない。
その父も亡くなってしまったが、子供に「今、幸せか」と聞いてくれる親がいたことは、本当にありがたいし、その度に「果たして今私は幸せなんだろうか」と自分に問いかけることができていたように思う。

だからもし今「幸せじゃないかも」と思った人は、ぜひこの言葉を思い出してほしい。

幸せになっていいし、幸せになれるのだ。
ただ、気をつけないといけないのは、幸せだと思う価値観や基準がそれぞれで違うことだ。
人の幸せそうな姿を見て、「羨ましい」と思ったとしても、それは本当に欲しいものなのだろうかを考えてみるといいと思う。

家族に囲まれて、毎日笑って過ごせることが幸せだと思う人もいる。
仕事をバリバリやって、お金もたくさん稼ぐことが幸せな人もいる。
趣味に熱中して、そのために自分の生活は回っていればそれでいいという人もいる。

だからこそ、「幸せだと思う状態」を知る必要がある。

それは難しいことなのだろうか。
いや、思い出してみてほしい。
きっと、「あの時は幸せだった」「あの時は楽しかった」と思った瞬間があるはずだ。

なぜそう思ったのか。
誰と一緒だったのか。
何があればいいのか。
それを考えてみることで、答えが見つかるはずだ。

さらにもう一つ大事なことは、この幸せの価値観も変化するということを忘れないことだ。

私は、以前はバリバリと仕事をしてお金も稼ぐことが、幸せに欠かせないと思っていた。
しかし、コロナで強制ストップをかけられてから、徐々に考え方や価値観が変化した。

今は、いつもどこかに余裕を持ち続けながら、自分の本当に好きなことしかしないのが、幸せだと思うようになった。

そのために必要なお金は稼ごう。
そのために必要な時間も捻出しよう。
そのために自分が本当に好きなことは何かも知ろう。
でも、常に時間的、精神的余裕を持とう。

そんなふうに変化した。そして、今はそれができていれば幸せだと思える。
我慢も、無理をすることも今まではやってきたが、全て手放した。

幸せだと感じることもないが、不幸と思うこともない。
そんな日々が実は一番幸せなのかもしれない。

最後にあなたに聞いてみよう。
「あなたは今幸せですか」と。


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