ぼぎわん

おまえのところにも『ぼぎわんが、来る』(2015年の小説)

男は少年時代の記憶を思い出していた。

※※さんいますか?
※■さんいますか?
■※さん? ※※さん?

扉の向こうで祖父や祖母や家族の名前を呼びあげる奇妙なモノ。
(この世のものではない)少年は直感して引きこもり難を逃れた。
これまでそんなことを思い出すことはなかったのに……なぜいま?

ストーリーの概要

『ぼぎわんが、来る』/澤村伊智 は、謎の山へ連れ去るタイプの妖怪「ぼぎわん」の脅威を三者三様の視点から描く三部構成の怪談ストーリーです。

主観指定の第一部。事件の裏側が明かされる第二部。部外者が事件を覗き込む第三部という構成で、それぞれの視点の差やコミュニケーションの「断絶」が作品の大きな魅力になっています。

三者視点のスピード展開

一つの事件を三者三様の視点で描くため展開はとてもスピーディ。次から次に事件が発生する一方で水面下で進行する邪悪な伏線を張り巡らせていきます。前エピソードの不自然な点をあまり引っ張らずどんどん解決していくのはフェアネスですよね。

「ぼぎわん」ってなに?

「ぼぎわん」正体不明の怪異。
一説によると「ターゲットを山へ連れ去る妖怪」とされている。名前の由来は不明だが宣教師の到来とともに「ぼぎわん」という言葉が生まれて文章に残されているため、ヨーロッパ原産の怪異【ブギーマン】が宣教師によって持ち込まれたのではないかという説もある。

※一部「妖怪処刑人小泉ハーン」との設定重複が見られるのでぬっぺらぼうは実在する証拠である。

対抗手段は

ない。一般的な招かれるタイプの妖怪と同様に扉を開けなければ進入できない。また、鏡や刃物なども嫌う傾向があり、それほど特別な怪異ではないが、とにかくしつこい。

「ぼぎわん」は(おそらく)オレオレ詐欺やフィッシング詐欺の手口が実体かした妖怪であり(※個人の推測です)個人情報やSNSまでもを駆使して一発の要求で通らない場合は一千発の要求をするというインストラクション・ワンに忠実な地獄の猟犬なのだ。

現在進行形の怪談

「ぼぎわん」は映画化されるそうです。邦題は『来る』。
つまり現在進行形で2018年年末大ヒット映画となる予定なのです。
\ぼぎわん、サイコー!!/ とかなるやつです。

受賞時「ぼぎわん」
発売時「ぼぎわんが、来る
映画化「来る」

ぼぎわんなくなっとる!!
「ハァーッ!ハァーッ!許さないぞ!!これでは映画の主題がぼやけてしまうのでは?」
ぼぎは訝しんだ。

「ぼぎ......」監督は光った。
「これは作中にもある通り(名前を読んではいけないタイプの怪異)を表現したものだから、実際相互に大丈夫......」

「アッハイ」
ぼぎは納得して消滅し塩の柱だけが残された。

未来へ

この非常に洗練された怪談は「あなたも他人事ではない」という恐怖を植え付けてくる。優れた怪談は読了後に真の恐怖が訪れるものだ。ほら、あなたも何か良くない気持ちを抱えていませんか?この怪談はあなたの信じる心に訴えかけるトラップかもしれない。

関連:読んでて怖くなっちゃった人へ

怪談本を読んで怖くなったら彼を読んでマイトで爆砕してもらおうね。

「ヨーロッパのブギーマン=日本のぬっぺらぼう」
世界にはびこる怪異をハントする。幽霊十両、妖怪五十両。最後の妖怪猟兵!!彼の名は小泉八雲!!人呼んで妖怪狩猟人小泉ハーン!!

お 菊 を 

井 戸 ご と

大 爆 破 !


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