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日記

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2021年1月の記事一覧

2021/01/17②

“突出”、“湾曲”、“萎縮”……特徴はどれも救いようのないものばかりだった。そしてその救いようのない記述に囲まれたイラストの男子は、とても素直な表情をしていた。絶望したり卑屈になったりせず、唇をしっかり結び、穏やかに遠くの一点を見つめている。哀しいくらいけなげな表情だった。/小川洋子「雨上がり」『シュガータイム』

悲観していない表情はときによりその人を絶望の真っ只中に見せると思います。自己憐憫も

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2021/01/17①

『冷たい熱帯魚』観ました。ひたすら凄惨な、完成された村田の狂気。それが彼のごく日常として噴出するシーンが特に好きでした。社本がだんだん格好良く見えてくるのは良くないのでしょうね。

狂気というのも物差しによって変わってしまいますが。村田にとっては自分の力で何かを勝ち取らない人間こそ狂っているように見えていたのではないでしょうか。

2021/01/16

航平はそんな残酷な視線を、ゆっくりまばたきをしながら真綿のように吸い取ってゆく。そんな時、航平の瞳がほんの一瞬薄い水色に染まることを知っているのは、たぶんわたしだけだろう。/小川洋子「野球場」『シュガータイム』中公文庫

小説の読み方が変わった気がします。以前は言葉から浮かぶ印象やイメージを頭の中で映像に組み立てるように読んでいましたが、今は独立した言葉の並びや組み立てにも目が向いてしまいます。(

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2021/01/15

3時就寝10時半起床みたいな生活を送っているので、午前中がよく分かりません。空気は冷たいのに日差しは真っ直ぐに来る、というような描写だけイメージとしてある。もはやファンタジー。

今日は散髪して(散髪と言う人間は珍しいらしい)本を2冊買い一冊読みました。あとは映画みてるかツイッターしてる時間になるはず。時代に則した人間だ。

濁りのない群青色の夜は、わたしの皮膚を爪の先まですっかりきれいに染めてし

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2021/01/12

映画を見てる時間はもちろん面白いのですが、映画を見ていなければ何をしていたかにもつい思いを馳せてしまいます(とても映画に真摯に向き合った態度ではありません。申し訳ありません。)。パラレルワールドには社交的で外向的な僕もいるんでしょうか。そういう映画も探してみよう。

いくたびか生まれ変わってあの夏のウエイトレスとして巡り遭う/穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』

「遭う」の表記はこれで

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2021/01/03

明けましておめでとうございます。

雪は花に喩えられつつ降るものを花とは花のくずれる速度/服部真里子『行け広野へと』

花が3回も出てきます。互いを重ね合わせながら降るはなびら、雪がそれぞれの脳内に積もる心地。個人的に「花」を使う時は品種まではっきりさせた方がいいのかいつも迷うのですが、この歌は「花」の語の普遍的なうつくしさ、はかなさを各読み手に補完させるところまで完璧なように思います。僕が思い浮

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