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短歌まとめ2024年5月

五月もあっという間に過ぎました。
今年は白い花がどれも勢いがあって印象的でした。
ニセアカシア、エゴノキ、ヤマボウシ、ハクウンボク。
いい季節です。

地球から年に38ミリも離れていってるんだって月

ここにあるほらあちらにも咲いている奥へ奥へとカタクリの道

みどりの日天気もいいしぶらぶらとフラペチーノは抹茶にするか

子はおらず柱の傷はネコのものマンションの部屋端午の節句

いつの日か我も忘れてしまうのかこの花の名と思い出さえも

父ちゃんがケンと鳴く間にフキの葉にさっと隠れしキジの母と子

痩せギツネ尻尾は地面すれすれに高速道路脇へと消えた

町蔵が断酒 泉谷おじいちゃん 想定外の未来は愉快

ぴったりな僕達たまにズレるよねトイレの紙のミシン目のよに

ガラガラと壁をも揺らす音立てて美女が個室で便所紙引く

丸められ安売りされて引き出され尻を拭かされ水に流され

飼い猫に手を噛まれたよおい猫よお前の牙は「犬歯」らしいぞ

をやゆびの骨が曲がってゐるやうだ外反母趾の形状記憶

グラウンド耳を疑うダンス曲なんだっけこれ?あ、嶋大輔

寅子さま未来に生きるわたしたちまだ言われます子を産め 産めと

文中の「こちょばしい」との表現に同郷かもと嬉しもちょこし

ぴんと立つふわふわ尻尾さっと持ちお尻拭くヒト拭かれるトイプー

運動会終えて戦士の休息か職員室に灯りなき夜

明け方の夢のかたちを追いかけて硬いオムレツ焼きすぎたパン

コンビニの上に浮かびし富士隠す幕を撮るためまたひとの来る

満開のニセアカシアの花の下思い浮かぶは天ぷらのこと

身を覆う布地あまりに小さくて何と闘う女子アスリート

朝市の掘りたて蕪を半月に切りてさくりと前歯のかたち

トレランの若き二人は飛ぶようにエゾハルゼミの合唱の中

ハリエンジュ次はエゴノキヤマボウシ木々は渡すや白花バトン

この辺でホーホケホケと鳴いてたがおーいウグイス引っ越したのか

滝雲のごとく流れる花房よハクウンボクは白き雲の木


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