「大無職オリンピックTOKYO」[殺傷技能男子無差別級編]
2020年TOKYO。
八角柱状闘技場(オクタゴン)で二名の格闘者が睨み合っている。
一名は米国代表ハーキュリーズ・ヘラクレス。2.4m 200kgの偉丈夫は現WSW世界チャンプである。
もう一名は日本代表支倉たけし。1.7m 90kgの猫背の上下スウェットで職歴なし。宮城県立黒脛巾高専卒。バリバリの無職。
「ハーキュリーズ!気を付けろ! ただの無職じゃない!」
「ハッ? 無職ナンテ雑魚ダロ?」
「そうサ、ぼくはタダの無職サ……」
そして、たけしは《無職技能》「忍術」を構えた。
【続】
2020年。
日本はロボティクス技術の独自発展により単純労働のみならず調理芸能政治に性産業までもが産業AIで代替され全国民が無職化。あらゆる才能の原石が無職の砂漠に埋もれることになった。これは砂漠から原石を拾い上げようとする探索者達の物語である。
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