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13歳からのアート思考-自由に見て、感じて、自分だけの答えを導く

末永幸歩さんの「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考という本を読みました。

アート作品を通して、固定概念にとらわれない自分なりの答えを出すといワークを行う内容になっています。タイトルにもあるように中学での美術の授業を1冊の本にまとめているので、とても読みやすかったです。

無意識の固定概念

絵画を見るとき、無意識に何が描かれているんだろう?と思って作品を見ると思うのですが、何かが描かれていなければいけないわけではないですよね。音楽を絵画で表現してもいいわけですし、何でもないものを描いてもいいし、写真により近いリアルな作品だけが素晴らしい作品ではないはずです。

ピカソの作品がうまいか下手か?と聞かれたら正直よくわからないです。でも世界的にはとても評価されているアーティストです。ではなぜ評価されているのでしょうか。

絵はもともと肖像画や宗教画など何かを表現し、伝える手段として使われてきました。ですので、素晴らしい絵とは当時は目に映るまま、よりリアルに描かれている絵でした。しかし、カメラの登場により実際にあるものをリアルに再現するという役割は写真の役割となりました。

写真はあるものをそのまま映しますが、一定の視点からのみ写されています。ピカソが「アビニヨンの娘たち」で行ったのは写真では表現できない様々な角度から見た視点を1つの絵画の中にまとめるという手法です。

アート鑑賞とは自分と向き合うこと

1つ1つの作品を見てどう感じるか、何でそう考えたのかを繰り返していく中で、無意識に自分の中にあった固定概念が1つずつ壊されていき、もっと自由に感じて、考えていいんだという新たな感覚が芽生えきます。

評価されているアーティストというのは上手いか下手かじゃなくて、様々な常識や固定概念に問題提起し、新たなアートの可能性を示してきているから評価されているんだ!ということが、この本を読んで理解できました。そういう意味ではバンクシーが評価されているのも、うなずけますね!

本書の冒頭に下記のような投げかけがあります。

ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと「自分のものの見方」を持っている人こそが、結果を出したり、幸せを手にしたりしているのではないでしょうか?じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら「自分なりの答え」作れない人が激動する複雑な現実世界の中で、果たして何かを生みだしたりできるでしょうか?

おわりに

アート思考というのは解説を聞いたり、背景を知ることではなく、作品と対峙して自由に頭を使って考えることなんだなと改めて考えさせられました。この本を読んだら、なんだか無性に美術鑑賞をしたくなってきました!アートを題材としていますが「思考」を磨くためのおすすめの1冊です。


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