どん底の僕がたどり着いた、1歩を踏み出す最後の手段

動けない。身体が鉛のようだ。いや、鉛なのかもしれない。脳は汚泥のように、ドロドロと思考を阻む。

やるべきことは山積している。掃除、洗濯、買い物、多くの人が毎日何気なくやることだ。
しかし、今の僕が何もする気にならないのは、インフルエンザが原因じゃないことは解っている。

ネガティブな出来事はなぜか重なり、目の前には壁が立ちはだかる

先週はとにかく盛り沢山だった。
仕事関連の大型イベントが2件。その後、社内で1番売上をあげているスタッフの退職がほぼ決定的に。翌日には自分のインフルエンザが発覚、仕事に穴をあける始末。

今まで、厄年には何の災難もなかったが、いよいよ今回は酷い。人生何とかトラブルを切り抜けすり抜け生きて来たが、それは運でもタイミングでもなかったのだろう。小さな組織だ、彼が去れば、消滅も免れない。
タイムリミットが設定された自分に、最早打開策が浮かばないのだ。

ちなみに、弊組織のボスに非はないと僕は思っていることを、ボスの名誉のために述べておく。ボスは全プロジェクトの進捗を日々把握し、彼にも、力になれることは分担するよう度々促していた。仕事の属人化は、ボスが最も嫌っていたことだ。
僕に言わせれば、彼はボスが差し伸べた手を振り払いつつ、勝手に自滅していったようにしか見えない。退職などふざけるな、それでも管理職か、と殴りたい気分だ。そもそも、もっと分担を買って出なかった僕にも反省点は大いにあるのだが。

とにかく、寄りかかって生きて来たことが露呈した。「これ」という自分のウリもない。アラフォーという、自分には程遠かった世界に足を突っ込んだが、未だに世の中を独りで泳いでいける自信も武器もない。

ベッドに潜ったまま、目的もなくSNSを漂う。楽しそうな友人、可愛い猫の動画、雪の北海道…答えなどないwebの大海を、当て所なく彷徨う。

出勤停止が解けた後は、怒涛の日々が待っている。毎日の外勤、退職するであろう仲間にどう接し、何を話すか、新年度の動きの構築、求人記事作成…

何もできなくとも、何かしなければいけない。できることを、できるだけのことをしなければならないのだ。
その先に、もう何もないかもしれないのに。

どんな手を使ってでもこの海底から浮上したい

そう考えたときに、もう腹が立って来た。

僕なんて社会人ヒエラルキーの、底辺の1番下だ。同年代の友達は、せめてもう少し低くないレベルの場所で悩んでいるであろうというのに、自分はなんとつまらない人間なのか。

生きている価値すらないじゃないか。


それならそう、失うものもないのだ。
まず、配偶者と子どもがいないのが大きい。ばら撒くほどの金は持っていないが、幸い借金がない。しばらく家賃を払いながら、親の持ち家に住ませてもらえる(本当に頭が上がらない)。

やるべきことを、やってみたいと思った。

たぶん今まで、ものすごく甘えて生きて来たから。頑張っている人に寄りかかり、会社にぶら下がり、「何とかなる」が実現して来たのは、紛れもなく誰かのおかげ。

自分にできることはない。それは変わらない。でも、何かしなければならない。この鉛のような身体を、どうにか動かさなければ。

自分の意思で。

「こういう生き方はしたくない」という指標も大事

唇を噛み締めつつ、Twitterを開いた。僕と歳の頃が同じ、ある人物のアカウントを眺める。昔の友達だ。今はもう連絡を取り合うこともない。
元々愚痴の多い男だった。僕よりも厭世観の強い人間の吐く言葉は、本当につまらない。スロットで負けただの、仕事に遅刻しただの、飲み過ぎただの、懸賞のリツイートばかりが連続したり…

何これ。なんてつまらない人生だ。

そうだ、僕はこうなりたくないのだ。
ちゃんと自分で立って、意思を持たなければならない。もっと強くなければならない。

本当に嫌な人間だと思うが、そうでもしないと、自分を保てない時がある。現に、この人物の生き様を見て、今日初めて、起き上がれたのだ。

一時的になら、心の中で誰かを見下してもいい。
その本人に罵声を浴びせるわけでも、誰かに嫌悪感を与えることもない。誰にも迷惑をかけていないのだから。

高いところに目標を置くと、自分との差に愕然とする
身近なライバルを超えていけ

昨今、自分を確立しているインフルエンサーが大量に存在する。数え切れないほど乱立するオンラインサロンの名称や目的には、戦略会議、イノベーション、楽しく生きる…眩い言葉が並ぶ。
どれも、ある程度の波に乗っている人じゃないとついていけないだろうな、と思ってしまう、後ろ向きな自分がいる。

そういう時は、敢えて見上げることをやめてもいいのではないか。何なら、こんな汚いモチベーションの上げ方をしている僕を、好きなだけ見下せばいい。

こんなやり方でやる気を出すなんて、相手に失礼だ!
自分は自分に鞭打って、どんどんモチベーションを高めてくんだ!
下を見るなんて向上心がないクズだ、自分は上しか見ない!

現状から1mmでも動けるなら、最初はどんなやり方だっていい。やる気の出し方にルールなんてない。常識を定めてしまって動き出せないなら、常識なんか踏みつけろ。誰かを踏み台にしていいから、汚い自分を曝け出して、声を出せ。

「こんなつまんない人間になんかなりたくねぇ!!」

それは早かれ遅かれ、自分に対する叫びになるだろう。最終的にライバルを自分に置き換え、自分の殻をどんどん破れるようにさえなっていけばいい。

どんな手を使ってでも、とにかく1歩を踏み出せ。話はそこからだ。

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