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どうしたらオシャレを演出できるか

オシャレにみえるってどういうことなんだろう?

かつて働いていた日本企業のエンジニアの男性で、とってもオシャレな人がいました。ブルーのチェック柄のシャツを着る理系エンジニアが多い中、彼は独特の存在感を放っていました。背が高く、黒縁のセルフレームに、前髪は眉毛より上でパッツン、そして洗いざらしたコットンの白シャツ。

オシャレへのコンプレックスがある私は、彼にどうやったらそんな風にオシャレになれるのかを単刀直入に聞きました。「自分がオシャレかどうかは分からないけど」と謙虚に前置きしつつも、ロジカルに彼なりの考えを説明してくれました。それが非常に納得いくもので、それ以降、私が服を買う際の基準になりました。さすが東大卒のエンジニアです。

1. オシャレさんにみえる要素

記憶に残るアイコニックさがあると、それが個性になり、いわゆる「オシャレさん」に見えるのではないか、と3つの要素を提示してくれました。もちろん、全てのスタイルがこれに当てはまるわけではないと思いますが。

その1. 自分のアイコンになるような定番アイテムをみつける
その2. 遠目で見た時のアイコニックなシルエットを意識する
その3. 自分の体型を理解し、生かしたサイズ選びをすること

彼の場合は、黒いセルフレームのメガネとパッツン前髪をアイコンアイテムとし、背が高く細身の体型に合ったジャストサイズのシャツを着ていました。彼が服を選ぶときは、表示サイズだけでは判断しないそう。実際に着てみた感じが大切とのこと。
遠目に見たときでも、全体のシルエットに特徴が出るような服選びをすると、さらなるアイコニックさに繋がります。例えば、上はタイトに、下にボリュームを持たせる、とか。確かに、オシャレな人ってイラストにしたとき、特徴を出しやすい気がします。この彼も似顔絵書きやすそう。

その話を聞いてから、私は、ポッチャリした上半身を隠せるオーバーサイズのトップス、胸元開きめの襟元で、少しでも首周りをスッキリと。脚だけはふつうの人ぐらいの細さなので、ボトムスはタイトなものか、スカートを選んで脚を出すようになりました。
色味は黒や紺などの濃色をベースに、派手な単色のものを組み合わせています。柄物も好きですが、このルールを守るべく、無地が多くなりました。

あと、アイコニックなアイテムとして、ボトムスはイッセイ・ミヤケのPLEATS PLEASE、足元はナイキのエアリフトに。イッセイ・ミヤケは日本的なイメージが強くフランスでも人気。エアリフトは、フランス人から「そのニンンジャのスニーカーは日本のものか?」とよく話しかけられます。
今となっては、いつも派手なプリーツを着て、地下足袋のようなエアリフト履いてる人というアイコンを獲得しました。
オシャレになったといえる自信はありませんが、自分の好きなものが全面にでたキャラクターが出来上がったのではないかと思います。

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2. オシャレにみえる色とは

オシャレ=個性、ということを踏まえた上での話ですが、色で個性を出したいときは、オレンジ、緑、紫、のどれか、といっていたのは、前職の上司でした。見出し画像をみていただくと、その3色は、赤、黄色、青という安定感ある基本色から、色相環を45度ズラした色です。基本色とは対称的に、これらの色には違和感を覚えるそう。違和感があるものは人の印象に強く残りやすいので、キャラクターを持った色になるというのです。ちなみにこの本は、ヨハネス・イッテンの色彩論です。

あと、学生時代に作品の色選びに迷っていた時に、教授にいわれたことですが、「落ち着いたヨーロッパっぽいオシャレな感じにしたかったら、彩度は高く、明度は低い色にすると良い。明るい色を使うときでも彩度は保ったほうがパキッとする」という言葉。でも、今でもよく意識して仕事しています。まさか、日本で習った言葉を意識しながら、ヨーロッパでデザインするようになるとは…。
彩度は鮮やかさ、明度は明るさです。下の図はPCCSトーン表というものですが、縦軸が明度、右側にいくほど高彩度になり、右下のdpディープ周辺を、彩度は高く明度は低い色といいます。

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ここまでのお話、全て私が日本にいた頃に聞きかじったことなのですが、日本人はなんでも理論的に分析する能力に長けているのです。フランス人はとても感覚的で、仕事をしていても、なぜそれが良いのかという理由が「私が好きだから」ということがよくあります。

3. フランスで流行中の強烈カラー

さて、先日、我が家の電気メーターが交換になりました。今フランスではこの新しい機種にどんどん交換されていっているのです。レトロな情緒がなくなり、強い個性を放つ派手な黄緑に…。フランス語では、citron vert(ライムグリーン)。確かに教授がいう、ヨーロッパっぽい高彩度かもしれませんが、部屋で存在感を主張しまくっています。

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でも、気づいたらこの色、フランスの生活の中で、本当によく見かけるんですよね。大手スーパーのエコバッグや、プランターの定番色、そういえば、娘の三輪車もこの色を選んでしまっていました。こんな色が生活に自然に溶け込むフランスって、やっぱオシャレかも。

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※追記:私の仕事に関してや、美大生時代の記事も書いてみたので、ぜひ!



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