ネタバレ若干注意。シンクロ率高いジャンプとロッキーサーガ「クリード 過去の逆襲」
「クリード 過去の逆襲」。in新宿バルト9。
開演1時間前。売店前に大量の女性客が列をなしている。主演のマイケル・B・ジョーダンのナイスガイぶりが先日のPR来日で伝わったか!
遂に日本でもクリード旋風だ! かと思いきや、いざスクリーンに入ると観客は私含め男ばかり。
どうやら来ていた女性たちの大半が「アイドリッシュセブン」または「スラムダンク」目当てで、いざ「クリード」の劇場に入ると野郎ばかりという状態に結局これかとガックリ。ロッキーサーガ普及の道はまだ遠いようです。
エイドリアンを思わせる強く優しい妻のビアンカ。
難聴の影響で歌手を諦めながらも前を向く。夫の過去を受け入れ、寄り添い道を後押しする。良妻賢母。
デイムは過去最恐といって良いほどの威圧感。でも主人公に対する愛憎が伺えて、見てる側も憎み切れないキャラ。
演じたジョナサン・メジャースの悲しみを帯びた目力があってこそですが、本人が洒落にならない状態になっているのが何とも。。
過去2作。好青年だった主人公のアドニスは成功者として、ならず者の旧友と対峙する苦悩が色濃く出ていました。
娘(手話で会話。非常に可愛らしい)が学校でいじめられて相手を殴った事で云々の件はウィル・スミスの件を思い出しました。
今回含め、ロッキーサーガは日本の少年漫画との相性が強いです。まず、何もなかったロッキーとアドニスがチャンプの夢を叶えた。これは、みなしごの落ちこぼれから火影になったナルトと同じですね。
3でロッキーのトレーナー、ミッキーが控室で息絶える場面。
これはマキバオーが控室に戻るとチュウ兵衛師匠が亡くなっていた場面の元とも見て取れます。
ボクシングに活かせるか分からんがとにかく過酷なトレーニングと親子2代の戦いはドラゴンボール。次世代への主人公継承はジョジョとナルト。
日本アニメに造詣が深く愛情あるマイケル・B・ジョーダンがサーガを引き継ぐ事になったのは最適の人選だったかもしれません。
実際にところどころでアニメを意識しているであろう演出が見られ、最後のアドニスとデイムのやり取りがナルトとサスケの会話を連想させる辺り、本当に好きなのが伝わりました。
で。彼の熱意は本編にとどまらず、クリードをテーマにしたアニメ作品を特別映像として制作。
これが従来のクリードにドラゴンボールとシャーマンキングとガンダムを混ぜたというか。。もはや「クリードとは?」という哲学の部類にも入りそうな作品で。
ある意味、ハルク・ホーガン、ジェームズ・ブラウンを超えるシリーズ最大の隠し玉でした。
本当にこの路線で続きを作るつもりでしょうか。
相当に賛否割れそうな匂いがしますが、私は嫌いではないです。
寧ろ、このアニメが本当にシリーズ化して日本でヒットしたならば、今日アイナナ目当てで来た女子たちがロッキーを見る機会があるかもしれない。
スラダン見に来たカップルたちがシルベスター・スタローンを知る機会が生まれるのかもしれない。
若い人たちが作品に触れられる機会が増えるのなら旧作のファンとしては有意義な事なのではないかと。
それで、カップルが喧嘩して、女子が残した冷えたピザをハサミで切って食べる男子が増えたら、ロッキーサーガとスタローンの布教は完了と。
とにかく。今作をきっかけに新規で見てくれる人が一人でも増える事を願います。
6月3日追記
映画ヨタ話「ビーパワーハードボイルド 炸裂連弾」のYouTubeで私TYの感想文が採用されました。ありがとうございます。
多種多様な感想文でそれぞれの味方を感じて新発見がありました。見て頂けたらと思います。