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青インクは、なぜ見えにくいのか

スプラの青インクが見えにくいと話題に

スプラトゥーン3の第2回フェスの真っ只中、休憩ついでにnoteを書いている。今回のフェスはポケモンとのコラボ。インクカラーは赤・緑・青だ。
私は、みず派。マンタロー派だ。

このインクだが、色によって見えやすさが大きく違うようだ。こんなツイート・まとめ記事がある。

  • 青インクの輪郭が見えにくい

    • わずかに出る凹凸でイカニンジャを発見するのはほぼ無理

    • 色覚サポートでも青・水色になって見えにくい

  • 逆に、緑インクの輪郭が見えやすい

まとめると、こんな状況だ。個人的にはフェスでは、見えやすさよりもイベント性を重視した配色がチョイスされるのは納得している。

むしろ、なぜ色によって見えやすさ/見えにくさの差が出るのか興味がある。以前、スプラトゥーンの配色について考察したことがあり、それで説明できそうな気がしたからだ。

  • 彩度 (S) 100%

  • 配色は色相 (H) 差で、輪郭は明度 (L) 差で表現

  • 通常の配色は色相差150°ぐらい (補色=180°から少しずれている)

HSL表記でS=100, L=50になる

青の明度差が分かりにくい理由

配色の問題ではなさそう

スプラトゥーン3からは3色選ばれるようになった。配色は色相差だけで行われている。120°ぐらいずつ色相差があれば、等間隔でコントラストがつきやすそうだ。そういう観点では赤・緑・青は無難ではある。
(過去作のフェスでは、そもそも色相差があまりない配色も選ばれている。フェス配色の最優先事項ではないのだろう)

むしろ、今回問題となっているのは、青インクの輪郭が見えにくいことだ。配色でなく青インク特有の問題なのだろう

色覚異常の問題でもなさそう

そして、おそらく色覚異常と関係のない。

(先天) 色覚異常の大半は赤緑色覚異常だ。1型 (P型) や2型 (D型) と呼ばれる。つまり、赤や緑に関して、微妙な色合いの変化や明るさの変化が分かりにくい
青黄色色覚異常 (3型, T型) という青色が分かりにくくなる色覚もあるが、極めて稀な色覚だ。今回これだけ多くの人に取り上げられるような根本的理由ではないだろう。

青に特有の問題みたい

HSL表記のようなデジタルな数字を見ると、見えやすさとのギャップがある印象だ。つまり、青インクだと輪郭が見えにくいが、他色と同じくらい明度 (L) 差をつけて輪郭が表現されているのだ。

当たり前だが、明るく感じる・暗く感じる色というのがある。つまり、色相 (H) が違う場合、同じ明度 (L) のスケールでは、感じ方を比較できない。
実際に画像を作ってみるとよく分かる。

同じ明度でも色によって明るさの感じ方が違う

色相・彩度・明度を数字で表しているHSL表記は、マンセル表色系に近い。マンセル表色系は国際的に用いられている色の表記法 (表色系) だ。
じつは、マンセル表色系では色相によって最高明度が異なる。そして、最高彩度を出すための明度も異なる

各色相における代表色の最高明度は色相ごとに異なり、最高値は黄(■ 5Y)の「8」、最低値は赤(■ 5R)や紫青(■ 5PB)の「4」である[3]。

マンセル表色系 - Wikipedia

結論

明度を機械的に変化させるだけでは、暗くなりやすい青色には不十分だった、と推測する。

(ついでに言うなら、「緑が分かりやすい」というより、「赤もそれなりに分かりにくい」ということなのだろう。それに加えて、夜にフェスを行っておりステージ全体が暗いというのも見えにくさに影響しているかもしれない。)

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