【読書メモ】『60分でわかる! 心理的安全性 超入門』伊達 洋駆 (著)
▶今回の読書記録『60分でわかる! 心理的安全性 超入門』
『60分でわかる! 心理的安全性 超入門』
伊達 洋駆 (著)
技術評論社
▶感想
1テーマが見開き1ページで、フルカラーでコンパクトに分かりやすくまとめてあります。全部で68テーマありますが、分かりやすいのですいすい読めて理解が進むと思います。
特にパート6は、心理的安全性のマイナス面等にも触れているので、とても参考になりました。
▶読後メモ
心理的安全性の重要性
米ハーバード大学のエイミー・C・エドモンソン
Google 2012年から4年間「プロジェクト・アリストテレス」。効果的な職場の条件とは何か?
→①心理的安全性 ②相互信頼 ③構造と明確化 ④仕事の意味 ⑤影響度イノベーション=アイデア生成+アイデア実行(米ワシントン大学ベアー)
心理的安全性がもたらす8つの効果
学習行動の促進
職場での学びが増える。人は失敗やミスから多くを学ぶが、それを共有することは気が引ける。心理的安全性はそうした気持ちを緩和する。職場での情報共有の促進
職場において、自分が持っている情報を提供しやすくなる。その結果、情報共有が促される。パフォーマンスの向上
互いに切磋琢磨しながらイキイキと働くことができ、メンバーの仕事のパフォーマンスが上がる組織市民行動の促進
「こんな行動をすると問題になる」と言った不安が和らぎ、メンバーは指示されなくても、組織にとって有益な行動を取るようになる創造性の向上
メンバー同士でリラックスして話せるようになり、新しいアイデアが生まれやすくなるエンゲージメントの上昇
メンバーが仕事に熱心に取り組み、やりがいを感じることで、仕事をポジティブに捉えるようになる職務満足の向上
メンバー同士のコミュニケーションが活性化し、信頼関係が醸成され、メンバーの組織や職場、仕事に対する満足度が高まる省察をもたらす
自分の問題点に安心して向き合えるため、メンバーの自己内省をもたらし、問題解決につながる
マネージャーに求められる10の行動
インクルーシブ・リーダーシップ
メンバーから意見や要望を受け入れる変革型リーダーシップ
メンバーの見解を尊重し、動機づけるパラドキシカル・リーダーシップ
業務上の矛盾する要請に対し、それを両立させるサーバント・リーダーシップ
メンバーに寄り添い、自分の利益を顧みない謙虚なリーダーシップ
メンバーに助言を求めるなど、対等に接するLMX (Leader Member Exchange)理論
メンバーに働きかけ、メンバーとの関係の質を高める
LMXを高めるには、①称賛と助言、②目標設定、③期待
関係の質を高めるメンバーの態度は、①自己研鑽、②前向きな感情、③自己管理、④自責
(例)メンバーがよい仕事をしたときに褒める。メンバーが仕事で活躍することを期待する被信頼感
マネージャーから信頼されていると感じてもらう
(例)メンバーに重要性の高い仕事を任せる。意思決定の際にメンバーに意見を求める。文化的読解
文化的背景の違いが悪影響に陥いらないようにする倫理的リーダーシップ
メンバーに対して誠実かつ公正に振る舞うパワーとステータス
メンバーを統制するのではなく、尊敬を得て、愛着を持ってもらう。パワーを不必要に行使しない
メンバーに適切に仕事を与えて支援する
職務特性理論=①自律性(裁量の大きさ)、②相互依存性(仕事でのメンバー間の関わり)、③役割明確化(明確な役割)
デリゲーション(委譲)の4ステップ=①任せる仕事を考える、②任せるメンバーを考える、③メンバーに受け入れてもらう、④メンバーが完遂するまで待つ
積極性が低い人へのフォロー:①プロアクティブ・パーソナリティを支援する、②情緒安定性に配慮する、③学習目標志向性を高める、④自己意識を弱める
組織で安全な職場づくりを推進する
職場でできる心理的安全性
ピアサポートを文化にする
アジャイルに進める
チーム親近感を高める
集団感情をポジティブにする
タスク・コンフリクトを活用する
ゲームに取り組む
職場で自然に遊ぶ
仕事と家庭の相互作用を良好にする
組織全体で取り組むべき4つの要素
手続的校正:評価のプロセスを公正にするとリスクを受け入れやすく、意見をいいやすくなる
学習文化:失敗やミスが学習の素材とみなされ、リスクを受け入れやすくなる
CSR:組織はメンバの行動に責任ある対応をするはずと思えれば、組織に信頼感を抱きやすい
労使協力関係
心理的安全性を適切に活用する
心理的安全性のマイナス面
→「快適にさぼる」(仕事に対する意欲が低下する、発言や学習行動が弱まる、雑談が増え仕事を先延ばしする)ようになる。心理的安全性は集団主義の職場では相性が良いが、個人主義の職場とは相性が悪い。個人主義の職場では、まずは目標や価値観の共有から始める。
結果を重視しすぎる職場には逆効果
問題解決が必要な局面では非効率
多様な年齢層の職場は要注意
意思決定の局面では多様性が好影響
フィードバックで自信を強化する(効力感が発言力を高める)
以上です。
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