花の記憶15 邂逅編
「雨花〜おはよ〜」
「おはよう、幸」
午前9時過ぎの休日。
顔洗って、歯も磨いて、気持ち的にも目が覚めた丁度、朝食の味噌汁の出汁や、綺麗に焼かれた卵の良い匂いが、ゆったりとした朝に良く似合う。
巫山戯て細い身体に抱き付くと、「幸、危ないから、そんな事しちゃ駄目」って、味噌を溶かし乍ら軽く叱られた言葉に、「んふふ♪大丈夫大丈夫♪」と少し体重を掛ける。
「もう出来るから、座ってて」
「はーい♪」
手際良く料理を熟す後ろ姿。
…半年前迄は、独りで留守番させるのも心配だったけど、今と