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なにぬねのねこ短歌50首

なにぬねのねこ短歌について

「折句(おりく)」は、和歌や俳句などで各句のうえに一文字ずつおいてよむものだそうです。
これを「なにぬねの」でやってみようと思ったところ、最初に浮かんだのが

鍋の中 二匹の猫は ぬくぬくと ねじれの位置で のんびり昼寝

でした。やってみるとな行の言葉は、「にゃー」「にくきゅう」「ぬくぬく」「寝る」「伸び」「のらねこ」など、なぜか猫に関する言葉が多い。

それならば…と、「なにぬねの」で「ねこ」に関係のある短歌を、と、自分に対するハードルを上げてみたところ、これが思いのほか楽しくて、「なにぬねのねこ短歌」として、なんとか50首つくることができました。

ではでは、よろしければぜひお目を通して下さい。
お気に召したら幸いですにゃー。


なにぬねのねこ短歌50首(既出5首を含みます)


鍋の中 二匹の猫は ぬくぬくと ねじれの位置で のんびり昼寝

なあ遊べ にんげん遊べ ぬけぬけと 猫の要求 ノンストップだ

ごろも にわかにがばと 脱ぎ捨てて 猫の背中に 残る冬毛よ

なんでだろ にゃんこはいつも ぬくそうに 寝てる体を 伸ばし丸めて

名前書き 入学準備 縫い仕事 ねえねこのえの のーとがいいな

仲良しの にゃんこ二匹が 濡れ縁で 寝しおそろいの ノミ取り首輪

なぜ我に 肉球あてる ぬぺぬぺと 寝ているおでこ ノックするよに

でたいが 逃げられそっと 盗み見る ねこよお前は 野良に生きるか

長靴は にちゃにちゃ道も 濡れないが 猫は足先 伸ばしてビビビ

なつかしや 肉や魚を 盗む猫 ねえさんサザエ 野良猫を追う

何事か にゃごにゃごにゃごと ぬしたちが 猫語を交わす 野良猫会議

納豆は 苦手なようだ ぬるぬるで 猫は立ち去る のけぞりながら

なぜここに 肉球のよな 塗り残し 猫去りしのち 残るあしあと

名を呼べば にゃーとこたえる ぬいぐるみ 眠たくなれば 喉をゴロゴロ

なぜ寝坊 二度寝記録を 塗り替えた 猫めしかっ込み 飲まず家出る

長々と にゃんこ伸びする ぬったりと 猫餅のごと 海苔かきな粉か

なかんずく 煮干しがよろし 盗むなら ねずみなんぞはノーサンキューよ

なんとまだ 二十代だよ ヌートバー 猫のおひげか 海苔かその頬

何気なく にじり寄りのち 抜かりなく ねこ鍋に入り 「の」の字になりぬ

ナツメグの 匂いひき肉 ぬちぬちと ねえハンバーグ ノン猫はだめ

何もせず 日常の自分 脱ぐ旅へ 猫は行かずに 脳内旅行

長ズボン 庭で水撒き 濡れた裾 猫がすりすり のっそり抜け毛

夏休み 二匹の猫は ぬくぬくの 寝床抜け出し 野良の真似事

ナムチェでは 庭をキャラバン ぬかる道 ネパールの猫 望むヒマラヤ

夏の陽を 煮詰めし花弁 ぬうと立つ 猫の見上げる ノウゼンカズラ

なぜかしら 日本語野ねずみ 濡れねずみ ねこは濡れない 野良は猫だけ 

夏休み 二階窓から 抜け出して 猫追う日々よ 残る宿題

泣きぼくろ 似合うハチワレ 抜けぬヒゲ 猫の柄には ノーマルは無し

夏酷暑 西日の熱波 抜かりなく ねこさんだいぶ 伸びきってます

何だこりゃ ニャンとびっくり ヌートリア ねずみの仲間 ノー近寄るな

長い夜 にんげんどもは ぬくぬくと 寝てる僕らは 野原に集う

ないしょだよ にじむ景色と 濡れた頬 ねこは黙って のそりと座る

ナナカマド 庭に朱き葉 脱ぎ散らし 猫よそこでの のぐそはやめろ

何故かパン 二枚もバター 塗りながら 猫舌なのと 飲まない紅茶

長月の 日曜の空 抜けるよう ネコジャラシ揺れ 野に秋を呼ぶ

ナイトメア にじり寄る闇 ぬばたまの 猫は黒猫 野に月もなく

流れ星 にわか浮かばぬ ぬぬぬぬぬ 願い事そうね のんびり猫と

なんて美味 煮干しカリカリ 濡れフード ねえカツオブシ海苔も好きだよ

納戸から にゃーと鳴く声 抜き足で 猫がおるかと 覗く秋の日

なぜ俺を 煮えくり返る 濡れぎぬに 猫には猫の 脳下垂体

中で待つ 煮込みおでんの ぬくもりよ 猫いる路地の 暖簾のれんをくぐる

鳴き声で にらみ効かせて 抜く刀 ねえそのゴハン 残すならくれ

鍋出して 煮込みしポトフ ぬくい湯気 猫のいる窓 ノエルの飾り

なんとなく 匂いが似てる 濡れ猫と 年中着てる のびたセーター

名ばかりの 煮しめおせちで ぬる燗を 猫をいだきて 飲む外は雪

何気ない 日常が好き ぬこという ねこの呼び名の のどけき午後よ

眺むれば 鈍色にびいろの空 濡れ雪に 猫の足あと 納沙布岬

ナマコ ウニ ニシン カズノコ ぬぬイクラ 猫の分など 残りませんわ

なごやかに にじり寄られし ぬくもりよ ねえ何してる 覗き込む猫

何度でも 逃げろピンチを 抜け出して ネコ型ロボは のび太の味方

なにぬねの にわか仕込みの ヌンチャクか 猫が顔出す 呑気な短歌

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