見出し画像

和牛放牧を活用した農場

島根県仁多郡奥出雲町は、風土記が書かれた時代から良質な米を産出していた米どころです。

画像1

いまでも美しい棚田風景が形成されていて、美味しいお米"仁多米"が作られています。

この棚田風景は自然にできたものではありません。奥出雲町にはかつて たたら製鉄 と呼ばれる製鉄術があり、たたら製鉄から産み出される玉鋼は軟性の鉄として美しい日本刀を作る唯一の素材です。
技術の進んだ現代においてすら玉鋼を作り出せる製鉄方法はたたら製鉄だけであり、世界で唯一たたら製鉄が操業されているのが奥出雲町です。

しかしこのたたら製鉄は山を削り木を焼く必要があるためどうしても死の山を作ってしまいます。奥出雲の先人たちはこの山を生き返らせるためにたたら製鉄で削られた山に牛を放牧し、土を肥やし、広大な棚田風景を作りました。
733年出雲国風土記が作り上げられているときからの米所はこうして作られたのです。

画像2


そんな天平時代から続く米所で行われてきた和牛放牧による農耕を今の時代に復活させ、奥出雲町で唯一、昔からこの土地に伝わるやり方を守った野菜を4年前から栽培しています。


画像3


画像4


和牛放牧をすることで
・耕作放棄地でも生産農地に早くできる
・休耕中の畑の雑草管理から解放される
・牛が歩くことで土が平らになり、混ぜ返される
・畜産農家は餌代を浮かせられる
・地域の人が牛とふれあうことが楽しみになる
・観光客が楽しめる
・野菜の調整残査を牛が食べてくれることでSDGsやGAPに対応できる

画像5

農業も専業化の時代、野菜農家だけでは実現できず、地域の畜産農家さんと一緒にやれるからできる取り組みです。

野菜農家も楽になり、畜産農家も餌代負担が減り、農薬や化学肥料を減らせることで環境の持続可能な農業を実現でき、お客さまも喜ぶ美味しい野菜ができる。
まさに四方良しの農業をおこなっています。

※最新の分析器で調べると苦味雑味・渋味刺激が少ないニンジンができたり、キャベツなどでは発ガン性のある硝酸態窒素が全国平均の1/6程度に抑えられるという利点がわかってきました。

画像6
画像7


和牛の放牧を活用した野菜は「うちの子も夢中です」というブランドで島根県内を初め、東京、神奈川、千葉、埼玉の高級店で販売されています(季節によります)

画像8

和牛の放牧を活用した奥出雲の農業は2019年に日本農業遺産にも登録されました。

奥出雲町でこの遺産と呼ばれる天平時代から続く営農方法を忠実に再現している唯一の農家として、これからも美味しい野菜を生産します。

画像9

この記事が参加している募集

わたしの野菜づくり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?