見出し画像

アーティストの明るい未来を願うなら、無許可のストリートライブは辞めてほしい。

どうも。
炭水化物をしばらく抜いてみたら、脳の働きが鈍くなった気がして、白米をドカ食いしてるガリバーです。
炭水化物抜くと頭悪くなるんですかね?ただの老化かな・・・。

さて。
「ストリートやろうと思うんですけど、いい場所知らないですか?」
「ストリートで人気の子がいるから紹介したい」
という声をかけてもらうことがちょくちょくあります。

これ、本当に色んな考え方があると思うんですけど、僕の考えはずっと変わらなくて、今まで答えてきたことをまとめて書いておこうと思います。

先に結論を言っておきますが「プロ意識があるならやらないでほしい」が僕の答えです。

今回はその理由をしっかり書いてみますね。
あくまでも個人の見解ですけど、ズバッというのが僕のチャームポイントなので、勘弁してください。
じゃ、いってみましょう!


■ストリートライブは違法行為

日本でのストリートライブは、道路交通法77条に抵触する恐れがあります。
警察の注意に従わない場合は、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科される可能性があります。
表現の自由に配慮して、警察も一発で逮捕するぞーとは言わないわけですね。

・・・って、そんなカタい話しても今さらアレなので、この辺のところ考えてみるといいかなと思います。

どこでやっていいの?君や君の友達の家の前とかで21時とかにガンガンにやっちゃうけどいいの?

公有地であれば自治体や警察(行政機関)、私有地であれば管理者(所有者)の許可が必要になります。
・・・とかの前に、うるせーバカって思うよね。赤ちゃん起きちゃうとか迷惑だよね。

人だかりができて障がい者、お年寄り、子連れの人の邪魔になったり、けが人が出るかもしれないけど、気にしなくていいいの?

人だかりができなくても、可能性あるよね。バリアフリーじゃないよね。

許可を取って出店してる路上販売や屋台がいる一方、無許可でお金稼ぎをしていいの?

投げ銭や物販って商売だよね。「歌いながらたこ焼き売るから無許可でOKでしょ」とは言えないよね。

「そんなこと散々言われてるからわかってらぁ!」と言われそうですが、おさらいってことで。


■ここは日本だから

海外だって何でもOKじゃないんですよね。

ストリートでも無許可でやっていいエリアや、投げ銭してOKの時間が指定されていたりします。
アメリカなんかでは、ストリートやお店でパフォーマンスをしていいパフォーマンス許可証やアーティストビザの申請制度もあります。

日本人が契約に疎いだけで、海外では申請→許可とか当たり前の手続きなんです。

日本は治安もいいしね。
中国でヤバい人に絡まれてゴッソリお金持っていかれたり、フィリピンでお客さんだと思ってた人たちに囲まれて襲われそうになったり、なんてよく聞く話です。

「表現の自由」とか「海外は認められるのに」という言葉もよく耳にしますが、無条件・無責任で得られる自由は存在しません。
それにここは日本です。大前提として日本の法律を守りましょう。

日本でも、柏とか川崎とかアーティストに優しい街も沢山あって、私有地でもちゃんと申請したらいい場所でオフィシャルで歌えるところはいっぱいあります。
東京ではヘブンアーティスト制度もあるし、そういうのを活用したらいいと思います。


■ストリートに代わる活動のしかた

ストリートをやることの目的やメリットは、
・”ストリートアーティスト好き”の層に響く
・無料で新規ファンを獲得できる
・ノルマやストレス無しでライブできる
・近い界隈のアーティストと出会える
などあるかとは思います。

これまではストリートでなければそういったメリットを獲得できなかったけど、今はYoutubeとかSNSでやれるようになったので、今はそれを活用する時代だと思います。

ちなみに、ゆずやコブクロなどストリートから有名になったアーティストは、今ほど規制がキツくない時代だったり、当時流行のそうするしかなかったからそうしていただけで、今とは事情が違いますよね。(それに彼らにはそれだけじゃない戦略や売り出し方の根回しもしっかりしていた。)


