ストーカーへのGPSタグ装着について
韓国のGPSタグ装着制度の来歴がこちらにまとまっていました。
https://www.sankei.com/article/20170817-SXJ4TVIOJBKAHDQR4H427TQQCA/3/
一定の効果と実績を経て、ストーカーへと適用範囲が拡大されたことがわかります。
ただ、こちらの記事にもあるように
https://jp.reuters.com/article/uk-migrants-idJPKBN2SR09J
GPSのタグ装着は、「信じられないほど尊厳を傷つけられる」
ことに注意しなければと思っています。
被害者としては、自分に向かってくる加害者をどうにかしてとどめたい、
とりあえず安心したいという気持ちは強くあり、
GPS装置の装着期間中は安心を得られることは確かでしょう。
私も被害を受けている最中であったら、加害者にGPSタグ装着できるとなったらお願いすると思います。
ただし、装置をつけることで加害者の行動を制限することはできても、
被害者への気持ちが変わるわけではありません。
むしろ屈辱を受け、尊厳を傷つけられることから
長期的には被害者への恨みを拗らせ
さらに増大させていく可能性を考えてしまいます。
また知能の高い加害者であれば、前掲の記事に出てくる凶悪犯のように装置を壊すなどして犯行に及ぶ可能性もありますし、装着期間が終了してから犯行に及ぶことも考えられます。
これから韓国で施行し、ストーカーへ装着した後の再犯率や凶悪化の有無などデータが出てきたらまた考えも変わるかもしれません。今はあれこれ予想しているに過ぎないのですが。
現時点での私の考えは、ストーカーへのGPSタグは対症療法であって根本解決ではない。
結局のところはストーカーが抱える被害者への歪んだ執着を消失させることでしか被害者の真の安心安全は得られないと思っています。
そのために必要なのは、医療です。
日本でもカルロス・ゴーンの逃亡事件を受けて、保釈中の刑事被告人の国外逃亡を防止するため、GPSタグ装着を可能にする改正刑事訴訟法が、2023年5月に成立しています。
https://sp.m.jiji.com/article/show/2941201
いずれ他の犯罪者にもGPSタグ装着が適用される日が来るのかもしれません。
もしこの先ストーカーへの装着が検討されることになったとしても、装着して解決!ではなく、同時にカウンセリングや治療を併用していただければと願っておりますし、治療法のさらなる進化発展も切に願っています。
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