シェア
払った刀が空を斬る音。刀の消えた先には、驚きのあまり瞬きせずに立ち尽くす年寄りと、驚きで…
動きを無理矢理とめた坊主の首と膝に無理がかかり少々痛みが走る。 坊主は頂点に達した恐れと…
細くまばらに、髪の毛は前に垂れている。 目を隠すほど邪魔にはならない、髪の毛の向こうで、…
康介は知っている。時代は次へと向かい、世は修めるものが変わったと。 認めたくはない。今は…
再び訪れそうな沈黙は、康介の若さから溢れる好奇心で消されてゆく。 康介は痛む身体を忘れた…
娘はうつむいた。 その生き物を思い出すも何も、先程から頭の中から消えずに困っている。 だか…
7 村はずれ。村からは少々距離がある。 お日様が昇れば何処かに人の気配もあると言うものだが、夜の夜中は不気味な暗闇。 そんな場所にある社だから、立派ではないが広さもそこそこあり、囲炉裏もある。側には坊主が明るいうちに集め置いた薪があり、それを康介が火に焼べる。 湿気のある薪は少々煙もつよかった。 その康介の左手側に、入り口を背にした坊主が座り、康介の向かい側、坊主の左手側に意識を戻した娘が静かに座り暖をとる。 三人は何も喋らず静かに座る。 坊主も生