■ストリートアーティストとプロ意識

僕は、ストリートアーティストとプロのアーティストは別のジャンルだと考えているし、人に説明するときもそう言っています。
どっちが上とか、良い悪いとかじゃなくて、提供するサービスが違うのです。

ストリートアーティスト◀◀ファンからの応援
プロアーティスト▶▶ファンへサービス提供+クライアントへメリット提供

この違いはめちゃくちゃ重要です。
プロとして仕事をするということは、お金をいただくわけです。
そのお金って、誰が出してるの?という話ですね。
応援されることはもちろん大事だし、それを上回るファンへのサービス(作品・ライブ・交流)と、お金を出してくれている企業などのクライアントに対してもサービス(利益・集客・認知UP)を提供するのがプロです。

その人にお金を払う価値がどれだけあるか

ストリートアーティストでもSNSでのフォロワーやファンの数が圧倒的に優れている人もいると思います。それは上記のメリットを満たすのであれば、プロレベルに価値があることです。
一方で、その人の評価が有名曲のカバーなどで成り立っているとしたら、よほど奇抜なカバーでない限り、原作者の価値を超えることはありません。
つまり、オリジナル曲や独自のタレント性など、その人自体が生み出した価値がなければ、その人の真の価値とはいえないのです。
特に、二次創作物(カバーやマッシュアップなど)がその人の強みである場合は、権利処理も面倒なので、いくら数字を持っていてもクライアントからは敬遠されます。

社会人として信頼できるか

上記のことを踏まえたうえで、その人にお金を預けるからには信頼できなければいけません。
当日ちゃんとくるのか、約束通りやってくれるのか、そうじゃないときの責任は誰が負うのか、など明確に約束できるのがプロ。
逆に、「細かいことは置いておいて、とにかくパーッとやってよ!」「チャンスをあげるから頑張りなよ!」というスタンスの人からは、ストリートアーティストの方が好まれます。

僕はストリートライブをしたことは、チャリティで誘われた時以外、一度もありません。
・許可申請してしかるべきところで活動をおこなう
・ショッピングモールや催事などに出演交渉する
・ライブハウスやカフェでの定期イベントに出演する
・配信やSNSをしっかりやる
この4つをしっかりコツコツやっていき、規模を拡大するための努力をしていけば、どんなフィールドでも通用するアーティストになれるんじゃないかと思います。


■それなのにやりたい人が絶えない理由

これはもうマインドコントロールに近いと思うんですよね。
誰でもできることだし、やってるつもりになれるし、そこそこ反応も得られるし、成功してる人もたくさんいるし。

でもね、成功してる人たちは、ストリートをやってるだけじゃなくて、オーディションを受けたり、人の紹介とかで色んな所に足を運んだり、オリジナル曲を100曲くらい持ってたり、そういうことをしてるんですね。最近だと動画や配信なんかを頑張ってたりも含むかな。手数がスゴい。

沢山の人がいる場所でやりたいのなら、まずは商業施設でやるべきです。
そのアポをとったり、予算交渉したり、資料を作ったり、打ち合わせしたり、当日の物販の売上を最大化したり、そういうことの場数を一刻も早く積み始めた方がいい。社会勉強としても。

Aで積んだ経験を実績に、Bの仕事を取り、ABの実績を合わせてCの仕事を取る。そういう活動をするから、来年、再来年と活動のステップが上がっていくんです。

プロを目指しているのに、去年と同じ場所にいる、同じようなことをしている、と感じたら、まずはイージーなところから脱却して、「え、おまえそんなちゃんとしたことやってるの?ナメててごめんな!」って言われるような活動をしていきましょう。

逆に、ストリートが好きで、プロとかじゃなくて音楽を楽しんでいきたいという人のことは、僕は否定も肯定もしません。


■さいごに

ストリートアーティストに対する個人的な見解を書かせてもらいましたが、どうでしょうか?

