こころの性にも種類がある?【性別って複雑】

小説を書く上でキャラクターの性別について模索していたら、なにやら興味深い性別診断サイトを見つけた。「anone,」と検索すれば出てくると思う。

この手の診断は好きで、見かけるとよくやる。私は小説の資料集めを一時休止して、性別を診断してみた。結果の前に書いておくと、この診断で判明するのは「こころの性」「恋愛指向」「性的指向」「表現したい性」である。

私の結果は、
こころの性:Xジェンダー
恋愛指向:バイロマンティック、リスロマンティック
性的指向:レズビアン、サピオセクシャル
表現したい性:ノンバイナリー
だった。

人によっては見慣れない単語も混じっていると思うので簡単に説明する。
Xジェンダー:女でも男でもない性自認
バイロマンティック:恋愛対象が女性と男性
リスロマンティック:恋愛は両想いでなくてもいいという捉え方
レズビアン:恋愛対象(今回の場合性的対象?)が女性である女性
サピオセクシャル:頭がいい人に魅力を感じる
ノンバイナリー:表現したい性が男性でも女性でもない
(※自分なりに噛み下いた説明なので、正確で詳しい説明が気になる人は調べてみてね)

これにはかなり驚いたというか、虚を突かれた。まず自分の認識と自分の実態が違っていたことに驚いたし、恋愛指向と性的指向が違うことにも驚いた。そして人によっては、表現したい性と性自認(≒こころの性)が違う可能性があるということにも驚いた。

しかし、周りの人を思い出してみればどうだろうか。意外とそういう人間もいるのである。そう人間もいるというか、ひとくちにこころの性といっても十人十色に捉え方が様々である気がしてくるのだ。簡単な例を挙げると、女体を持つ性自認が女性の方でも、カッコいい服装を好む人はたくさんいる、といったようなことである。

診断をする前まではザックリ「『体の性』と『心の性』がある」程度の認識しかなかったが、分類しようとすればキリがないくらい人によって実態が違うのだと分かった。

自分自身を振り返ってみても、思い当たる節はそういえばあった。基本的には女体に生まれ女性としての性自認を持っていたが、恋愛対象を性別で分ける感覚がよく分かっていなかった。昔からよく思っていたのが、「じゃあ好きな子が実は同性でしたってなったらその瞬間に好きじゃなくなるの…?」という疑問である。どうやら私はバイらしいので、いまだにこれは疑問に思っている。

性自認

ここまで文章を読んだ方は、「ん?お前の性自認はXジェンダーなの?女なの?」となったと思う。単刀直入に言うが、これが分からないのである。私は女体に生まれてきた自分に違和感を持ったことはないし、自分の性自認が世間の"普通"とぶつかったことはなかった。しかし本当に性自認が女かと言われると、なんとも言い切れないような気がしてくる。男っぽいとかではなく、性別で分けている意味がそういえばよく分からないのだ。

こうなると、私の性別は暫定Q(クエスチョニング:性別が分からない人、迷っている人、決めたくない人、性的少数者等をまとめた言葉)ということになる。これからの人生でXジェンダーか女性かハッキリしていくかもしれないし、ずっと分からないかもしれない。性別にこだわりが無いので、なんでもいいかなという心持ちである。

表現したい性

私の場合は表現したい性と性自認が同じなので、性自認と同じように表現したい性にもこだわりが無い。可愛い服もカッコいい服も好きだが、着るのは無地で機能性重視の服ばかりである。素敵な服はどうしてあんなに高いのだろう。素敵だからか。

表現したい性と性自認が同じってことは、Xジェンダー=ノンバイナリーってこと?

それは違うらしい。調べた限りではニアリーイコールだったが、Xジェンダーの方が意味の幅が狭いようだ。性自認に関係なく表現したい性が女性でも男性でもない人はノンバイナリーだそう。ちょっと難しくなってきた。自分のことだけど、いざ説明するとなると感覚的なものだから難しい。ただひとつ言えるとするなら、私の場合は「男でもなく女でもない、表現したい性別がある」というより「性別を表現する必要性が分からない。性別にそこまで意味があると思えない」というタイプだといえば伝わるだろうか。

例えるなら、日本で血液型を聞くノリで海外で聞いたら「それ聞いて何の意味があるの…?」と思われるのに似ている感覚だと思う。その辺りはノンバイナリーの人それぞれにとって違う感覚があると思った方が良さそうだ。(同じ「女性を表現したい人(=女性らしく見られたい人)」でも「可愛らしい女性」と見られたい人もいれば「色気のある女性」と見られたい人もいるといったような話だ。例えが多くて逆に分かりにくくなっていたら申し訳ない。)

リスロマンティック(恋は両思いである必要が無い)

これに関しては自覚があるというか、私はこうだなとハッキリ思えた診断結果だった。今までの人生で両想いになったことが無いので特に有益な情報は書けないが、数回してきた片思いに苦しんだ覚えが無いということは断言できる。漫画の中のキャラなんて大層片思いに苦しんでいるが、「いやいや片思い中にも楽しいことはたくさんあるって。そんなに付き合おうと急がなくても」なんてぼんやり思っていた。

これでも少女漫画は好きなのである。ただ片思いが苦しいという感覚はよく分からない。付き合っていないのだから気が楽だし、いつか別れるかもしれないという不安もない。全力で好きでいればいいだけの話なのだ。ほとぼりがさめたら勝手に終わればいい。告白すれば良い意味でも悪い意味でも距離感が変わる。私はそれを望まないので、小学校高学年から告白することをやめた。

サピオセクシャル(知性を愛する)

これにも自覚がある。自分より頭がいい人が好きだ。これは理屈では言えない。今まで好きになった人の60%は自分より頭がよかった。あれ?あんまり多くないな。サンプルが少ないのが原因かもしれない。

終わりに

ここまで読んでくださった方のこころの性はどうだろうか。はっきりと「自分はこう」と言い切れる人も、「そう言われると俺もよく分からないかも」と思う人もいると思う。気になった方はanone,で一度診断してみることをオススメしたい。知らない自分と出会ういい機会かもしれない。

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