junkouchizawa

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最近の記事

罪と治療の間で 追加

先ほどの投稿で書ききれなかったことを追補します。 まず。警察が加害者に治療を働きかけたときに、行きたがらない加害者の方が多数であるという問題。警察官の方々が色々工夫して働きかけをしていらっしゃるのかもしれませんが、そもそもの立場的に加害者が素直に従いにくいことは容易に想像できます。もしこの働きかけをしかるべき訓練を受けたカウンセラーが行ったら、治療を受けたいと思う加害者は増えると思うのです。 実際に私のケースでは拙著にも書きましたが勾留中の加害者に小早川生が公判前に二十分

    • 「罰」と「治療」の間で

      2019年に出版された『ストーキングの現状と対策』(成文堂)に、 逗子ストーカー事件遺族である芝多修一氏が 「被害者救済の総合対策」を寄稿されています。 芝多氏は、被害者遺族の立場からストーカー加害者への治療の必要性を 訴えていらっしゃいます。逗子ストーカー事件は、警察の手続きミスや不手際があったことは当時も報道されたように記憶しています。芝多氏はもし警察のミスがなく連携もうまくいっていたとしても、加害者の凶行をくい止めることはできなかったのではと考え、被害者を守るためには何

      • 再犯防止としての治療

        自助グループに興味を持つに至った二つ目の経緯を書こうと思います。 加害者の治療について調べていたからです。 ストーカーは特定の対象者への付き纏いを繰り返します。 本人の意思では止められなくなる段階に達した場合には 治療が必要になります。 意思では止められずに繰り返してしまうのですから 行動依存のひとつと捉えられます。 実際にストーカーの治療法の一つである条件反射制御法は 元々薬物依存の治療として開発され アルコール依存、ギャンブル依存、クレプトマニア(窃盗)や 痴漢など性犯

        • ストーカー被害の後遺症(続

          ストーカー被害に遭った後、どんな症状に悩まされるのか 私の場合ですが、書いてみようと思います。 今はもうないですが、恐怖が強く残っていた初期には尾行されている、見張られているのではと疑心暗鬼になる。 対人恐怖。人に会うのが怖い。新しい人と仲良くなるのが怖い。 一度人を暴発させてしまったので、今自分に優しい人も豹変するのではないかと 怖くなる。これは今も残っています。 事件のことを思い出すのも難しいです。いや、事件の体験を書いたじゃないかと言われそうですが、単行本を書いた

        罪と治療の間で 追加

          ストーカー被害の後遺症

          連続投稿失礼します。 著書を読んでくださったストーカー被害者から時々メッセージをいただきます。 時間がある時には少しやりとりすることもあります。 加害者からのメッセージを転送してくださった方もいます。今年に入ってからのことです。 恐怖に引きずられてしまうかと身構えたのですが、そうではなく、 むしろそのメッセージから怖さは感じられなかったのです。驚きました。我ながら。回復しているのだなと妙な感慨がありました。 嫌な感じだけどパニックになる程だろうかと思えました。そういえば

          ストーカー被害の後遺症

          講演のお知らせ

          11月22日に佐賀県男女共同参画センターで 講演させていただきます。 被害体験やストーカー規制法など被害者を守る制度についてなど お話しさせていただきます。 小早川明子先生とのトークセッションもございます。 お近くの方、ストーカー被害と対策についてご興味のある方、どうぞご参加ください。遠方の方、オンラインでの視聴も申し込めるようです。 https://www.avance.or.jp/dvsougou/_2798/_3029.html

          講演のお知らせ

          ストーカー関連記事紹介/別れ方のコツ

          先日朝イチで特集された内容が記事にまとまっています。 付き合っている相手をストーカーにしないための 別れ方について 細かく書いてありますので、今交際中の相手がいる人で、別れを検討している人は ご一読されると良いのでこちらに貼っておきます。 一年くらいは閲覧できるそうです。 別れるときが危ない!交際相手をストーカーにしないために | NHK | WEB特集 | 事件 私もそうでしたが、一度拗らせてしまうと本当に後戻りできません。 本当にあっという間に元の生活に戻れなくなる事

          ストーカー関連記事紹介/別れ方のコツ

          ストーカーへのGPSタグ装着について

          韓国のGPSタグ装着制度の来歴がこちらにまとまっていました。 https://www.sankei.com/article/20170817-SXJ4TVIOJBKAHDQR4H427TQQCA/3/ 一定の効果と実績を経て、ストーカーへと適用範囲が拡大されたことがわかります。 ただ、こちらの記事にもあるように https://jp.reuters.com/article/uk-migrants-idJPKBN2SR09J GPSのタグ装着は、「信じられないほど尊厳

          ストーカーへのGPSタグ装着について

          韓国のストーカー処罰法 メモ

          BTS(防弾少年団)のVにストーカー行為をした疑いがもたれている一般女性が検挙されました。 以下はニュースサイトhttps://news.yahoo.co.jp/articles/0250ab41cea6144f796febebe00441dc4f8da39cより抜粋です。 ——————————————————————— 10月27日、ソウル江南(カンナム)警察署がBTS(防弾少年団)のVにストーカー行為をした疑いのある一般女性A氏を検挙。ストーキング処罰法違反の疑いで

          韓国のストーカー処罰法 メモ

          京都府警の先進的なストーカー対策

          NHK京都の記事です。 取材に協力させていただきました。 詳しくないのでわからないのですが一週間くらいで消えてしまうかもしれないようです。 ストーカー対策では全国トップと言っても良いのではないかという先進的な取り組みをしている京都府。相談支援センターには京都以外の自治体に居住する当事者からの相談電話もかかってくると聞いています。記事が消えてしまうことを想定して重要な指摘や情報などを抜粋共有させていただきます。 記事では元加害者がカウンセリングを受診して立ち直った体験を話

          京都府警の先進的なストーカー対策

          博多駅前ストーカー殺害事件で分かったこと

          内澤旬子と申します。ノンフィクションやエッセイを書いています。 ストーカー被害に遭ったことをきっかけに、被害者が守られるため、救われるための法整備、制度について考えるようになりました。自分の体験については『ストーカーとの七〇〇日戦争』(文春文庫)にまとめてあります。 博多駅前で起きたストーカー殺人事件について。 新聞報道で明らかになったことなどを元に、 加害者治療を義務化してほしい理由を書きました。 多くの方に読んでいただくことを願っております。 2月2日付の読売新聞の記

          博多駅前ストーカー殺害事件で分かったこと