んー・・・なんか否定的なことばかり書いてしまったけど、本当に正直なところ、アーティストの社会的な地位を下げているのは、無許可のストリートアーティストだと思っています。

ごめんなさいね・・・本当に。

でも、本気でアーティストが生きやすい世の中にしたいから、しっかり考えてほしいんです。

実際、公共の場でイベントをやる時なんかにちょっと音を使うだけで、ものすごく沢山の人のご理解やご協力をいただきながら場が成り立ってるんですよ。

知ってますか?
お祭りひとつやるのに、何か月も前から警察や消防や役所に申請を出して、マンション住民に騒音の説明をして、商店会に音楽の必要性の説明をして、音響のためのスタッフを手配して、規模によっては警備の手配もして・・・。

僕が手がける企画でもそうだし、出演させていただくときも、そういう何十、何百の人の協力のもとにステージが成り立っているんです。

そういう場を成立させるにも、ロビー活動みたいなもんで、地域のご協力を得やすくする日ごろのイメージが大切なんです。

自分の表現の自由のために好き勝手やっておいて、「外で自由に活動できないなんておかしい!」なんてスタンスでいられたら、「あぁ、あのストリートでジャカジャカやってるようなパフォーマンスね。NGで。」って言われてドンドン場が減っていってしまうんです。

ストリートを楽しみにしているお客さん。
あなたにとって感動的な歌だとしても、気分や体調が悪い人にとっては騒音かもしれない。立ち止まることが何かの妨げになるかもしれない。閉鎖的な空間でお金を払って鑑賞するライブとは違うということを知ってもらいたいです。

あ、もちろん、許可を得た場でのストリートや、風土として根付いているものは素晴らしいと思うので、それは大賛成ですよ。念のため。

やればいいことをやらない。
やるべきことができない。

そんな責任感のない人は、支えられたり、応援されているありがたみより、自分本位な気持ちが勝っているように感じてしまいます。

これを読んで気分を悪くするアーティストの方もいるかもしれない。
薄々感じていたけど、これを機に考えを変えてくれる人もいるかもしれない。

僕にできることは、本気の人には、それをしなくても必ず成果を出せる活動があるとお伝えすることと、その場を提供することです。

下記のイベントは僕が音楽企画・キャスティングさせていただくイベントの一つです。よろしければ遊びに来てください。(ぜひお話ししましょう。)

今年中にはアーティストのキャリア支援を含んだ養成所もスタートする予定です。
やるからには、全力で本質的なことにトライしていきます。
引き続きよろしくお願いいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国際me-byoフェスタ2019 キャンプラグド vol.2
https://www.biotopia.jp/mebyofes/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日程:2019年10月26日(土)~10月27日(日)
開催場所:me-byo valley BIOTOPIA -未病バレー ビオトピア
アクセス:神奈川県足柄上郡大井町山田300(都内から最短55分)
主催:株式会社ブルックスホールディングス
共催:神奈川県/大井町
【ライブ】
ハジ→
Salley
Unlimited tone
VOG
kukatachii
BÖNSAI
エリック・ジェイコブセン
missato

【ペインター】
Myu2.
【MC】
なつき
KYOHEY


【ガリバー宇田川】
メジャーデビュー経験のあるシンガー。
アーティスト活用の専門家で日本アーティスト協会代表理事。
▶︎HP
https://udagulliver.themedia.jp/
▶︎Twitter
https://mobile.twitter.com/UDAGULLIVER
▶︎Instagram
https://www.instagram.com/udagulliver/
▶︎日本アーティスト協会
http://jaa.strikingly.com
▶お問合せ・ご依頼はこちらから
https://goo.gl/forms/HvI3q3NxggB3Bfeq2
▶マンツーマンのメンタリング、ボイトレはこちらから
https://udagulliver.themedia.jp/pages/833524/menu

投げ銭を頂けると一層活動のモチベーションが上がります! 音楽や文筆の創作資金としてご支援をお願いいたします★