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【読書メモ】『ネイビーシールズ・リーダーズ・マニュアル』(ジョッコ・ウィリンク 著)

▶今回の書評本『ネイビーシールズ・リーダーズ・マニュアル』(ジョッコ・ウィリンク 著)

  • 『ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)・リーダーズ・マニュアル』

  • ジョッコ・ウィリンク 著

  • 東洋経済新報社

▶読書メモ

  • リーダーシップの6原則

    1. カバー・アンド・ムーブ(お互い助け合う)

      • チームワークそのもので、戦術の根幹

      • 足し算ではなく掛け算の力

      • これにより各々が持つ影響力や能力は指数関数的に増加する

      • 一方で、調和や協力がなければすべてはゼロになってしまう

    2. シンプルに

      • 目標はシンプルで明確でなければならない

      • 計画や命令は、万人が理解できるシンプル・明確・具体的な手法で、上から下に伝達されなければならない。

      • メンバーが目標、計画を理解できなかったら、それがきちんと実行されるわけはない。

    3. 優先順位を決めて実行する

      • リーダーやメンバーがあまりに多くのことをいっぺんに達成しようとすれば、逆に何も達成できなくなる

      • 最初に、一番影響力が大きいタスクや最も大きな問題に着手し、そこから順に、最終的にはすべてに対処していくのが正しい方法

    4. 全員がリードする

      • 権限の委譲

      • 指揮官の意図をいかにシンプルに明確に伝えられるか、各班のリーダーが「自分が判断を下していい」という自信をどれだけ持っているか(どれだけの権限が自分にあると感じているか)に左右される

      • チームの文化に根づいていなければならない

    5. 究極のオーナーシップ

      • 何か問題が起きたときに、一切言い訳をせず、誰も責めず、何のせいにもしない心的態度

      • 良いリーダーや良いチームは、問題が起きたとき、他者を責めたり言い訳したりする代わりに、「究極のオーナーシップ」を発揮して解決策を探し出し、実行する

      • 一方で、こうしたオーナーシップ感、責任感を持つことができなければ、問題はいつまでも解決せず、チームは向上しない

    6. バランス感覚のあるリーダーシップ

      • 適切なリーダーシップには、バランス感覚が欠かせない。

      • 例えば、リーダーは話さなくてはならないが、話過ぎれば部下は情報に圧倒される。逆にリーダーがあまりに話さないと、部下は情報の少なさに困ることになる。だから話す過ぎず、黙し過ぎないように、うまくバランスをとななくてはならない。

      • 他の例では、リーダーはアグレッシブでなければならないが、アグレッシブも度を過ぎれば不必要なリスクを招く。

  • 「成果」を通じて「信頼」を獲得する

  • リーダーシップに重要な資質

    • 自分の考えをシンプルで明確に表現する能力

    • 複雑な問題を分析し、単純で分りやすい概念に咀嚼する能力

    • 自信とカリスマ性
      →姿勢を顔つきに注意を払う

    • 大きな声を出せる資質

    • 人の心を読む能力
      →相手のボディランゲージや顔の表情、声のトーンにより多くの注意を払う

  • リーダーは真実を正直に話す。言いにくいことこそ先延ばしにしない。

  • 有能であれ。そして助けを求めよ。
    現場に足を運ぶ。

  • 信頼と人間関係を確立する
    信頼が無ければ人間関係は生まれない。メンバーの間に人間関係がなければ、それはチームではなく、人間関係の寄せ集めに過ぎない

    • 指揮系統の下に対して信頼と人間関係を築くときには、まず自分が信頼を与えなければならない。例えば、任務を率いること、決断を下すこと、監督無しで問題を解決することを彼らに任せ、信頼してみる

    • 指揮系統の上に対して信頼関係を結ぶときには、真実を話すこと(ただし不平・不満を述べるのとは別)、きちんと成果をあげること、もし上司に反対するときには十分戦術を練ること

  • 影響力と尊敬を獲得する

  • 部下の面倒を見る最善の方法は「規律」である

  • リーダーシップの基本的なルール

    1. 謙虚であれ
      リーダーの立場に就くのは光栄なこと。
      チームはリーダーが正しい判断を下すのを期待している。

    2. すべてを知っているように振る舞ってはいけない
      リーダーはすべてを知ってはいないし、チームはそれを知っている。賢明な質問をしよう。

    3. 耳を傾けよう
      助言を求め、それを心に留める

    4. 敬意をもって人を遇しよう
      階級に関わらず、全てのメンバーは人間であり、チームの中で重要な役目を果たしている。それを忘れずに人々と接する。
      部下を心にかける。そうすれば部下もあなたをこころにかけてくれる

    5. 失敗や過ちに責任を持とう

    6. 指揮系統の上の人間に対しても下の人間に対しても、成功を称えよう

    7. 精進せよ
      リーダーとして、チームの誰よりも労働せよ。
      自分に値しない仕事などないと思え。

    8. 一貫性をもて
      自分の言ったことを行い、自分の行うことを言え。
      指揮系統の上にも下にも、ごまかしを言ってはならない。

    9. バランスをとれ
      極端な行動や言動は、大抵良いことがない。

    10. 決断力を持て
      決断をする必要がある時には、それをせよ。

    11. 人間関係を築け
      リーダーとして目指すべき主たる目標である。
      チームとは互いに人間関係を信頼関係を持った人間の集まりであるべきだ。そうでなければ、チームは人間の寄せ集めに過ぎない

    12. 仕事をきちんと行うこと
      リーダーの存在意義はそこにある。
      任務の達成に向けてチームを率いること。任務が達成できなければ、リーダーとして失格である。
      重要なのは成果である。

▶感想

 「米海軍特殊部隊」という軍隊におけるリーダーシップという狭い範囲では全くなく、ビジネスパーソンにおけるリーダーシップの真理・核心を明確にシンプルに言い表した一読に値する書籍だと思います。
 また、著者のジョッコ・ウィリンク氏は、以下の『伝説の指揮官に学ぶ究極のリーダーシップ』という本の著者でもあり、こちらも合わせて読むと、より理解が深まると思います。

以上です。

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